積み立てたお金

産業廃棄物適正処理推進センター基金は、不法投棄や不適正処理された産業廃棄物を撤去する費用として積み立てられているものです。産業廃棄物適正処理推進センター基金の仕組み、現状について解説します。

「産業廃棄物適正処理推進センター基金」とは?

「産業廃棄物適正処理推進センター基金」制度

「産業廃棄物適正処理推進センター基金」とは、平成10年6月17日以降に発生した不法投棄等に対する支援事業(産業廃棄物不法投棄等原状回復事業)で積み立てられている基金のことをいいます。

産業廃棄物の不法投棄や不適正処理を原因者等が原状回復等の措置をとらずに、やむを得ず都道府県が支障除去等(不法投棄・不適正処理に起因する生活環境保全上の支障もしくはそのおそれの除去又はその発生の防止)する場合、必要な費用を基金で支援します。

基金の仕組み

「産業廃棄物適正処理推進センター基金」は産業界からの出えん金(7分の4の割合)国からの補助金(割合7分の3の割合)で成り立っています。

都道府県等の支障除去費用の7/10以内の金額(最小額200万円以上)を支援します。

基金の活用状況

平成28年度以降の支援実績をまとめました。

年度 回数 廃棄物の種類 支援額合計
平成28年度 4回 混合廃棄物、廃プラスチック類等、がれき等 約6億円
平成29年度 1回 燃え殻 約7,000万円
平成30年度 2回 動物のふん尿、汚泥等 約1億5千万円
令和元年度 2回 動物のふん尿、汚泥等 約3億3千万円
令和2年度 1回 混合廃棄物 約1億5千万円

※令和2年度は9月末時点まで。

参照環境省 産業廃棄物適正処理推進センター基金「基金の活用状況」
参照環境省「令和2年度支障除去等に対する 支援に関する検討会 報告書」

令和3年度に枯渇のおそれ

マニフェスト頒布団体等による基金への出えんは任意の拠出であるため、一部団体からは満額の出えんを得られたものの、全く出えんを得られない場合もありました。

過去5年間のデータを見ると、自治体への支援金は当初の想定より5億円余り上回ったものの、業界からの拠出金が見込みより1億円ほど少なくなっています。

そのため、2020年秋に環境省で行われた「令和2年度支障除去等に対する支援に関する検討会」において、このまま産業界と国の負担割合を維持しつつ支援をすると、早ければ令和3年度にも基金が枯渇する懸念があると発表しました。

令和3年度以降の基金による支援の在り方として、

  1. マニフェスト頒布団体等へ引き続き協力を求めるだけでなく、マニフェスト頒布団体以外の産業界の関係団体等にも、国が任意の出えん協力依頼を行う
  2. 不法投棄等事案の発覚前後の未然防止措置や行政の対応を考慮して支援額を算定する

といった取り組みを進めていくとされています。

まとめ

この基金は産業廃棄物の不法投棄や不適正処理が無くなれば、使われることはありません。

近年、不法投棄や不適正処理の件数は大きく減少していますが、ゼロには程遠いのはご存知だと思います。国や自治体は不法投棄や不適正処理撲滅へ向けてさまざまな取り組みをしています。排出事業者はきちんと許可を得ている処理業者を選定し、不法投棄や不適切処理を未然に防ぐようにしましょう。

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