吸い殻の臭いを抑える捨て方は?NGな方法や加熱式・電子タバコも解説

タバコの吸い殻の処分に困ったことはありませんか?

日頃タバコを吸う方の中には、処分した吸い殻の臭いについて「ご近所さんから文句を言われた!」という方もいるかもしれません。また、非喫煙者の方でも、ご家族やお友達が残した吸い殻を処分しなくてはならない場合「どうやって捨てたらいいの?」と悩んでしまうでしょう。

ここでは、タバコの吸い殻の正しい捨て方と臭い対策をご紹介します。やってはいけない処分方法や、加熱式タバコ・電子タバコについても丁寧に解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

タバコの吸い殻は「可燃ごみ」

タバコの吸い殻は、可燃ごみとして処分するのが一般的です。消し忘れによる発火を防ぐため、必ず水で濡らしてから捨てましょう

吸い殻を捨てるのは「灰皿にある程度溜まってから」という方が多いと思います。この場合、火が十分に消えていない吸い殻が混ざっていると発火する可能性もあります。

1本吸うごとに吸い殻を水で濡らして処理しておけば、自分では気づいていない火種も残さず消火できます。あらかじめ灰皿に水を張っておいたり、すぐそばに消火用の水を用意したりしておくと安心です。

ちなみに、灰皿に溜まった灰も可燃ごみとして回収に出せます。吸い殻と一緒に捨てる場合も、火がきちんと消えているかどうか忘れずに確認してください。

吸い殻の不始末による火災は被害が大きくなりやすい

タバコの火の不始末によって、国内では毎年多くの火災・事故が起こっています。

令和5年度、東京消防庁管内ではタバコの吸い殻が原因の火災が661件発生しました。これは、同年度に管内で起こった全火災件数(4329件)のうち約15.3%を占めています。

吸い殻が原因となる火災では、喫煙後1時間以上経ってから出火するケースもあります。

タバコの火種は、紙類や落ち葉などの可燃物に接触させてもすぐには発火しません。500度以上と高温な状態にも関わらず、発火せずに「無炎燃焼」という状態を維持してしまいます。線香やお香のように、炎を出さずに長時間燃え続けている状態です。

時間をかけて周辺の可燃物に燃え移り、場合によっては発火して大きく燃え広がります。発火に時間がかかるため、吸い殻が原因となる火災は大きな被害が出やすいです。

例えば、自宅でタバコを吸った後に外出したり、その場から離れたりしているうちに火災が起これば、すぐに対応できませんよね。また、就寝前の一服がこのような火災に発展すると、命を落としかねません。

タバコを吸ったらすぐに水で濡らし、きちんと火が消えたかどうか確認するようにしましょう。

【参考資料】
紙巻たばこの出火危険 | 東京消防庁
無炎燃焼の再現|堺市

吸い殻の臭いを抑えられる捨て方は?

日ごろタバコを吸っていても、「吸い殻がたくさん集まっていると、臭いがきつい…」と感じる方もいます。ごみ回収に出す際は、自分だけでなく周囲の人に不快な思いをさせないためにもきちんと臭い対策を施しましょう。

吸い殻は、あらかじめ小さなポリ袋にまとめて口を縛ったものを可燃ごみの袋に入れるようにすると、臭い漏れを防げます。そのほか、吸い殻の臭い対策には、次の3つの方法がおすすめです。

  • 灰皿の横に消火用の水を用意しておく
  • コーヒーかすを活用する
  • タバコの臭い専用の消臭剤を使う

どれも簡単にできるため、ぜひ明日から試してみてください。

灰皿の横に消火用の水を用意しておく

水に濡らした吸い殻は、タバコの煙とは異なる独特の臭いを発します。灰皿に水を張っている方も多いと思いますが、臭いが気になる場合は灰皿の水に浸けるのではなく、すぐそばに消火用の水を置いておくようにしましょう。

タバコを水に浸けると、フィルターやタバコの葉と一緒に臭い物質も水に溶け出します。タバコの臭いは硫化水素やアンモニア、アセトアルデヒドなど、さまざまな物質が複雑に絡み合って発生するものです。

吸い殻を水に濡らした際、特に気になるのはアセトアルデヒドの刺激臭です。アセトアルデヒドは水に非常に溶けやすいため、灰皿の中に水を張っていると特に強い臭いを放ちます。さらに、タバコの灰は水分を吸収すると固まってしまうため、灰皿にこびりついて臭いを閉じ込めやすいです。

タバコを吸う際は、灰皿と別に水を入れた小さな容器を用意して、消火した後に灰皿に入れるとよいでしょう。吸い殻を浸けた水は、少量であればそのまま排水口に流して構いません。水には小さなタバコの葉やフィルターのかけらが入っているため、水道水を流しながら目の細かいネットでこすのがベストです。

コーヒーかすを活用する

吸い殻の臭い対策には、コーヒーかすも効果的です。灰皿の中にコーヒーかすを敷き詰めておくと、臭いを吸収してくれます

コーヒーかすは湿った状態でも乾燥したものでもOKですが、湿ったものだとより効果があります。毎日ご自宅でコーヒーを入れる方は、捨ててしまうコーヒーかすで消臭効果が得られるため一石二鳥です。ただし、湿ったコーヒーかすはそのぶんカビが発生しやすいため、小まめに取り替えるようにしましょう。

「頻繁に取り替えるのは面倒…」という方は、乾燥させたコーヒーかすを使うのがおすすめです。乾燥させた場合、1週間~1か月ほど消臭効果が持続します。

コーヒーかすを乾燥させる方法は、次の3つです。

  • 平皿やトレイに薄く広げて天日干し
  • フライパンで炒る
  • 電子レンジ(500~600W)で1~2分加熱

ご自分が無理なく続けられる方法を選びましょう。

タバコの臭い専用の消臭剤を使う

ご家庭に複数の灰皿がある方、車の灰皿の臭いも気になる方は、タバコの臭いに特化した消臭剤を使うのもおすすめです。

タバコ専用消臭剤には、灰皿に入れられる消臭ビーズや液剤、ムース状の泡で吸い殻全体を覆って消臭できるものなど、さまざまな種類があります。使いやすいものを選びましょう。ご家庭に小さいお子さんやペットがいる場合は、誤飲・誤嚥を防ぐために気を付けて管理してくださいね。

やってはいけない!吸い殻の捨て方3つ

ここでは、やってはいけない間違った吸い殻の捨て方を3つ解説します。

吸い殻は「水で濡らして可燃ごみ」が正しい捨て方です。火種の不始末が原因の火災も多いため、間違った捨て方はしないように心がけましょう。

NG① 吸い殻をそのままごみ箱に捨てる

タバコを吸った後、灰皿を使わずに吸い殻を直接ごみ箱に捨てたり、ごみ袋に乾いた状態で入れたりするのはNGです。

先にも述べたように、吸い殻の火種は消えているように見えてもくすぶり続けていることがあります。紙類や布製品、ちり・ほこりなどごみ袋やごみ箱内の可燃物に火種が触れると、時間が経ってから発火しかねません。また、ごみ袋にそのまま投入すると臭い漏れも気になります。

喫煙後は必ず水で濡らして消火し、小さなポリ袋などにまとめたうえで可燃ごみの袋に入れましょう。

NG②缶・ペットボトルに入れる

自動販売機のそばなどに、吸い殻が入った缶やペットボトルが放置されているのを見かけたことがあると思います。

缶やペットボトルは本来資源ごみですが、吸い殻が入っているとリサイクルできません。不燃ごみとして処分しなければならなくなるため、もったいないです。また、ジュースなどの缶を見て小さな子どもが口に入れてしまう可能性もあります。

さらに、アルミ缶やスチール缶は中が見えないため、タバコの火が本当に消えたかどうか分かりづらいです。たくさん吸い殻が入っていれば、コーヒーやお茶などの中身の水分で火を消すのも難しくなります。金属製で熱を保ちやすいため、発火の危険性も捨てきれません。

屋外でタバコを吸う場合は、喫煙スペースに設置されている灰皿に吸い殻を捨てるか、携帯灰皿を持ち歩くようにしてください。

NG③ ポイ捨て・不法投棄

当たり前のことですが、吸い殻のポイ捨ては厳禁です。しかし、喫煙後に道端や側溝に吸い殻を捨てる人は後を絶ちません。

毎年、世界では約6兆本ものタバコが消費されていますが、そのうちポイ捨てによって環境中に投棄される吸い殻は約4.5兆本といわれています。およそ4分の3がポイ捨てされている計算です。国内でも、環境省がポイ捨てのごみを調査・記録している自治体にアンケートをとったところ、吸い殻は空き缶・ペットボトルに次いで3番目に多いごみでした。

タバコのポイ捨ては「不法投棄」であり、軽犯罪法違反などの法律に触れる可能性もあります。実際、運転中に車の窓から吸い殻を捨てた人が廃棄物処理法違反の疑いで逮捕されたケースもありました。

何気なくポイッと捨てた吸い殻も、道行く人や動物に当たれば怪我をしかねません。火災に発展すればより重い罪にも問われます。屋外で喫煙する方は、携帯灰皿を持ち歩いて吸い殻を持ち帰るようにしてください。

【参考資料】
令和5年度 「ポイ捨て」に関する調査 報告書|環境省

吸い殻が「環境汚染の原因」になる?

ポイ捨てされた吸い殻は、環境汚染の原因にもなります。

タバコに含まれるアセトアルデヒドやニコチンは、水に溶けやすい化学物質です。ポイ捨てされた吸い殻に雨が降れば、環境中に流れ出します。さらに、タバコのフィルターはプラスチック製のためなかなか自然分解せず、長い間ごみとして残ってしまいます。

流れ出た化学物質は、地面に染みこめば土中環境に悪影響を与え、用水路から川へ流れていけば水質汚染につながります。特にニコチンは、殺虫剤に使われるほど毒性の高い物質です。2023年には、京都市内の水族館で野外水槽にポイ捨てされた吸い殻によって展示されていた魚が大量死する事故もありました。

また、生き物が体内に取り込んだ物質が環境中よりも高い濃度で蓄積される現象を「生物濃縮」といいます。流れ出したタバコの有害物質が魚類や野菜・果物、穀物などに蓄積すれば、巡り巡ってそれを食べた人間の身体にも被害をもたらす可能性もあるでしょう。

何気なく捨てた1本のタバコが、環境中にさまざまな影響をもたらす可能性を考えると、少し怖くなります。けれども、今ここから防げる環境汚染であることも事実です。屋外で吸ったタバコは携帯灰皿に入れ、決してポイ捨てはしないようにしましょう。

【参考資料】
環境と持続性を考える:海は灰皿ではない|FSI海洋プラスチック研究
生物濃縮|水質に関する用語集|国土交通省

加熱式タバコ・電子タバコはどう捨てる?

ここからは、加熱式タバコ・電子タバコのスティックやリキッドの捨て方を解説します。

それぞれ本体(デバイス)の処分方法についても紹介しますので、ぜひご覧ください。

加熱式タバコの使用済みスティックは「可燃ごみ」

アイコスやプルームのような加熱式タバコの使用済みスティックは、紙巻きタバコと同じように水で濡らしたうえで可燃ごみとして処分してください。

「加熱するだけだから、消火しなくてもよいのでは?」と思った方も多いかもしれません。喫煙直後の使用済みスティックは高温のため、そのまま可燃物に触れると引火する可能性もあります。水に濡らして温度を下げ、引火・発火のリスクを減らしましょう。

また、加熱式タバコの臭いは紙巻きタバコとはまた異なります。そのため「普通のタバコよりも気になる…」という方も少なくありません。使用済みスティックも、水に濡らしたうえで小さなポリ袋にまとめ、口をしっかり縛って臭い漏れを防いでください。

電子タバコのリキッドは「吸収させて可燃ごみ」がベスト

電子タバコのリキッドは「そのまま排水口に流しても問題ない」とするメーカーもあります。

しかし、お使いのブランドがどのような処分を推奨しているか分からない場合は、可燃ごみとして扱うのが無難です。ティッシュや古紙、キッチンペーパーに吸収させて可燃ごみに出すとよいでしょう。

また、リキッドのボトルや使用済みカートリッジは「プラスチックごみ」になります。お住まいの自治体の分別方法を確認したうえで処分してください。

加熱式・電子タバコ本体の捨て方

加熱式・電子タバコの本体は自治体によって扱いが異なるものの、家電量販店やホームセンターに設置されている回収ボックスに入れる場合が多いです。

ただし、回収ボックスは次の2つの種類があります。

  • 小型家電回収ボックス
  • リサイクル回収ボックス(小型充電式電池回収ボックス)

どちらに入れるべきかは、自治体ごとにルールが定められています。お住まいの自治体のホームページなどを確認してみてください。

また、加熱式・電子タバコの販売店で実施している回収サービスを利用することもできます。しかし、独自のリサイクルプログラムを提供しているフィリップモリスジャパン社の製品は回収対象外です。IQOSやlilをお使いの方は、メーカーのリサイクルプログラムを活用しましょう。

【参考資料】
加熱式たばこ機器等の回収・リサイクル活動|一般社団法人 日本たばこ協会

まとめ

タバコの吸い殻の捨て方と臭い対策について解説してきました。

吸い殻は「水に濡らして可燃ごみ」が正しい捨て方です。水に浸けた吸い殻の臭いが気になる場合は、灰皿に水を張るのではなく消火用の水に浸して火種を消したり、コーヒーかすやタバコ専用の消臭剤を活用したりするとよいでしょう。

喫煙可能な場所が年々減っていて、愛煙家の方は肩身が狭く感じているかもしれません。吸い殻の臭いにまで気を配って処分することで、よりスマートにタバコを楽しめるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

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