
「ペットボトルを潰して処分したいのに、いつもうまく潰せない…」とお困りの方はいませんか?
ペットボトルは「潰して処分」を推奨する自治体は多いものの、握力や体力に自信がない方は大変ですよね。また、潰す際に大きな音が発生すると「ご近所さんから苦情が入らないかな?」と気になる方も多いでしょう。
この記事では、ペットボトルを簡単に潰す方法を3つご紹介します。なるべく音を抑えて潰す方法やコツも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ペットボトルは「種類」で潰しやすさが異なる
いつも私たちが何気なく利用しているペットボトル。中身の種類によってペットボトルの形も異なることに気づいていますか?
ペットボトルの種類は主に次の4つです。それぞれのペットボトルは形や中身の飲料も異なりますが、資源ごみとして処分する際の「潰しやすさ」にも違いがあります。
- 四角くデコボコしていて、飲み口が白い「耐熱」タイプ
→果汁・野菜飲料やスポーツドリンク、お茶など - 丸くてつるんとした「耐圧」タイプ
→炭酸飲料 - 丸くて飲み口が白い「耐熱圧」タイプ
→果汁入り炭酸飲料など - 溝が多くて薄い「無菌充填」タイプ
→ミルク入りコーヒー・紅茶、お茶など
上に挙げた4種類のうち、潰しやすいのは「無菌充填」タイプです。薄くて軽いため、強い力を加えなくてもうまく潰すことができます。
無菌充填タイプ以外のペットボトルは、飲料を充填する際に熱や圧力を加えるため、分厚く丈夫に作られています。そのため、捨てるときに潰すのも大変です。無理に素手で潰そうとすると怪我に繋がりかねないため、十分に注意しましょう。
【参考資料】
ペットボトル6つの謎|プラスチックのはてな
PETボトルの種類|PETボトルリサイクル推進協議会
ペットボトルを簡単に潰す方法3つ
硬くて丈夫なペットボトルは、処分のために潰すのも大変。できるだけ力を使わずに、簡単に潰したいですよね。
ペットボトルを簡単に潰せる方法は、次の3つです。
- 足で踏み潰す
- ペットボトルを掃除機で吸う
- 「ペットボトル潰し器」を使う
より音を立てずに潰せるコツもご紹介しますので、ぜひチャレンジしてみてください。
1. 足で踏み潰す
特別な道具を使わずにペットボトルを潰したい場合は、体重をかけて足で踏みつぶすのが簡単です。床に傷をつけないようにタオルやマットを敷き、万が一の怪我を防ぐためスリッパを履いて潰すようにしましょう。
次の手順で踏み潰すようにすると、より小さく畳めるうえ元の形に戻りにくいです。
- ペットボトルは横置きし、まず中央を踏んで凹ませる
- 底の部分を中央に向かって折り込むように踏む
- 飲み口周りを踏んで薄くする
- ある程度潰れたら、シンクやテーブルの角に潰れたペットボトルをあてる
- 角を利用して縦にしっかりと折り目をつける
この方法のデメリットは、300ml以下の小さいペットボトルを潰しづらいことです。また、潰す音が響きやすいため、次にご紹介する静かに踏み潰すコツを押さえたうえで早朝や深夜の処理は避けましょう。
なるべく音をたてずに踏み潰すコツ
ペットボトルをなるべく静かに踏み潰すには、2つのポイントがあります。
1つ目は、床にペットボトルを直接接触させないことです。床に直置きしたペットボトルを踏むと、音が響きやすくなります。先に「床を守るためにタオルやマットを敷く」とお伝えしましたが、なるべく静かに潰すためにも重要です。
さらに、カーペットを敷いた部屋でペットボトルを処理したり、タオルやマットの下に新聞紙を敷いたりしてより防音に気を配るとよいでしょう。
2つ目は、少しずつ踏み潰すことです。一気に潰すとペットボトル内部の空気が激しく動くため、大きな音が発生してしまいます。ペットボトルは横に寝かせて置き、まずは中央を軽く踏んで少しずつ小さくするようにすると、音が大きくなりにくいです。
2. ペットボトルを掃除機で吸う
家族が多いご家庭では、ペットボトルごみもたくさん出やすいですよね。処分したいペットボトルが大量にある場合は、掃除機を使って潰すと簡単です。
ペットボトルの飲み口に掃除機の吸い込み口を当て、中の空気を吸引しましょう。このとき掃除機のヘッドは外し、すきま掃除ができる状態で飲み口に当てると潰しやすいです。踏み潰す方法と同じように、ある程度潰れたらテーブルの角で強めに折り曲げておくと元の形に戻りにくくなります。
掃除機を使うと、炭酸飲料のペットボトルのように硬くて丈夫でもラクに潰せます。力に自信がない方は、ぜひ試してみてください。
3. 「ペットボトル潰し器」を使う
市販の「ペットボトル潰し器」を使うのもおすすめです。生活用品売り場やホームセンターのほか、100円均一でも販売されているため、ぜひチェックしてみてください。
ペットボトル潰し器は、主に「足踏み式」「ポンプ式」の2種類です。ペットボトルをセットして踏むだけの足踏み式は、足で直接踏み潰すよりも力が加わるためしっかり潰せます。ただし、そのぶん潰す音が大きくなる可能性もあるため、作業の時間帯には十分配慮しましょう。
ポンプ式の潰し器では、ペットボトルの飲み口をセットしてポンプ部分を動かし、内部の空気を抜いて潰します。潰した後はキャップをして、中に空気が入らないようにしておくと元の形にも戻りにくいです。ただし、ペットボトルはキャップと分けて捨てなければならない自治体も多いため、ごみ回収日にはきちんとキャップを外しておきましょう。
ペットボトル潰し器を使うと、力がなくても誰でも簡単に処理できます。お子さんがいるご家庭であれば、遊び感覚でできるお手伝いにもぴったりです。
ペットボトルをなるべく静かに潰すには?
先ほど、ペットボトルを足で踏み潰す際になるべく音をたてないコツをご紹介しました。ここでは、なるべく静かにペットボトルを潰す方法を2つご紹介します。
どちらの方法も音の抑制にはつながりますが、まったくの無音で潰すことはできません。先に紹介した方法と同じように、早朝や深夜の処理は避けるのが無難です。
1.ペットボトルに入れた水を出しながら潰す
ペットボトルに水を入れ、その水を出しながら潰すと音が小さくなりやすいです。水が出るときに発生する圧力を利用して潰せるため、普通に素手で潰すよりも握力が必要ありません。次の2ステップで処理が完了します。
- ペットボトルの飲み口ぎりぎりまで水を入れる
- 入れた水を一気にこぼしながら、底の方からペットボトルを絞るように潰していく
ペットボトルいっぱいに水を入れると、内部に空気が入っていない状態を作れます。その状態でペットボトルを潰すと、水がクッションの役割をしてくれるため音が発生しにくいです。また、水を一気にこぼしながらペットボトルに空気が入らないうちに素早く潰すことで、空気の異動による音も軽減できます。
多くの自治体では、ペットボトルは洗ってごみ回収に出さなければならないため、この方法は一石二鳥といえます。しかし、うまく潰すにはある程度コツが必要なこと、大量にペットボトルがある場合には水がもったいないことがデメリットです。処分するペットボトルが比較的少ないときに、浴室や屋外など水に濡れてもOKな場所でチャレンジしてみてください。
2.熱湯でペットボトルを温めて潰す
「熱湯でペットボトルを温める」という方法もあります。次の手順を行ったうえでしばらく放置しておくと徐々にペットボトルが潰れていく、少し不思議な潰し方です。
- ペットボトルの4分の1程度まで熱湯を入れる
- ふたを閉めて、よく振る
- お湯を捨てる。これを2~3回繰り返す
- 空のペットボトルのふたを閉める
もしくは、ペットボトルの8割程度まで1度だけ熱湯を入れて捨て、すぐにふたをしても同じ効果が得られます。
ペットボトルに熱湯を入れると、内部が温かい水蒸気で満たされます。その後にふたを閉めて放置すると水蒸気が冷えて液体の水に変わるため、内部の圧力が下がってペットボトルの外側にある空気に押し潰される仕組みです。
この方法ではゆっくりとペットボトルが潰れるため、ご紹介した中では最も音が抑制できます。しかし、お湯を沸かす手間がかかるうえ、大量のペットボトルを処理する場合には不向きです。また、火傷のリスクもあります。処分するペットボトルが少ないときに、十分注意したうえで試してみてください。
【参考資料】
家庭でトライ!!大気圧でペットボトルをつぶす?|化学だいすきクラブ
ペットボトルは潰す?潰さない?
ペットボトルを簡単に潰す方法をご紹介しました。
ところで、みなさんがお住まいの自治体では、ペットボトルについてどのような捨て方が推奨されていますか?
実は、ペットボトルを処分する際に潰すかどうかは自治体によって異なります。「潰して処分」を推奨している自治体もあれば「潰して出すのはNG」というところもあるため、引っ越しの際に「前に住んでいたところと違う!」と戸惑う方も少なくありません。
ここでは、自治体の「ペットボトルを潰す理由」「潰さない理由」をそれぞれ解説します。
「ペットボトルは潰して処分」を推奨する自治体の理由
ペットボトルを潰して処分できる自治体では、その理由として次の3点を挙げています。
- 容積が小さくなるため、ご家庭で保管するためのスペースをとらない
- ごみ袋や回収ボックスにもより多く入る
- ごみ収集所でも場所をとらないため、周囲の迷惑になりづらい
ペットボトルを潰して小さくしておくと、ご家庭でも保管しやすいうえ、回収ネットやボックスにより多く入れることができます。
例えば、東京都江戸川区は「潰して処分」を推奨している自治体です。江戸川区では、家庭から出たペットボトルをごみ集積所にある回収ネットに集めています。家から袋に入れて持ってきたペットボトルを回収ネットに移し替える方式です。
江戸川区のようにごみ集積所にある共同の回収ネットで集める場合は、潰さずにネットに入れるとすぐにいっぱいになってしまいます。後から来た人がペットボトルを捨てたくても回収ネットに入らなかったり、あふれたごみが歩道や道路まで転がって通行の妨げになったりし得るため、江戸川区では「潰して処分」を推奨しているようです。
しかし、硬いペットボトルはなかなか潰せない方も多いです。先にもお伝えしたように、炭酸飲料などが入った耐熱・耐圧タイプのペットボトルは、無理に潰そうとすると怪我をする恐れもあります。そのため、自分で潰せないものは無理に潰さなくてもOKとしている自治体もあります。
【参考資料】
ペットボトル|江戸川区
ペットボトルがつぶせない場合、どうしたらよいですか。|茅ヶ崎市
「潰して捨てるのはNG」の自治体では
ペットボトルの「潰して処分」を推奨しない自治体では、次のような理由でNGとしています。
- 回収したペットボトルは、処理場で選別するため
- ペットボトルは機械で圧縮してから業者に引き渡すため
- 同じ日に回収するビン類を運ぶ際、ペットボトルが緩衝材として役立つため
大多数の潰れていないペットボトルの中に、いくつか潰れたものが混ざっていると、機械で圧縮する際に妨げになります。より効率よくリサイクルに回すために、ペットボトルの「潰して処分」を推奨しない自治体もあるようです。
また、兵庫県神戸市や宮崎県宮崎市では、ペットボトルは「横に平たく潰す」としています。縦に潰すと、処理場での選別作業に支障が出るためです。平たく潰すと一目で選別できるため、ペットボトルは横向きに潰すように求めています。
【参考資料】
ペットボトルは潰して入れるのですか? | 神戸市
ペットボトルの出し方|宮崎市
まとめ
ペットボトルを簡単に潰す方法をご紹介しました。
ペットボトルをなるべくラクに潰すには、「足で踏み潰す」「掃除機で吸う」「ペットボトル潰し器を使う」の3つの方法がおすすめです。できるだけ少しずつ潰していくことで、音を抑えることができます。水や熱湯を使った方法も音が発生しにくいです。
夏の暑い時期、ペットボトルは水分補給に欠かせません。ストレスなくごみ回収に出せるように、またより多くをリサイクルに回すためにも、ご紹介した方法を試してみてください。