廃棄物を屋外で燃やす「野焼き」について、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で禁止された内容や例外となるものを解説します。
「野焼き」とは
「野焼き」とは、家庭や事業所からでたごみを庭や空き地に置いたドラム缶やブロックで囲んだ焼却炉を使用しての野外焼却することをいいます。
野焼きは煙や悪臭によるトラブル・生活環境の悪化を招いたり、低い温度で焼却となることでダイオキシン類などの有害物質が発生し人体に影響を及ぼしたり、火災や大気汚染の原因の一つとなっていました。
「野焼き」の禁止
法律による禁止
野焼きについては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、廃棄物処理法)」第16条の2の規定により、原則禁止です。
【廃棄物の処理及び清掃に関する法律(抜粋)】 (焼却禁止) 第十六条の二 何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。 一 一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従つて行う廃棄物の焼却 二 他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却 三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの |
いつから禁止?
一部例外を除き、平成13年4月1日から禁止されています。
また、平成14年12月1日からは、従来の家庭用焼却炉は構造基準を満たさないため、使用禁止となりました。
違反した場合の罰則
廃棄物処理法第16条の2の規定に違反すると「五年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科される」場合があります。
法人の場合は、「3億円以下の罰金」に処せられます。
「野焼き」の例外
廃棄物処理法施行令第14条において、公益上若しくは社会の慣習上やむを得ないもの又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微な下記の場合においては例外とされています。
【廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(抜粋)】 (焼却禁止の例外となる廃棄物の焼却) 第十四条 法第十六条の二第三号の政令で定める廃棄物の焼却は、次のとおりとする。 一 国又は地方公共団体がその施設の管理を行うために必要な廃棄物の焼却 二 震災、風水害、火災、凍霜害その他の災害の予防、応急対策又は復旧のために必要な廃棄物の焼却 三 風俗慣習上又は宗教上の行事を行うために必要な廃棄物の焼却 四 農業、林業又は漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却 五 たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であつて軽微なもの |
具体的な事例としては、
- 河川や海岸の管理者が行う、管理上必要な草木や漂着物の焼却
- 災害時における木くずの焼却、火災予防訓練
- 「どんと焼き」などの地域の行事における不要になった門松、しめ縄の焼却
- 焼き畑、麦わら、稲わら、雑草などの焼却(
- たき火、落ち葉たき、キャンプファイヤーを行う際の木くずの焼却
などが挙げられます。
この野焼きの例外であっても、むやみに焼却して良いわけではなく、ビニール類、タイヤ、プラスチック類はいかなる場合においても焼却禁止です。
また、周辺住民の生活環境に配慮して行う必要があります。苦情などが出た場合は、すぐに中止します。
まとめ
野焼きは一部例外を除き、廃棄物処理法で禁止されています。
家庭からでた廃棄物は各自治体の処分方法に従ってごみ出し、事業所からでた廃棄物は処理業者に委託する必要があります。
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