家庭ごみ処理有料化とは?メリット・デメリットを解説!

家庭ごみの減量化やリサイクル推進のため家庭ごみ処理の有料化を行う自治体が増えています。
今回は「家庭ごみ処理有料化」について解説します。

家庭ごみ処理有料化とは

家庭ごみ処理有料化とは、自治体が一般廃棄物(家庭ごみ)処理において手数料を徴収することをいいます。

廃棄物処理法の基本方針の改正で、市町村の役割として「経済的インセンティブを活用した一般廃棄物の排出抑制や再生利用の推進、排出量に応じた負担の公平化及び住民の意識改革を進めるため、一般廃棄物処理の有料化の推進を図るべきである。」と追加されたことで有料化が明確になりました。

つまり私たち市民のごみ問題意識を高めるため、ごみの排出者としての責任をより明確にするためです。
多くの自治体では、自治体が指定した有料ごみ袋をつかって家庭ごみ処理有料化を行っています。
ごみを出す量に応じてごみ処理費用を一部負担する仕組みです。

家庭ごみ処理有料化のメリット・デメリット

家庭ごみ処理有料化のメリット

  • 家庭ごみ排出量の削減
  • 資源物のリサイクルの推進
  • 3R(ごみの発生抑制、再使用、再利用)の推進に向けたごみへの意識向上
  • 焼却場・最終処分場の延命化

有料化を行うことで家庭ごみを削減でき、焼却場や処分場の負担を減らし延命化につながるといったメリットが挙げられます。

家庭ごみ処理有料化のデメリット

  • 家計の金銭的負担の増加
  • コンビニエンスストアなどへの不法投棄・不適正排出の増加
  • 指定袋販売店における事務負担の増加

一番の懸念材料は、有料化で市民の金銭的負担が増えることにより、不法投棄や不適正排出が増えてしまうことです。
多くの自治体では監視カメラの設置夜間の監視パトロールなど事前に対策をとっていたため、不法投棄や不適正排出の顕著な増加は見られなかったとのデータもあります。

自治体の取り組み事例

家庭ごみ処理有料化の自治体の取り組みを一部紹介します。

参照環境省「一般廃棄物処理有料化の手引き」

北海道登別市

導入 平成12年4月
分別区分 燃やせるごみ、燃やせないごみ:市指定有料袋
粗大ごみ:有料(個別収集)
資源ごみ:無料

有料化に伴い、全体で36%のごみが削減されました。
また、資源ごみ(びん・缶、ペットボトル)の回収は、無料とすることで、資源ごみの適正分別が容易となりました。

東京都調布市

導入 平成16年4月
分別区分 可燃ごみ、不燃ごみ:市指定有料袋
粗大ごみ:ごみ処理券貼付
有害(危険)ごみ、資源物:無料

有料化だけでなく、戸別収集を行うことで、7年後にはでごみの排出量が約20%減少しました。

福岡県福岡市

導入 平成17年10月
分別区分 燃えるごみ、燃えないごみ、空きびん・ペットボトル:市指定有料袋
粗大ごみ:粗大ごみ処理券貼付

有料化直後はコンビニエンスストアのごみ箱や資源回収ボックス利用のマナーが悪くなるといった負の効果もありましたが、平成20年度にはごみ量を約10%減少させることができました。
しかし、近年はごみ量がほぼ横ばいの傾向にあるため、有料化を含めたごみ減量施策の取り組みがより一層必要となっています。

まとめ

家庭ごみ処理有料化は、ゴミ排出量の削減やリサイクルの推進など大きな効果が得られるとのデータがありました。
市民の金銭的負担などデメリットがあるため、費用負担の公平性を確保することが自治体には求められます。

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