不法投棄の現状と不法投棄量の増加(平成30年度)

コラム

産業廃棄物の不適切処理・不法投棄の調査と目的

令和元年12月、環境省より「平成30年度の産業廃棄物の不法投棄などの状況について」が公表されました。これにより、環境省が都道府県の協力のもと、毎年度ごとに不適切処理・不法投棄事案や残存事案の調査が行われ、産業廃棄物の不法投棄などの対策に向けた政策形成のための基礎資料とすることを目的としています。
今回は、この調査をもとに平成30年度の不法投棄について詳しく紹介していきます。

不法投棄件数 155件 前年度163件 前年度比-8件
不法投棄量 15.7万トン 前年度3.6万トン 前年度比+12.1万トン
不適正処理件数 148件 前年度161件 前年度比-13件
不適正処理量 5.2万トン 前年度6.0万トン 前年度比-0.7万トン

<参考>環境省 産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成30年度)について

平成30年度の産業廃棄物の不法投棄の現状

不法投棄は、平成10年度をピークに減少傾向にあります。大規模な不法投棄が少なくなったことや、法律による適正な処理方法の確立、不法投棄の罰則化、排出業者や自治体の管理の強化が減少につながったと言えるでしょう。しかし、平成30年度は、不法投棄件数155件不法投棄量15.7万トンという結果になっており、ピーク時と比較して減少したとは言え、いまだ撲滅にはいたりません。
また、平成30年度は5,000トン以上の大規模不法投棄4件発覚したことにより、前年度と比べ不法投棄量が増加しています。大規模事案4件とは、奈良県天理市事案、平成28年度に判明していた横須賀市事案、平成29年度に判明していた千葉県芝山町事案2件を言います。

平成30年度の不法投棄実行者の変化

平成30年度は、排出事業者による不法投棄は減少したものの、量・件数ともに無許可業者による不法投棄が増加許可業者による不法投棄件数は減少したものの不法投棄量は増加するという結果になりました。許可業者による不法投棄の件数減少に対して、量が増加するという傾向から、不法投棄を行った許可業者が1度の不法投棄に対して大量の不法投棄を行ったことが推測されます。

建設系廃棄物の不法投棄量の増加

産業廃棄物の種類別統計によると、不法投棄件数・量ともに前年度から、がれき・建設混合廃棄物・木くずの順で多いという結果になっています。しかし、割合を見てみると平成30年度の不法投棄量は、がれき類49.4%建設混合廃棄物43.6%、木くず(建設系)2%、建設系廃棄物の合計が95%になるなど、前年度と比較して極端にがれきと建設混合廃棄物の量が多く、この2種類が増加したことにより建設系廃棄物も増加したことがわかります。

まとめ

今回、平成30年度の不法投棄についてまとめた結果、前年度と比較して不法投棄件数は減少しましたが、不法投棄量が増加したことがわかりました。件数に対して量が多かった理由の1つとして、1度に大量の不法投棄が行われた大規模事案4件が考えられます。この大規模事案4件とは、奈良県天理市事案、平成28年度に判明していた横須賀市事案、平成29年度に判明していた千葉県芝山町事案2件のことです。産業廃棄物の種類別の統計を前年度と比較すると、不法投棄量に大きな変化が見られ、がれきと建設混合廃棄物の量が極端に増加し、この2種類が増加したこと比例して建設系廃棄物も増加する結果になっています。不法投棄を行ったとされる排出事業者は量・件数ともに減少、無許可業者による不法投棄は量・件数ともに増加、許可業者による不法投棄件数は減少したものの不法投棄量は増加するという結果から、許可業者の大量不法投棄が疑われます。不法投棄を行った場合、最大1,000万円以下の罰金または5年以下の懲役が課されます。産業廃棄物の処分はいかなる場合も適切な処分を行う責任があることを認識し、今年こそ不法投棄をなくす努力をしていかなくてはなりません。

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