マニキュアはそのまま捨てられる?正しい捨て方・処分の目安も解説

爪のおしゃれに大活躍するマニキュア。いつも目に入るところが可愛く彩られていると嬉しいし、プチプラコスメも多いためついつい買ってしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし、使いかけのマニキュアをいざ処分しようとして、捨て方に悩んだことはありませんか?そのままごみ袋に入れればよいのか、分別しなければならないのか…よくわからずに、処分したいマニキュアが溜まっている方もいるかもしれません。

この記事では、マニキュアの正しい捨て方を解説します。ボトルをそのまま手放す方法やマニキュアの使用期限についてもご紹介しますので、ぜひご覧ください。

マニキュアをそのまま捨てるのは基本的にNG

多くの自治体では、マニキュアを次のように分別して捨てる必要があります。

  • 中身の液体→可燃ごみ
  • 瓶→不燃ごみ
  • キャップ→可燃ごみが不燃ごみ

マニキュアの瓶をそのままごみ袋に入れて捨てるのは、基本的にNGです。

一般的なマニキュアには、引火性が高い成分が含まれています。「引火性」とは、揮発して周囲の空気と混ざった成分が、その場の火種・熱などによって燃える性質のことです。

お手持ちのマニキュアの成分表示にも、「酢酸ブチル」「酢酸エチル」などの物質が記載されているかもしれません。これらの成分は引火性が高く、そのままごみ袋に入れて捨ててしまうと自然発火・引火を起こす恐れがあります。

特に、ごみ収集車の一種である「パッカー車」では、投入口から入れたごみを圧縮しながら回収しています。マニキュアがボトルごと圧縮されれば割れて液体が漏れ、周囲のごみに広がります。ほかのごみが引火・自然発火のきっかけになる可能性もないとはいえません。

回収員の方を危険から守るため、またご自分のごみで事故を起こさないためにも、マニキュアは液体・瓶・キャップに分別して捨てるようにしましょう。

【参考資料】
ネイルサロンで使用するマニキュア等について|厚生労働省
ごみ収集車 (パッカー車)の仕組みをみてみよう!|調布市

固まったマニキュアは「そのまま不燃ごみ」とする自治体も

マニキュアをそのまま捨てるのは基本的にNGですが、中身が完全に固まっている場合は「不燃ごみでOK」とする自治体もあります。市区町村のホームページやごみ分別ガイドブックなどをチェックしてみてください。

また、瓶に少ししか残っていないマニキュアもそのまま不燃ごみとして捨てられるケースが多いです。中身を無理に出し切ろうとはせず、ご自分のできる範囲で分別しましょう。

マニキュアの正しい捨て方・分別方法

「マニキュアがそのまま捨てられないのはわかったけど、自分で分別するも大変なのでは?」

このように感じた方も多いかもしれません。確かにマニキュアは引火性が高いですが、気を付けるべきところにきちんと注意すればご自宅で簡単に分別できます。

ここでは、マニキュアの中身・瓶・キャップの捨て方をそれぞれ解説します。中身の液体が固まっている場合の対処法も複数ご紹介しますので、ぜひ試してみてください。

マニキュアの中身の捨て方と注意点

マニキュアの中身は、新聞紙やキッチンペーパーなどに染みこませると可燃ごみとして処分できます。次の手順で中身を出すと簡単です。

  1. ビニール袋を用意し、クシャクシャにした新聞紙やキッチンペーパーなどの吸収材を詰める
  2. マニキュア液を流し込む
  3. おおかた流し込めたらビニール袋の口をきつく縛り、可燃ごみとして処分

マニキュア液がなかなか出てこない場合は、瓶の口を吸収材に当てたまま数時間放置しておくとよいでしょう。

マニキュア液の処理は、風通しのよい屋内で行うのがおすすめです。閉め切った室内で作業すると、マニキュアのツンとしたニオイで気分が悪くなる可能性があります。だからといって屋外で処理をすると、近所の方の迷惑になりかねません。

窓を開けたり、換気扇やサーキュレーターを使ったりして、室内の通気性を確保したうえで作業しましょう。なかなか中身が出てこない場合も、ご自宅の中で風通しのよい場所に置くと安心です。

【参考資料】
家内労働者が知っておきたい - 有機溶剤|TOKYOはたらくネット

マニキュア液を排水に流すのはNG

マニキュアの中身を洗面台やトイレから排水として流すのはNGです。

マニキュア液は、環境にとって有害な化学物質を含んでいる場合があります。排水口に流したマニキュア液が浄化されずに河川に流れ着くと、水質汚染によって水辺の生き物が暮らせなくなってしまいます。下水道や浄水施設など、町のインフラにも悪影響を及ぼすでしょう。

さらに、マニキュア液は水道水よりも粘度が高い液体です。水にも溶けないため、水道管が詰まってしまう恐れもあります。周辺環境やお家の設備を守るためにも、マニキュアは古紙・古布などに吸収させて可燃ごみとして処分してください。

ガスコンロ・ストーブなど火気の近くでは処理しない

先にお伝えしたように、マニキュアには引火性の高い物質が含まれています。中身を出す際も、ガスコンロやストーブ、タバコの火などの火気の近くでは作業しないようにしましょう。

また、中身を出した後はなるべく早く処分してください。すぐにごみ回収に出せなくても放置はせず、ビニール袋の口を縛って火気のないところで保管しておきましょう。

【参考資料】
身近な危険物に注意してください|美馬市

固まったマニキュアの中身を出す方法

使い始めてしばらく経ったマニキュアは固くなっているため、瓶を傾けてもなかなか出てきません。また、瓶の口にこびりついたマニキュア液のせいでキャップが開かないこともありますよね。

固まってしまったマニキュアは、次の3つの方法でなめらかな状態に戻すことができます。

  • マニキュアの「薄め液」を使う
  • 目薬や化粧水で薄める
  • お湯で温めて溶かす

それぞれの方法を詳しく解説します。

マニキュアの「薄め液」を使う

中身が固まったマニキュアには「薄め液(ポリッシュシンナー)」が効果的です。粘度が高くなったマニキュアを薄めてなめらかにするための製品で、ドラッグストアや100円ショップで購入できます。

固くなったマニキュアに薄め液を数滴たらし、中身を混ぜるだけでサラサラな状態に戻ります。中身を混ぜる際は、キャップを閉めてくるくると瓶を回すように振るとよいでしょう。

マニキュアを薄めるために除光液を注ぐ方もいますが、あまりおすすめできません。除光液は揮発性が高いため、ボトルの中で気圧が高まって破裂する恐れがあります。除光液を使うのは、ボトルの口にこびりついたマニキュアを落とす程度に留めましょう。

目薬や化粧水で薄める

「マニキュアを捨てるためだけに薄め液を買うのはもったいないな」と感じる方もいるかもしれません。その場合は、薄め液の代用品として目薬や化粧水を使ってみてください。

目薬や化粧水でも、固くなったマニキュアに数滴たらして振るだけで薄め液と同じ効果が得られます。できるだけ無香料で、アルコールやアセトンなどの揮発性成分を含まない目薬・化粧水を使いましょう。

お湯で温めて溶かす

固まったマニキュアは、瓶全体をお湯で温めて溶かすこともできます。次の手順を試してみてください。

  1. 耐熱ボウルやマグカップに沸騰しない程度のお湯を用意(瓶全体が浸かる量でOK)
  2. キャップをしっかり閉めたマニキュアをお湯に入れる
  3. 数分間温めたら取り出し、よく振り混ぜる

鍋にお湯を沸かしながらその場でマニキュアを温めるのはNGです。マニキュアを火気に近づけないように、耐熱ボウルなどにお湯を貼ったうえで処理しましょう。

温めてもなかなかなめらかに戻らない場合は数回繰り返したり、お湯の温度を少し上げたりしてみてください。

マニキュアの瓶・キャップの捨て方

マニキュアの瓶は、基本的に「不燃ごみ」です。

食料品や化粧水などの瓶は「資源ごみ」として処分できる自治体も、有機溶剤や顔料などが付着しているマニキュアの瓶は再利用できないケースが多いです。マニキュアを落とそうとして瓶を水ですすいでも落ちないうえ、排水として流れてしまいます。中身を出した後は、そのまま不燃ごみとして処分しましょう。

また、マニキュアのキャップは「可燃ごみ」か「不燃ごみ」として扱う自治体がほとんどです。キャップを不燃ごみとして扱う自治体では、付属のはけを取り外して分別するよう定めている場合もあります。取り外したはけは、可燃ごみとして処分するとよいでしょう。

マニキュアをそのまま手放す方法は?

「処分したいマニキュアがたくさんあって、分別するのに手間がかかる…」

このようにお悩みの方もいるかもしれません。また、「まだ使えるマニキュアだけど処分したい」という場合は、ごみにしてしまうのはもったいないですよね。

ここでは、マニキュアをそのまま手放す方法を3つご紹介します。

不用品回収業者に引き取り依頼

マニキュアは、不用品回収業者に依頼すればそのまま引き取ってもらえます。

ご自分で分別作業をせずに済むので、手間がかかりません。また、引き取りの日時は依頼者側で決められることが多いため、時間の融通もききます。

ただし、マニキュアなどの化粧品類は小さいため、単体で依頼すると割高です。ほかの不用品とまとめて処分を依頼するとよいでしょう。

フリマアプリ・ネットオークションで売却

使いかけのマニキュアでも、中身が十分にあって見た目に傷・汚れがなければフリマアプリやネットオークションで売却できる可能性もあります。

プチプラのマニキュアでも買い手がつきやすいうえ、人気のカラー・ブランドであれば早く売れるケースも少なくありません。出品の際はマニキュアの写真を撮り、カラーやブランド、残量や使用状況などを詳しく記載しましょう。

フリマアプリなどに出品するのは、開封してから数ヶ月以内、もしくは未開封のマニキュアがおすすめです。ただし、売れるまでに時間がかかるとマニキュアもそのぶん劣化します。一定期間出品しても買い手が見つからない場合は、別の方法で処分しましょう。

商品が売れたら、割れないように緩衝材などで包んで宅配便で発送します。注意したいのは、マニキュアは基本的に「郵便では送れない」ことです。マニキュアには引火性が高い成分が含まれているため、郵便法で発送が制限されています。

運輸会社の宅配サービスであれば、正しく梱包することで発送が可能です。各宅配サービスのホームページをチェックして、輸送できるように梱包しましょう。

【参考資料】
航空における危険物輸送に関するルールについて|国土交通省
航空危険物等品名検索の詳細|郵便局

買取専門店に査定依頼

ハイブランドのマニキュアは、コスメ買取専門店に依頼すると思わぬ高値で売れる可能性もあります。ブランドもののマニキュアは処分の前に査定を依頼してみるのもよいでしょう。

コスメ買取専門店は、店舗ごとに買取条件が異なります。買取方法も店頭買取・出張買取・宅配買取などさまざまです。お手持ちのマニキュアやご自分の都合に合った買取専門店を探してみてください。

特に、同じブランドの製品をまとめて査定に出すと高値がつきやすいです。ただし、コスメ買取専門店ではプチプラコスメの需要がほとんどありません。プチプラのマニキュアについては、先ほどご紹介したフリマアプリやネットオークションに出品しましょう。

マニキュアの使用期限は?

マニキュアの一般的な使用期限は、未開封なら約3年、開封後は1~2年とされています。

しかし、マニキュアは空気や光・温度の変化によって成分が劣化しやすい製品です。マニキュアの状態を見て、次のような異変が見られたら処分を検討しましょう。

  • キャップを開けてもはけを動かせないほど固くなっている
  • マニキュア液が2層に分離していて、振っても混ざらない
  • マニキュアの刺激臭が強くなっている

使用期限を過ぎたマニキュアはくすんで見えるうえ、色持ちが悪くなります。使っているうちに雑菌も混入するため、爪や肌にもよくありません。使用期限だけでなく、マニキュアの状態もきちんとチェックしましょう。

まとめ

マニキュアの正しい捨て方を解説しました。

マニキュアは、基本的にそのままでは捨てられません。中身・瓶・キャップをきちんと分別して処分する必要があります。中身は新聞紙やキッチンペーパーに吸収させて、可燃ごみとして回収に出しましょう。

また、不用品回収業者に依頼するとボトルをそのまま捨てることができます。中身が十分にあるマニキュアは、フリマアプリやネットオークション、コスメ買取専門店で売却できるかもしれません。お手持ちのマニキュアやご自分の都合に合った方法で処分しましょう。

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