画像:環境省 環境再生・資源循環局より
日本環境省は2020年6月9日、海外諸国が廃プラスチックごみなどの産業廃棄物の輸入規制を進めた問題に対して、国内での廃棄ごみに対する影響の有無を調査したレポートを公開しました。
これによれば、各都道府県の「ゴミの保管状況」は、全体の約75.2%で「変化なし」。増加および減少傾向と回答した自治体は、全体の4.8%と4.0%に留まりました。こうした結果を受け、「増加傾向が緩やかになってきた」との認識を出しています。
ただし、増加傾向の緩慢化を指摘する一方で「一部で地域で保管上限超過等の基準違反が確認された」との見解を示したほか、外国の輸入規制の影響とも思われる不法投棄が確認された点を踏まえ、今後も廃棄物の不適正処理が発生する可能性があるとの結論を示しました。
海外によるゴミ輸入規制問題
環境省が今回のような調査レポートを発表する原因は、海外によるゴミ輸入規制問題が関係しています。日本をはじめとする各先進国はこれまで、自国で発生した産業廃棄物を主にアジア地域の国々に対して「再生資源」などの名目で輸出し、ゴミを処分してきました。
ところが2017年に入り、中国がゴミの輸入規制を決めたことを端緒にして、東南アジアの国々を中心に、ゴミ輸入の規制に踏み出す国家が続出します。また、バーゼル条約の改正により輸出国側にも規制が敷かれ、国内処分が求められるようになったため、環境省は都道府県および処分業者187社にアンケートを取り、レポートとしてその影響を調査発表したというものです。