
季節の移り変わりを感じると「そろそろ衣替えをしなければ」と思う方も多いはずです。けれども、同時に「急に暑くなったり、寒くなったりすると困るな…」と感じませんか?
近年の日本は、気温が安定しない時期が長引く傾向にあります。「4月末なのに雪が降った」「11月なのに25℃以上の夏日になった」というニュースを目にする機会も増えましたよね。急激な寒暖差が増え、今まで以上に衣替えのタイミングが分からずに悩んでしまう方も多いでしょう。
この記事では、2025年はいつ衣替えをすればよいのか、地域と季節ごとに解説します。衣替えのタイミングの目安となる気温や、急激な寒暖差に対応できる衣替えのコツもご紹介するので、ぜひご覧ください。
目次
2025年の気温・気候の予想
衣替えのタイミングの参考になるのは、やはり気温です。
気象庁や日本気象協会は、2025年の夏は「過去2年には及ばないものの、猛暑となる」と予測しています。また、梅雨の時期が遅くて短かった2024年と比べると、梅雨入り・梅雨明けは早くなるといわれています。
日本気象協会が4月24日に発表した「2025梅雨入り予想」によると、今年の各地の梅雨入りは次の時期になるようです。
- 沖縄・奄美地方…5月中旬
- 九州~関東…6月上旬
- 北陸・東北…6月中旬
さらに、梅雨が明けた後も天気が安定するとは限りません。戻り梅雨や夏の長雨で、気温が低い日が続く可能性もあります。本格的な夏が来ても、薄手の羽織物を1枚は出しておくとよいでしょう。
秋の残暑も厳しいものと予想されているものの、寒暖差が大きくなる可能性も高いため、2025年はしっかり秋を感じられる時期もありそうです。
【参考リンク】
日本気象協会 2025梅雨入り予想|tenki.jp
ウェザーマーケティングレポート Vol.1 2024年は高温の年、2025年はメリハリの年に|日本気象協会
2025年の衣替えはいつ?地域ごとに解説
ここからは、先ほどご紹介した日本気象協会の発表と気象庁のデータをもとに、2025年の衣替えの時期を解説します。
一般的に、衣替えの目安となるのは「最高気温」です。2024年の気象データのうち毎日の最高気温を参照し、2025年の春夏秋冬の衣替えの時期を割り出しました。西日本・東日本・北日本の3区分で表にまとめたので、ぜひ衣替えの参考にしてみてください。
【参考リンク】
過去の気象データ検索|気象庁
春…最高気温「16℃以上」が数日続く時期
| 西日本 | 東日本 | 北日本 |
|---|---|---|
| 3月下旬 | 4月下旬 | 4月上旬 |
冬から春の衣替えは、最高気温16℃以上の日が続き始めた時期がおすすめです。
1日の最高気温が16℃を超え始めると、冬物のコートやダウンジャケットは暑く感じられます。日中は薄手のニットや長袖のカットソー1枚で過ごせるようになるはずです。この時期に厚手のコートやジャケット、ニットを片付けてしまうとよいでしょう。
また、3~4月は冬物衣料に対して「クリーニング料金の割引キャンペーン」を実施するクリーニング店も多いです。厚手のコートやジャケット、スーツなどは、この時期にクリーニングに出すとよりお得にメンテナンスできる可能性があります。お近くのクリーニング店のサービスをチェックしてみてください。
最高気温が16℃以上を超えると日中は温かく過ごせるものの、まだ朝晩は冷え込みます。カーディガンやパーカー、薄手のジャケットやスプリングコートなど、軽めのアウターを揃えておくと安心です。気温が上がり、最高気温が20℃近くの日が続き始めるとアウターなしでも過ごせるようになります。
夏…最高気温「22℃以上」が数日続く時期
| 西日本 | 東日本 | 北日本 |
|---|---|---|
| 5月中旬 | 5月上旬 | 6月上旬 |
最高気温が22℃を超える日が続きはじめたら、春から夏の衣替えです。遅くとも、梅雨入り前には衣替えを終えておきましょう。
特に東日本では、5月の上旬には22℃を超える日が続く年も多いです。従来よりも早く暑くなる可能性を踏まえて、早い時期から夏物を揃えておくとよいでしょう。半袖のTシャツに薄手のカーディガンやパーカーなどを重ねると、体温調節ができるうえ日焼け対策にもなります。
最高気温が25℃以上になれば、本格的な夏の到来です。半袖のTシャツやブラウス、ノースリーブなどの夏物に移行しましょう。
秋…最高気温が「23℃」を下回り始めた時期
| 西日本 | 東日本 | 北日本 |
|---|---|---|
| 10月下旬 | 10月下旬 | 10月上旬 |
最高気温が23℃を下回り始めたら、夏から秋の衣替えをします。
朝晩の気温が20℃以下になる日が増えて、肌寒く感じ始める頃です。軽めのアウターや長袖のブラウスなどを用意して、夏服をしまいましょう。
最高気温が15~20℃になると、長袖1枚では寒く感じます。風邪やインフルエンザも気になるこの時期は、長袖のカットソーやブラウスにジャケットやカーディガンを重ねるなど、体温調節しやすい服装を心がけましょう。
冬…最高気温が「15℃」を下回り始めた時期
| 西日本 | 東日本 | 北日本 |
|---|---|---|
| 11月下旬 | 11月下旬 | 11月中旬 |
秋から冬の衣替えは、最高気温が15℃を下回り始めた時期がおすすめです。
11月半ば以降、15℃以下の日が続き始めるとウールのコートや厚手のニットが必要になります。気温が安定しないうちは寒暖差が大きくなるため、体温調節しやすい薄めのインナーやストールを準備していくのもよいでしょう。
急に寒さが厳しい日が来てもすぐに着られるように、保温効果の高いインナーやダウンコートを準備しておくとより安心です。
寒暖差に対応できる衣替えのコツ
衣替えの時期は、いわゆる「季節の変わり目」です。気候や気温が不安定なため、昔から体調を崩しやすい時期とされてきました。
加えて、近年は異常気象によって従来よりもさらに気温差が大きい傾向があります。寒暖差が特に激しい都心部では、毎日の通学・通勤時の服装に困る方も多いでしょう。
ここでは、季節の変わり目の寒暖差にも対応できる衣替えのコツをご紹介します。
衣替えを「期間」でとらえる
衣替えは、「日」ではなく「期間」でとらえ、2~3週間かけて衣類を入れ替えるのがおすすめです。
「この日に衣替え!」と決めて衣類を一度に入れ替えると、暑さ・寒さが戻ってきたときに困ってしまいます。季節の変わり目の2~3週間を使って少しずつ衣替えをしていくと、急な気温の変化にも対応しやすいです。すべての衣類を1日で片付ける必要がなくなるため、衣替えそのものもラクになります。
例えば、夏から秋の衣替えでは、次の順番で徐々に進めていくとよいでしょう。
- 最高気温が23℃を下回り始めた
→長袖のカットソーや薄手のアウターを出し、ノースリーブやハーフパンツなどを片付ける - 最高気温が20℃以下になりはじめた
→ジャケットやカーディガン、薄手のニットを用意し、夏物のブラウス・Tシャツなどを収納
また、衣替えの際に前シーズンの衣類を1~2点残しておくのもおすすめです。
例えば、夏から秋の衣替えをする際は、夏物をアイテムごとに1~2点ずつすぐ手に取れる場所に残し、そのほかは収納します。おおよそ気温が安定してきたら、残した衣類を片付けるようにしましょう。
どの衣類を残しておくか事前に決めておくと、実際の衣替えもスムーズです。
季節の変わり目は「重ね着」で
気温が不安定な季節の変わり目は、重ね着しやすい衣類を上手に活用しましょう。
例えば、パーカーやカーディガン、ウインドブレーカーは、着脱しやすいため気温の変化にもすぐに対応できます。UVカット機能や、折りたたむと付属のポケットに収納できるポケッタブル仕様、撥水加工が施されたものなど、天候が変わりやすい時期に嬉しい機能を備えたアイテムも多いです。ぜひお気に入りのものを探してみてください。
また、この時期のインナーは薄手のものがおすすめです。
厚手のインナーは、日中に暑く感じてもなかなか脱げません。「脱いだらやっぱり肌寒い…」となりやすいうえ、外出先で脱いだ場合もかさばります。さらに、着たまま過ごして汗をかくと、気温が下がってきたときに身体が冷えすぎてしまい、体調を崩す原因にもなります。
薄手のインナーであれば、着脱でちょうどいい体温調節が可能です。くるくると小さくまとめられるため、外出先でもお手持ちのバッグに収納できます。着脱しやすい衣服を重ね着して、この時期ならではのファッションを楽しみましょう。
収納前には衣類を「しまい洗い」しよう
衣替えの際、必ずやっておきたいのが「しまい洗い」です。前シーズンの衣類は、クローゼットや衣装ケースにしまう前にもう1度洗濯して、清潔な状態で収納しましょう。
一見きれいに見えても、数カ月使った衣類には目に見えない汚れやホコリが蓄積しています。汚れが残った状態のまま収納すると、シミや黄ばみ、虫食いやカビが発生しかねません。汚れを落として収納することで、大切な衣類を長持ちさせることができます。
しまい洗いのポイントは3つです。
- 衣類の洗濯前に「洗濯槽」を洗浄
- ニオイが気になる服は、酸素系漂白剤で漬け置き洗い
- 洗剤や漂白剤の溶け残りに注意
ご自宅での洗濯が難しいコートやスーツは、次に着用するシーズンが来る前にクリーニングに出す方も多いかもしれません。
しかし、そうすると汚れが残ったまま収納することになってしまいます。衣類のダメージを軽減するためには「衣替え前のクリーニング」がおすすめです。
また、クリーニング後の衣服にかかっているビニールカバーは、必ず外して収納してください。「ホコリが溜まらなくてよさそう」と思うかもしれませんが、カバーがついたままだと内部の空気が循環しにくくなり、湿気が溜まりやすくなってしまいます。
カバーをつけて保管したい場合は、市販の専用カバーを使うとよいでしょう。
収納する衣類の傷み・虫食いを防ぐには?
お気に入りの衣類が着ていないうちに傷んでしまうと、悲しいですよね。
衣類の傷みや虫食いは、次のような対策で発生を予防できます。
- クローゼット・衣装ケースを掃除する
- 衣替えは晴れた日に
- 湿気対策を万全に
- 防虫剤の設置場所に気を付ける
大切な衣類を守る衣替えのポイントを解説します。
クローゼット・衣装ケースを掃除する
衣替えで次のシーズンの衣類を取り出したら、衣類の収納前にクローゼットや衣装ケースを掃除しましょう。
あらかじめ収納場所を清潔にしておくことで、シミやカビ、虫食いの発生を予防できます。クローゼットに掃除機をかけたり、衣装ケースを雑巾で乾拭きしたりして汚れを落としましょう。仕上げに、アルコールで除菌するのもおすすめです。
衣替えは晴れた日に
衣替えのタイミングには、なるべく晴れた日を選びましょう。
曇っていて湿度が高い日や雨の日の衣替えは、衣類の入ったクローゼットや衣装ケースに湿気を閉じ込めてしまいます。こもった湿気は、カビや嫌なニオイの原因になりやすいです。
からりと晴れた日に衣替えをすることで、湿気が少ない状態で衣類を収納できます。特に春から夏の衣替えは、晴れる日が少なくなる梅雨に入る前に終わらせておきましょう。
晴れた日に衣替えをするためにも、先にご紹介した「2~3週間かけて衣替えをする」という考え方はおすすめです。2~3週間あれば、雨が続いている時期でも晴れるタイミングを見つけられます。1度の作業量も少なくなるので、負担も軽減できるでしょう。
どうしてもタイミングを逃してしまって、湿度が高い日にしか衣替えができない場合は、除湿器やエアコンのドライモードを活用してください。
湿気対策を万全に
衣類のカビ・ニオイの予防には、収納場所の湿気対策が重要です。
水分を含んだ空気は重いため、下の方から溜まっていきます。次のように、市販の収納グッズを活用して湿気の少ない状態をキープしましょう。
- 通気性のよい収納袋や衣装ケースを選ぶ
- 湿気取りシートをクローゼットや衣装ケースに敷く
- 置き型除湿剤はクローゼットの四隅に設置
クローゼットや衣装ケースに衣類を収納する際は、適度な間隔をとって空気の通り道を確保すると通気性がアップします。「収納したらそれっきり」にするのではなく、晴れた日には換気も忘れずに行いましょう。
防虫剤の設置場所に気を付ける
衣類の防虫剤は、正しい設置場所に置くことでより効果がアップします。
クローゼットに吊るすタイプの防虫剤は、等間隔に設置すると収納全体に防虫成分を行き渡らせることができます。
衣装ケースの場合、収納する衣類はケースの8割程度に留め、防虫剤を「1番上の衣類の上」に置きましょう。
防虫成分は、上から下に降りていく性質があります。さらに、衣装ケースにある程度すきまを作っておくと、成分が全体に行き渡りやすいです。
また、衣類の収納に段ボールを使用している方は要注意です。紙製で湿気を吸収しやすい段ボールは、虫が繁殖しやすい環境でもあります。衣類の収納には、プラスチックや不織布でできた衣装ケースを使うようにしましょう。
まとめ
2025年の衣替えはいつすればよいのか、そのタイミングや寒暖差に対応するコツをご紹介しました。
急激な寒暖差が起こりやすい季節の変わり目には、体調不良に悩まされる方も多いでしょう。このような時期を少しでも快適に過ごすには、衣服での体温調節と同じように、気温差に対応しやすいように衣替えを進めることも大切です。
季節の変わり目を元気に乗り越えるためにも、ご紹介した方法や衣替えのタイミングを参考にしてみてください。












