回収エリアが全国へ拡大!「加熱式たばこ」の回収・リサイクルとは?

2021年4月1日から、使用済み加熱式たばこのリサイクル回収の対象エリアが、全国47都道府県のたばこ販売店等に拡大することが決まりました。
加熱式たばこに使用されているリチウムイオン電池を要因とした発火事故、使用済み加熱式たばこのリサイクル事業についてまとめています。

加熱式たばことは?

「加熱式たばこ」とは、たばこ葉を燃焼せずに、加熱によって蒸気を発生させて使用するたばこのことです。

加熱式たばこと電子たばこの違い

「加熱式たばこ」と「電子たばこ」の大きな違いは、加熱式たばこはたばこ葉を使用し、電子たばこはたばこ葉を使用していない点です。
具体的には、電子たばことは装置内または専用カートリッジ内の「リキッド」と呼ばれる液体を電気加熱することで蒸気を発生させて使用します。

参照一般社団人日本たばこ協会 加熱式たばこの関連情報

加熱式たばこによる発火事故

加熱式たばこを使用する上で、知っておきたいのが、使用後の処分方法です。
加熱式たばこに使用されているリチウムイオン電池を要因とした発火事故がリサイクル工場などで報告されています。

認定事業者への負担

2013年からスタートした「小型家電リサイクル制度」
この制度が抱える問題の1つとして、回収した製品に含まれるリチウムイオン電池を要因とした発火事故が発生しているという問題があります。
リチウムイオン電池は、圧力がかかることで発火する可能性があることから、小型家電リサイクル制度の認定事業者は、破砕処理前に「危険物除去作業」や「不適物の除去作業」を行い、製品からリチウムイオン電池を取り外すという作業を強いられています。
現在、これらの作業負担が増加している点も問題視されています。
加熱式たばこも、リチウムイオン電池が使用されていることから、このような問題を無視できない立場にあります。

誤った分別方法による発火

リチウムイオン電池を要因とした発火事故の中には、消費者が各自治体のゴミの回収日に、誤った分別をしていることで発生する事故もあります。
自治体の定める分別方法と異なって不燃ごみ粗大ごみ※の中にリチウムイオン電池が捨てられていたり、プラスチック製容器包装の中に混入したリチウムイオン電池が要因と考えられる発火事故も報告されています。
※公共施設などに設置された各小型家電回収ボックスで回収可能な家電の種類、自治体による分別・回収方法は、それぞれ自治体等のルールに従いましょう。
参照公益財団法人日本容器包装リサイクル協会
参照環境省 小型家電リサイクル制度の課題及び対応方針案について

企業による加熱式たばこのリサイクル回収

現在、一般社団法人日本たばこ協会ブリティッシュ・アメリカン・タバコ合同会社日本たばこ産業株式会社によって、加熱式たばこ機器である「glo」や「Ploom」各種の使用済み本体と一部の消耗品を対象としたリサイクル事業が行われています。
消費者が回収店舗に使用済みの回収対象物を持ち込むことで、これらを日本たばこ協会が回収し、部品の再生利用焼却による熱回収を行ってくれます。

回収対象となる製品

回収対象品は、 “「glo」及び「Ploom」各種の使用済み機器本体と一部の消耗品” で、以下のような製品が対象例として公表されています。

回収場所

現在(2021年3月24日時点)、回収は対象エリア※である22都道府県の一部たばこ販売店等で実施されていますが、2021年4月1日から対象エリアが全国47都道府県に拡大し、約1,200店舗の全国のたばこ販売店等で回収が可能となります。
回収店舗には、下図のような「リサイクルマークステッカー」が掲示されています。

※東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・北海道・宮城県・栃木県・群馬県・新潟県・石川県・長野県・愛知県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・鳥取県・岡山県・広島県・福岡県・佐賀県の一部を対象エリアとしています。

回収対象外となる製品

「IQOS (アイコス)」等の回収対象外のメーカー製品やその付属品、電子たばこは全て回収対象外となります。

参照使用済み加熱式たばこ機器等のリサイクル事業の回収エリア拡大について
参照JT使用済み加熱式たばこ機器等のリサイクル事業について4月1日より全国47都道府県にて回収開始

まとめ

リチウムイオン電池による発火の原因は、加熱式たばこだけではありません。
繰り返し充電することができるリチウムイオン電池は、その利便性などから、パソコンやスマートフォン、ゲーム機やカメラ等、様々な製品に使われています。
製品の外見がプラスチックでできていることから、誤ってプラスチック製容器包装として処分してしまわないよう注意しましょう。
また、小型充電式電池(リチウムイオン電池、ニカド電池、ニッケル水素電池)が使用されている製品は、海外製品や古い製品等の一部例外を除き、リサイクルマークがついていることも参考に、リサイクルに協力してみましょう。

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