
不要になった使い捨てライターの処分方法やPSCマークについてまとめています。
目次
不要なライターの捨て方とは?
使い捨てライターは、基本的に使い切って捨てなくてはなりません。
中身が入った状態のライターを処分したい場合は、周囲に火の気のないことを確認し、風通しのよい屋外でガス抜きを行ってから捨てる必要があります。
以下は、日本喫煙具協会が公表しているディスポーザブルライター(使い捨てライター)のガスの抜き方です。
1.周囲に火の気がないことを確認する。
2.操作レバーを押し下げる。着火した場合はすぐに吹き消す。
3.輪ゴムや粘着力の強いテープで、操作レバーを押し下げたまま固定する。
4.「シュー」という音が聞こえれば、ガスが抜けている。
(聞こえない場合は炎調整レバーをプラス方向にいっぱいに動かす)
5.この状態のまま、風通しがよく付近に火の気がない屋外に半日から1日放置する。
6.確認のために着火操作をする。火が着かなければ、ガス抜き完了。
自治体によるライターの処分方法
上記のような適切な方法で、ライターのガス抜きを行った後は、自治体の分別ルールに従って処分します。
「不燃ゴミ」で出す場合や「特定ゴミ」として出す場合など、自治体によってルールが異なるため、ホームページなどで確認してから処分しましょう。
ライターによる収集車の火災事故
ガス抜きを行っていないライターが原因と思われる火災事故が発生しています。
火災事故の例
2018年1月、埼玉県の志木地区衛生組合が、不燃ごみの収集車で火災が発生したことを公表しています。
火災の原因は、不燃ごみにライターが入れられていたことで、収集車の中でライターが圧縮され、ガスが漏れて引火したと考えられています。
出典志木地区衛生組合
他にも、リチウムイオン電池やスプレー缶が原因と思われる火災が発生しています。
ライターに関する事故件数
消費者庁の事故情報データバンクによると、ライターに関する事故情報は2009年9月から2016年度末までに722件寄せられ、年度別の事故件数は減少傾向にあるものの、事故は毎年度、起きていることがわかります。
「ライターに関する事故」を種類別に見たとき、事故が多いとされる上位5つの種類は、以下の通りです。
1.「使用後の残り火による事故」209 件(※28.9%)
2.使用中の大きな火116件(16.0%)
3.「自動車内での事故」55 件件(7.6%)
4.「保管、放置中の破裂」52 件(7.2%)
5.「発火」43 件(5.9%)
※( )内は、「ライターに関する事故」全体に対する割合です。
事故を防ぐPSC マークとは?
消費生活用製品安全法に基づき、2011年9月27日からは、国に事業届出を行った業者が製造・輸入する製品であり、 国の定めた技術基準を満たした上で、「PSCマーク」が表示されたライターのみが販売されています。
下図がPSCマークです。
PSC マークが表示されたライターには、下図のような事故を防止するために使用上の注意の表示も義務付けられています。
種類別件数をみるとわかるように、「子どもの火遊びによる事故」が6件報告されています。
このような子どもによるライターの事故を防ぐため、PSCマークの表示に関する技術基準のなかには、子どもが簡単に操作できない対策「チャイルドレジスタンス機能(CR機能)」が規定されています。
PSCマークのないライター
PSCマークの表示が義務化される前に販売されたライターのなかには、CR機能が付いていないライターや破裂・ガス漏れの原因となる容器の経年劣化が生じている可能性のあるライターもあります。
大掃除や遺品整理などで、古いライターが出てきた場合には、PSCマークの有無を確認してみましょう。
PSCマークの表示がない古いライターが出てきた場合には、すみやかに適切な方法で処分しましょう。
参照経済産業省関東経済産業局 消費生活用製品安全法
参照消費者庁 ライターは安全に正しく使いましょう!
まとめ
中身の入った状態のライターを、ガス抜きせずゴミ袋に入れるといった不適切な処分をすることは火災事故の原因につながります。
万が一、火災事故を起こしてしまった場合の人的被害や物的被害を考えれば、処分する際のガス抜きや自治体の分別ルールに従うことの重要性が理解できるはずです。
不要なライターを捨てるときには、必ず適切な方法で処分しましょう。
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