循環型ショッピング「Loop」とは?日本企業の取り組み

2021年より日本で運用が始まっている循環型ショッピング「Loop」について解説します。

循環型ショッピング「Loop」とは?

「Loop」は、従来使い捨てにされていた食品や一般消費財などの容器を繰り返し利用可能な耐久性の高い素材に変え、使用後は容器を回収し、洗浄・補充したうえでリユースするという新しいショッピングシステムです。
2019年よりニューヨークやパリなど欧米でスタートし、2021年日本でも運用が始まりました。

容器の素材を変えリユースできるようにするということは、短期的に見れば従来と比べ高コストな容器になりますが、リユースが可能という長期的に見ればコストを抑えられることが期待できます。
また、使い捨てプラスチックごみの削減にも効果的です。

日本企業の取り組み

2019年12月時点でイオンリテール株式会社、味の素株式会社、株式会社資生堂、キリンビール株式会社、サントリー食品インターナショナル株式会社、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社、株式会社ロッテ、株式会社 I-ne、江崎グリコ株式会社、キャノン株式会社、ユニ・チャーム株式会社、キッコーマン株式会社、大塚製薬株式会社、エステー株式会社が「Loop」への参画を表明しています。

参照LOOP Global Holdings LLC 及び TerraCycle Japan 合同会社「リユース容器を利用した商品提供プラットフォーム(Loop)」

すでに「Loop」商品が販売されている企業、小売業を紹介します。

株式会社ロッテ

出典:XYLITOL

プラスチックごみによる社会問題解決に向けて「キシリトール」ブランドでプラスチックの使用量削減に貢献する取り組みを開始しました。
主要ボトルガム容器のプラスチック量を削減するだけでなく、「Loop」参加商品として「「Loopキシリトールガム<ライムミント>216G」の新容器ボトルを開発しました。

ステンレス製の容器を採用し、繰り返しの洗浄によるデザインの劣化を防ぐボトルです。

エステー株式会社

エステー株式会社では消臭芳香剤の「Loop」対応製品として、耐久性のある透明ガラス容器を採用しました。
通常品の容器は、プラスチック本体容器に「詰め替え用」を利用することで容器のプラスチックごみを削減できる仕様でしたが、「Loop」用容器を使用することで、詰め替えのプラスチックごみを削減できる仕組みになります。

イオンリテール株式会社

国内の小売業者としてはイオンが初めて販売を開始しました。
販売開始から約1年間、「Loop」商品の取り扱いができる国内小売業は日本国内でイオンのみとなります。

5月25日より、東京都内の店舗(17店舗)と神奈川・千葉の各1店舗の「イオン」「イオンスタイル」等、ネットスーパー(15店舗)で「Loop」に参画しているメーカー6社、計13品目を取り扱いしています。

ロッテ「Loop キシリトールガム ライムミント」やエステー「消臭力 クリアビーズ イオン消臭プラス」、P&G「アリエールバイオサイエンス ジェルボール(本体)」、アース製薬「モンダミン ペパーミント」などが対象の商品です。

参照イオン株式会社「5月25日より東京を中心にイオン19店舗 循環型プラットフォーム「Loop」の商品販売」

店頭設置の返却ボックスに容器を返却し、購入時に支払った容器代はLoop公式アプリ経由で返金されるシステムです。
2021年8月末までに関東の約50店舗への拡大を目指しています。

まとめ

SDGsの取り組みが加速しつつある中で「Loop」の取り組みはプラスチックごみ削減にもつながります。
最近では、低コストが重視されることが多くありましたが、素材やデザイン性の強化など容器への投資を行うことでリユースも可能となり、結果コストの削減につながる仕組みができるよう消費者の意識も変えていく必要がありそうです。
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