建設副産物のリサイクル可能な種類・方法・注意点まで解説!

建設副産物とは、建設工事にともない副次的に得られる物品の総称です。建設副産物の多くは再資源化され、新たな建設資材として利用されていることをご存知でしょうか。建設工事で発生する廃棄物にはさまざまなものが存在しますが、建設リサイクル法に従い適切に処理する必要があります。

この記事では、建設廃棄物処理の現状から建設副産物に関わるリサイクルの方法や注意点などについて解説します。

建設廃棄物処理の現状と課題

建設廃棄物は産業廃棄物の中でも排出量と最終処分量の割合が大きくなっています。排出量・最終処分量ともに全体の約2割を建設廃棄物が占めています。さらに、産業廃棄物の不法投棄量の約7割を占め、平成22年度の調査では6.2万トンもの建設廃棄物の不法投棄が確認されました。

処分場の残余容量の不足、不法投棄の横行が課題とされ、地球環境への影響も懸念されています。そのため、リサイクルの重要性が増しており、建設リサイクル法に則り多くの事業者が取り組みを続けています。その結果、排出量は年々増え続けているものの、最終処分量は減少傾向となりました。

現状の活動を続けつつ、今後は複数の種類にまたがって混在し、分別が難しい「混合廃棄物」をしっかりとリサイクルできるようにすることが課題となっています。

建設副産物はリサイクルできる?

建設副産物はリサイクルできます。前述のとおり、建設副産物は建設工事にともない副次的に得られる物品の総称であり、建設廃棄物も含まれます。そのなかには、有害・危険なものとして再資源化できないものもありますが、多くの資源がリサイクルできます。

建設副産物でリサイクルできるもの

建設副産物としてリサイクルできるものの例としては、次のようなものが挙げられます。

  • コンクリート塊
  • アスファルト・コンクリート塊
  • 建設発生木材
  • 建設汚泥
  • 建設発生土
  • 金属くず

など

これらの建設副産物は新たな建設資材として利用されます。例えば、建設発生土は盛り土や路盤材として、コンクリート塊などはセメントやアスファルトの原料として実際に再資源化されています。建設副産物の再資源化を推進することには、廃棄物処理費用の削減や環境負荷低減によるCO2排出量の削減、建設資材の価格安定化などのメリットが考えられるでしょう。建設副産物のリサイクルは建設業界だけでなく地球環境の保全にも貢献する重要な取り組みの一つです。

建設副産物をリサイクルする方法

建設副産物は建設リサイクル法などに則り適切に処理する必要があります。例えば、国土交通省が発注する建設工事においては「リサイクル原則化ルール」が設けられており、ルールに即したリサイクルの推進が求められています。

  • コンクリート塊など、建設発生木材は再資源化施設へ搬出
  • 建設汚泥は他の建設工事現場に搬出、再利用のために再資源化施設に搬出、製品化のために再資源化施設に搬出、のいずれか
  • 建設発生土は50km以内の他の建設工事へ搬出

など

ほとんどの建設副産物は再資源化が原則化されているため、ガイドラインやルールをしっかりと確認しましょう。リサイクルの具体的な方法としては、原材料として再利用する以外にもエネルギーとして利用することもあります。どうしても再資源化が難しい場合には、産業廃棄物として処理する必要があるため、その場合は産業廃棄物処理法に則り適切に処分しなければなりません。

参照公共建設工事における「リサイクル原則化ルール」の策定について/国土交通省

建設副産物をリサイクルする際の注意点

建設副産物をリサイクルする際には、次の3つの注意点に気をつけましょう。

  1. 建設副産物の種類や状態を把握する
  2. 異物や汚染物を取り除く
  3. 適切なリサイクル方法を選択する

建設副産物にはさまざまな種類が存在しており、それぞれ再資源化が可能かどうかや再資源化に適した方法が異なります。そのため、建設副産物をリサイクルする際には、はじめに建設副産物の種類や状態を把握することが重要です。

次に、建設副産物のなかに鉄筋やコンクリート片、油や汚染物などが混入している場合には、それらを取り除く必要があります。異物や汚染物が混入している状態では、リサイクルできなくなる可能性があるからです。

また、建設副産物の種類や状態によっては、適切なリサイクル方法が異なります。例えば、コンクリート塊を原材料として再利用する場合、鉄筋などの異物を取り除いて細断してセメントの原料として利用します。エネルギーとして再利用する場合は焼却処理によって熱エネルギーを取り出す処理が行われるため、リサイクル方法が異なります。

まとめ

建設副産物には建設廃棄物も含まれており、建設業界全体で再資源化が積極的に進められています。リサイクルできるものとしては、コンクリート塊や建設発生土、建設発生木材などが挙げられますが、ほとんどの資源がリサイクル可能です。

建設副産物のリサイクルに関しては、建設リサイクル法をはじめとしてさまざまなルールやガイドラインが存在するため、これらをしっかりと確認した上でこの記事で解説した注意点にも注意しながら進めると良いでしょう。

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