能登半島地震で64年分廃棄物で処理施設も停止、国が95%の費用負担表明

石川県輪島市沖で発生した能登半島地震、1カ月が経過した被災地にて災害廃棄物という新たな課題を呼んでいます。

能登半島地震は、輪島市や珠洲市をはじめとする広範囲で大規模な家屋倒壊とインフラの破壊が起こしました。石川県内では古い木造家屋の倒壊が多発し、津波や液状化、土砂崩れによる追加の廃棄物も発生。確認された全半壊や一部損壊の住宅は3万棟を超えており、各地の災害廃棄物推計量も、輪島市が20万1000トン、能登町が11万9000トン、穴水町が6万3000トンといずれも膨大な値を計上。珠洲市に至っては約28万2000トンを計上するなど、通常の廃棄物量の約64年分に相当する悲惨な推計が出ています。

能登半島地震による廃棄物問題は、石川県が2016年に策定した災害廃棄物処理指針の想定(9万トン)を大幅に上回る可能性が生じています。現地では廃棄物処理施設の停止や道路の寸断など、正常に廃棄遺物を処理することも困難な状況にあり、生活再建をより一層困難にしています。

国もこうした事態を踏まえ、対策を急いでいます。総務省は2024年1月22日、能登半島における災害廃棄物処理における市町が担う費用を通常(80%)から大幅に引き上げた95%を、国が負担すると表明しました。また、環境省も被災地に職員を派遣し、仮置き場の運営などを支援すると決定。さらに、東日本大震災など大規模災害対応を担った自治体職員の「人材バンク」も活用し、迅速な被災地復旧に取り組んでいます。

能登半島地震による災害廃棄物問題は、自治体だけでなく、国全体で迅速な対応と長期的な計画策定で対応する計画です。国の支援策により、災害廃棄物の処理と復旧作業が加速されることが期待されます。

参照能登半島地震3週間 復旧阻む災害ごみ、珠洲「64年分」

参照能登半島地震 災害廃棄物処理費用の95%を国が負担 松本総務相、方針示す

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