中国政府の生態環境省は2020年6月30日、国が以前から進めている海外ゴミの輸入規制について予定通り強化を進め、2021年より海外からの固形廃棄物の持ち込みを全面的に禁止する考えを明らかにしました。
中国国内は過去、工業資源調達などの目的から、海外ゴミの輸入を容認する体制を敷いていました。ところが中国国内の協業基盤が整うにつれ、スモッグや悪臭などによる問題となったため、同国は「固形廃棄物環境汚染防止法」等の法律によりゴミ輸入規制を決定。
今回の発表においては2020年9月より改正した法律を適用し、疑いのある荷主に対する検査や調査などの権限を強化し、罰金や罰則などの処分を下す決定を示したほか、2021年からは海外ゴミの輸入手続きを完全に打ち切る考えを示しています。
輸入規制で固形廃棄物の輸入量45.3%減
中国による海外ゴミの輸入規制は、もともと中国国務院が2017年7月に禁止方針を打ち出したことにより進んできた取り組みです。
輸入ごみの受け入れを巡っては、中国国内においても経済と環境の対立から度々議題として挙がってきましたが、近年は環境改善を求める声が強いのか、中国政府の報道官は2020年1月~5月にかけて、固形廃棄物の輸入量が前年同期比45.3%を達成したとしています。
同国は今後もこうした規制を続け、年内には該当種海外ゴミの輸入を実質ゼロにする考えを示しています。