
DIYで余ったペンキ、どのように処分していますか?
または、引越しや実家の片付けで古いペンキを大量に見つけてしまい、「こんなにたくさんあると、どう捨てていいのか分からない…」とお悩みの方もいるかもしれません。少しだけならまだしも、大量にあると捨て方に悩んでしまいますよね。
この記事では、大量のペンキの捨て方を詳しく解説します。ご自分で処理をして自治体のごみ回収に出す方法に加え、NGな捨て方やペンキの容器の分別方法もご紹介するので、ぜひチャレンジしてみてください。
目次
大量のペンキは「塗料固化剤」で固めて捨てる
大量のペンキは、市販の「塗料固化剤」で固めて捨てるのがおすすめです。
塗料固化剤とは、液体塗料を吸水して固形化する薬剤です。吸水性ポリマーやアルミナケイ酸塩で作られています。ペンキだけでなく、ペンキの薄め液やレジン液、刷毛を洗って汚れた水なども固めて捨てられるため、DIYに便利です。
固化剤はホームセンターや画材店、大手通販サイトなどで購入できます。30~50g入りで500円程度なので、必要な分を購入しましょう。
固化剤で固めたペンキは、可燃ごみとして処分できる自治体が多いです。しかし、自治体によっては対応していない可能性もあります。あらかじめ自治体のホームページなどで確認しておくと安心です。
【参考資料】
「塗料・うすめ液」は何ごみで捨てればいいですか?|神戸市
塗料固化剤を使ったペンキの捨て方
ペンキを固めて捨てるために使用する固化剤は、ペンキ100mlにつき約10gです。そのほか、次の道具を用意しましょう。
- バケツなど、大きめの容器
- 新聞紙
- 割り箸
- 軍手やビニール手袋
作業手順は次のとおりです。
- ペンキを大きめの容器に移す
- 少しずつ固化剤を入れ、均一に行き渡るようにかき混ぜる
- 5分ほど待つ
- 固まったペンキを新聞紙に空け、半日~1日程度しっかり乾燥させる
- 完全に乾いたらそのまま新聞紙で包み、可燃ごみの袋へ入れる
ペンキに含まれる有機溶剤には引火性があるうえ、ニオイで体調不良を起こす恐れもあります。作業は必ず火気のない場所で、通気性を確保して行いましょう。
固まったペンキは、おからのようなポロポロとした質感になります。乾燥させる際は、水がかかりにくい場所を選んでください。ペンキの水分がにじみ出てくることもあるため、下に敷く新聞紙は多めに用意しましょう。
【参考資料】
製品中化学物質に関する情報共有について|環境省
塗料|消費者庁
塗料固化剤を使う際の注意点
ペンキの処分に固化剤を使用する際は、次の3点に注意してください。
- ペンキの種類に合った固化剤を選ぶ
- ペンキはあらかじめ大きめの容器に移しておく
- 1度開封した固化剤は保存できない
1つずつ詳しく解説します。
ペンキの種類に合った固化剤を選ぶ
塗料固化剤は、大きく分けて油性用・水性用・兼用の3種類です。処分したいペンキに合った製品を選んでください。
例えば、水性用の固化剤を油性ペンキに入れてもなかなか固まりません。思わぬ事故も起きかねないため、「油性ペンキには使わないでください」と注意書きがある製品も多いです。迷った場合は、兼用タイプの固化剤を購入するとよいでしょう。
ペンキはあらかじめ大きめの容器に移しておく
ペンキの水分を吸収した固化剤は、紙おむつの高吸水性ポリマーと同じように大きく膨らみます。必ず事前に大きめの容器に移しておきましょう。
固化剤を入れたペンキは元の体積の2~5倍になります。ペンキの容器に固化剤を直接入れると溢れてしまうため、最低でもペンキの3倍以上の容器を用意すると安心です。
1度開封した固化剤は保存できない
1度開封した固化剤は、時間が経つと使えなくなってしまいます。残りを保管することはできません。
固化剤を購入する際は、処分したいペンキの量に合わせて選んでください。また、ペンキに入れる直前に開封するようにしましょう。
大量のペンキは塗料専門業者に処分を依頼するのもおすすめ
捨てたいペンキが大量にある場合は、塗料専門業者への処分依頼も検討してみてください。
業者に依頼すると自分で処理せずに済むため、手間がかかりません。また、自宅まで引き取りに来てくれる業者も多いです。業者によっては出張対応エリアが決められているケースもあるため、できるだけお近くの業者に依頼するとよいでしょう。
処分費用は一斗缶1つで3,000円前後が目安です。引き取りに来てもらう場合は出張費がかかる可能性があるため、事前にチェックしておきましょう。
「自力で探しても、なかなか業者が見つからない…」という場合は、自治体の生活環境課などで紹介してもらえる可能性があります。ぜひ問い合わせてみてください。
不用品回収業者への依頼も可能
ペンキのほかにも処分したい品物がたくさんある場合は、不用品回収業者の利用もおすすめです。
自治体のごみ回収に出そうとすると、どうしても分別しなければなりません。引越しや実家の片付けなど、ごみ出しにあまり時間をかけられないときは大変ですよね。
不用品回収業者に依頼すると、ペンキの状態・量などに関わらずまとめて引き取ってもらえます。自宅まで来てもらえるうえ、ほかの不用品も回収してもらえるため便利です。時期によっては、依頼当日に対応してもらえることもあります。
処分にかかる費用は業者によって異なるため、可能なら複数の業者に見積もりをとってもらいましょう。費用に納得したうえで依頼すると、トラブルを防げます。
大量のペンキのNG処分方法3つ
大量のペンキの処分方法は、基本的に「塗料固化剤で固めて可燃ごみ」「業者に回収依頼」の2つです。ここでは、やってはいけないペンキの捨て方を3つご紹介します。
- 分別せずにごみ回収に出す
- 排水口に直接流す
- ペンキがしみこんだ古紙・古布を放置する
いずれも周辺環境や暮らしに影響する恐れがあるため、絶対にしないように気を付けましょう。
NG① 分別せずにごみ回収に出す
ペンキと容器を分別せず、そのままごみ回収に出すのはNGです。収集作業中に破裂して、中身が散らばってしまう恐れがあります。
ごみ収集中にペンキが飛散すると、近隣住民や収集スタッフに迷惑をかけてしまいます。有機溶剤のニオイが周囲にしばらく残り続けたり、道路や近隣住民の家や設備、植物などを汚してしまったりすると、ご近所トラブルになりかねません。また、通行人や車・自転車を巻き込んだ事故に発展する恐れもあります。
ペンキをごみ回収に出す際は、必ず容器と分けて処分しましょう。ペンキの容器や固まってしまったペンキの処分方法も後ほど解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【参考資料】
ペンキを可燃ごみとして出したことによる飛散事故【令和4年6月発生】|八千代市
ペンキを可燃ごみとして出したことに伴う飛散事故について|船橋市
NG② 排水口に直接流す
水性・油性問わず、ペンキをトイレや浴室・屋外の排水口に流すのはNGです。
ペンキを排水として流すと、水道管の中で固まってしまいます。ご自宅やお住まいの地域の排水トラブルの原因になりかねないので、絶対に止めましょう。
また、ペンキに含まれたトルエンやキシレン、酢酸エチルなどの有機溶剤が河川に流れ込むと、水質汚染・環境汚染にもつながります。これらの化学成分は動植物や人体にも有害なため、取扱いには注意が必要です。
ペンキを使った後の刷毛も、そのままバケツで水洗いするのではなく、古紙や古布で拭き取ったうえで洗うようにしましょう。水洗い後の汚れた水は塗料固化剤で固めて可燃ごみに出すと、さらに環境負荷を低減できます。
【参考資料】
課外活動団体等 - 塗料等使用マニュアル|京都工芸繊維大学
有害物質を含有する家庭用品|東京都保健医療局
NG③ ペンキが染みた古紙・古布を放置する
ペンキが染みた紙や布は、乾燥させたうえですぐに処分してください。特に油性ペンキが付着した紙や布は、無造作に放置していると発火する恐れがあります。
油性ペンキは、空気中の酸素と反応することで乾燥します。乾く過程で酸化熱が発生するため、生乾きの状態で火気の近くや熱気がこもった場所に置いていると発火しかねません。また、乾いていないペンキが付着した紙や布を山積みにしていると、内部に熱がこもります。
しかし、ペンキを拭き取った古紙・古布、ウエスなどは資源ごみには出せません。火気のない涼しい場所で乾燥させたうえで、可燃ごみとして処分してください。回収日まで時間がある場合は完全に乾かしたうえで保管し、直前に水に濡らしてごみに出すとより安心です。
【参考資料】
ご注意ください!塗料を拭き取った布が自然発火|苅田町
塗料「1.拭き取った布が自然発火」|独立行政法人 製品評価技術基盤機構
ペンキの容器の捨て方・分別方法
ペンキを固化剤で固めた後、残った容器はどのように捨てたらよいのでしょうか?
家庭用のペンキは小さめの缶や瓶、一斗缶などで販売されていることが多いです。小型のペンキ缶と一斗缶について、関東地方の5つの自治体では次のように分別するよう定められています。
- 東京都世田谷区・千葉市・さいたま市:小型のペンキ缶・一斗缶ともに「不燃ごみ」
- 神奈川県横浜市・川崎市:小型のペンキ缶は「小さな金属類」「小物金属」、一斗缶は「粗大ごみ」
上記の自治体は対象とならないものの、完全にペンキを取り除いた缶・瓶を資源ごみとして回収する自治体もあります。
また、一斗缶については、ごみに出す際に板状に潰さなければ回収してくれない自治体も少なくありません。金づちで叩いたり足で踏みつぶしたりする際は、怪我をしないように十分注意しましょう。
【参考資料】
ごみの出し方 | 世田谷区
一斗缶|千葉市
もえないごみの出し方|さいたま市
小さな金属類|横浜市
ごみの分別に迷ったら|川崎市
容器に付着したペンキが取れないときは?
ペンキの容器は、基本的に残ったペンキをきちんと取り除いて処分する必要があります。
缶や瓶の中でペンキが固まってしまった場合、大きな塊ならぺらっと剥がせるケースも多いです。細かい部分は、スプーンやへらを使ってできる限り落としましょう。
しかし、薄く残ったペンキまで取り除くのは難しいものです。このようなときは、マニキュアの除光液や市販の「薄め液」を使うと落ちる可能性があります。古布やウエスに除光液などを少量とり、拭きとってみてください。
薄め液と名称が似た製品として「剥離剤」があります。しかし、ペンキを柔らかくして塗りやすくする薄め液と違い、剥離剤は塗って1度乾かしたペンキを剥がすための薬剤です。ペンキの缶や瓶を綺麗にしたいときは「薄め液」を選びましょう。
除光液や薄め液を使ってもペンキが落ちない場合は、そのまま不燃ごみに出すとよいでしょう。
少量残ったペンキの捨て方
少しだけ残ってしまったペンキは、不要な段ボールに塗り広げたり古紙・古布に染みこませたりした後、しっかり乾かして可燃ごみに出しましょう。火気のない風通しのよい場所を選べば、おおむね半日~1日で乾きます。
古紙や古布に染みこませる際は、ビニール袋を複数枚用意すると便利です。二重にしたビニール袋に、小さく切った紙や布を詰めて少しずつペンキを注ぐと、周囲をあまり汚さずに作業できます。
完全に乾燥させた後は1度水で湿らせて、発火防止対策を施しておきましょう。
まとめ
大量のペンキは、塗料固化剤で固めると可燃ごみとして処分できます。火気がなく風通しのよい場所で処理をして、雨水などに濡れないように半日~1日程度乾かしてください。
また、塗料専門業者や不用品回収業者に処理を依頼するのもおすすめです。自宅まで引き取りに来てくれるうえ、自分で処理する必要がありません。事前に見積もりをとって、料金に納得したうえで依頼すると安心です。
ペンキの容器は不燃ごみとして扱う自治体が多いです。必ず分別して、容器に残ったペンキもできる限り落としておきましょう。















