布団はどう処分する?粗大ごみとしての捨て方など6つの方法を解説

年末の大掃除や断捨離、遺品整理や引越しなどの際、使わなくなった布団を処分することがあります。このようなとき、改めて布団の捨て方に悩む方も多いのではないでしょうか?

「重たい布団を処分しなければならないけれど、1人ではできそうにない」
「実家を片づけていたら、処分が必要な布団が大量に見つかった」
「引越しが差し迫っているから、とにかく早く捨てたい」

本記事では、このようにお困りの方に向けて敷布団・掛け布団の捨て方を解説します。処分する布団の量や状態、ご自分の状況に合った捨て方を選べるように丁寧に解説しますので、ぜひご覧ください。

布団の捨て方は大きく6つ

今回ご紹介する布団の捨て方は、大きく分けて次の6つです。

  • 粗大ごみとして処分する
  • 可燃ごみとして捨てる
  • 業者に依頼して回収してもらう
  • 引越し業者に引き取ってもらう
  • リサイクルショップなどで売る
  • 慈善団体などに寄付する

どの処分方法でも、布団を捨てる際はシーツや布団カバーをあらかじめ外しておきましょう。

シーツ類のような薄手の布製品は、可燃ごみまたは古布・古着として分別されます。特に布団を粗大ごみに出す場合、シーツや布団カバーがついたままだと「分別されていない」とみなされ、回収してもらえない可能性もあります。布団を捨てる際は、付属品を外して「布団本体のみ」の状態にしてください。

方法① 粗大ごみとして処分する

布団は、粗大ごみとして捨てられることが多いです。

他の捨て方と比べて、粗大ごみとして布団を捨てると処理費用がかかりません。お住まいの自治体によって差があるものの、布団1点あたり200~600円で処分できます。自治体の回収業者に依頼できるため、安心感もあるでしょう。

しかし、年末年始や引っ越しシーズンなどはなかなか予約が取れず、処分まで時間がかかるケースもあります。回収日の細かな指定もできないため、忙しい方や引越しが迫っている方は別の方法をとるのが無難です。

また、捨てる布団は自分で指定の場所に持っていく必要があります。そのため、処分する布団の量が少ない方、一人または家族で問題なく粗大ごみを出せる方におすすめです。

粗大ごみとして布団を捨てる手順

布団を粗大ごみとして出す場合は、次の手順で処分します。

    1. お住まいの自治体の「粗大ごみ回収受付窓口」に回収を申し込む
    2. 近くのスーパー・コンビニなどで「粗大ごみ処理券」を買う。必要事項を記入する
    3. 布団を丸め、ひもで縛る。粗大ごみ処理券を貼りつける
    4. 指定された回収日の朝、布団を指定された場所にもっていく

粗大ごみの回収は、電話やホームページの専用フォームから申し込めます。自治体によってはチャットボットやLINEでも申し込み可能なので、お好みの方法を選んでください。

申し込みの際、処分する布団のサイズや枚数を伝える必要があるため、事前にメモにまとめておくとスムーズです。

気をつけてほしいのは、粗大ごみ処理券の購入場所です。粗大ごみ処理券は、現在お住まいの自治体で購入したものしか使えません。心配な方は、購入する際に処理券に記載された内容を確認してみてください。

クリーンセンターへの持ち込みも可能

車を運転できる方は、布団を直接クリーンセンターに持ち込む方法もおすすめです。布団の量や重さによっては、回収よりも安く処分できる場合もあります。捨て方はクリーンセンターのスタッフに教えてもらえるため、1人で迷わずに済むのもポイントです。

布団をクリーンセンターへ持ち込む手順は、次のとおりです。

  1. 電話などで持ち込みを申し込む(最低でも2週間前)
  2. 指定の日に車で布団を運ぶ
  3. ごみの量を計量する
  4. 手数料を支払う

電話で申し込む際は、クリーンセンターの受付時間に注意してください。また、繁忙期には申し込んでもすぐには持ち込めない場合もあります。粗大ごみ回収と同様、すぐに処分したい方は別の方法も検討しましょう。

また、クリーンセンターにごみを持ち込めるのは、基本的に「そのごみの排出者本人」です。荷物も自分で降ろす必要があるため、腕力に自信がない方は手伝ってくれる人と一緒に行くとよいでしょう。

自治体によっては、高齢の方・身体に障害がある方に向けて「運び出し制度」を設けているところもあります。以下は練馬区の例です。ぜひ、お住まいの地域の制度をチェックしてみてください。

粗大ごみ(有料・申込制)・料金検索|練馬区

布団の回収・持ち込み手数料の目安は?

次の表は、5つの自治体の布団の処分費用とクリーンセンターへの持ち込み可能個数をまとめたものです(2025年4月時点)。

処分費用(回収) 処分費用(持ち込み) 1回当たりの持ち込み可能個数
東京都世田谷区 400円 半額程度 10個まで
神奈川県川崎市 600円 持ち込み不可
北海道札幌市 200円(3枚まで) 10kgごとに200円 指定なし
宮城県仙台市 400円 100kgで1500円 100kgまで
大阪府大阪市 200円(4枚まで) 10kgごとに90円 4トンまで

持ち込み処分ができない地域もあるうえ、料金や持ち込み可能個数にも差があることが分かります。粗大ごみ処理の違いの例として、参考にしてみてください。

方法② 布団を切って可燃ごみとして捨てる

布団は「布製品」ともいえるため、可燃ごみや古布として処分できる自治体もあります。

多くの場合「1辺30~50cm以下に切る」というサイズの規定があるため、自分で布団を切ってごみ袋に詰め、回収日にごみ捨て場に持っていく必要があります。けれども、事前申し込みの必要がなく、処理費用もごみ袋代しかかかりません。

また、可燃ごみとして処分する場合、毎週チャンスがめぐってきます。古布を処分できる資源ごみの日も、月に2回以上はあるでしょう。思い立ったときに自分のタイミングで布団を捨てられる点がメリットです。

しかし、布団は大きさに関わらず「粗大ごみ」として扱う自治体もあります。例えば、世田谷区や宮城県仙台市では、可燃ごみとして認められる布製品は「厚みのないもの」とされています。お住まいの自治体のルールブックなどを確認してみてください。

捨てる布団を小さく切るコツ

布団を小さく切るのは、思いのほか大変な作業です。糸くずや中綿が室内に散乱すると、後片付けにも苦労します。

布団を切る際は、次の3点に気を付けて作業するとラクになります。

  • 事務用のはさみではなく、裁ちばさみ・キッチンバサミを使う
  • 床にブルーシートを敷き、エプロンやマスクをつけて作業する
  • 一気に切ろうとせず、「最初に表布、後で中綿」を切る

布団の表布と中綿は質感が大きく異なるため、そのまま切るのは困難です。表布をある程度切った後に中綿を少しずつ引き出したり、層状に重なった中綿を剥がして切ったりすると、作業も進みやすくなります。

また、切りたい箇所はピンと張った状態にすると切りやすいです。布団の上に乗って引っ張りながら作業するとよいでしょう。

方法③ 業者へ依頼して布団を回収してもらう

民間の業者に依頼して布団を回収してもらうのもおすすめです。

捨てたい布団が多い場合や1人では運び出せない場合も、回収業者のスタッフが自宅まで取りに来てくれます。布団以外に処分したい家具・家電がある場合は、まとめて回収してもらえるでしょう。専門のスタッフが品物を運び出してくれるため、壁や床に傷をつけるリスクを減らせる点もメリットです。

また、自治体の回収サービスよりも回収日・時間の自由度が高いため、ご自分の都合の良いタイミングでの処分が可能です。即日回収に対応している業者もあるため、処分を急いでいる方や手間をなるべくかけなくない方におすすめです。

ただし、年末の大掃除や引っ越しシーズンはなかなか予約が取れなかったり、特別料金がかかったりする可能性もあります。処分を急いでいない場合は、回収業者の繁忙期は避けるとよいでしょう。

回収業者を選ぶポイント

布団を捨てる際、回収業者を選ぶポイントは次の3つです。

  • 公式サイトに「廃棄物収集運搬業の許可を受けている旨」を明記しているか
  • 利用料金が安すぎないか
  • 見積もりをとった場合、合計金額だけでなく品目ごとに料金が記載されているか

企業が一般廃棄物処理業を行うには、都道府県や市区町村からの許可が必要です。許可を受けた事業であると示すため、多くの回収業者はホームページに「一般廃棄物収集運搬業許可証」の情報を明記しています。業者のホームページをチェックする際は、許可証について書かれているかどうかきちんと確認しましょう。

許可証の提示がない業者、また「利用無料」をアピールしている業者は、違法に廃棄物回収を行っている可能性もあります。トラブルの発生を防ぐため、このような業者は避けてください。

利用料金は、処分する布団の量・重さや業者のサービス内容によって違いがあります。事前に見積もりをとって確認しておくと安心です。

廃棄物処理業の許可制度について|環境省
廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!|環境省

宅配での回収サービスも使える

宅配での布団回収に対応している業者もあります。自分で梱包する必要があるものの、運送業者に集荷してもらえるためおすすめです。

宅配回収の手順は次のとおりです。

  1. 回収を申し込む
  2. 業者から送られる回収用パックや送り状を受け取る
  3. 回収用パックに布団を詰め、送り状を貼る
  4. 回収業者が提携している運送業者に集荷してもらう

日程の自由度が高いため、「ある程度の作業なら自分でできる」という方にぴったりの方法です。

布団販売店に引き取ってもらえる場合も

布団販売店によっては、新しい布団を買った方に古い布団の下取りサービスを行っているところもあります。布団を購入する際は、下取りサービスの有無を確認してみてください。

「回収は購入した布団と同数まで」「回収できない素材・状態が決まっている」など販売店によってサービス内容に違いがあるため、詳しい内容や料金は問い合わせるのがおすすめです。

また、羽毛布団の場合、ダウン率が一定以上であれば無料で回収しているメーカーもあります。宅配回収に対応しているところも多いので、羽毛布団を処分する際はチェックしてみましょう。

方法④ 引越し業者に引き取ってもらう

引越しのタイミングで布団を捨てたい場合は、不用品引き取りサービスがある引越し業者に回収してもらうのもおすすめです。

引き取りサービスの有無は業者によって異なりますが、なかには無料で対応してくれるところもあります。引越しの見積もりを出してもらう際に、回収してもらいたい品物があることを伝えておきましょう。

また、大手の引越し業者は拠点によってサービス内容に差がある場合も多いです。大手の業者を利用するのであれば、現在の居住地を担当している拠点に確認してみてください。

方法⑤ リサイクルショップなどで売る

新品同様で使用感が少ない布団や、高級ブランド製の布団は、買取業者やリサイクルショップで買い取ってもらえる可能性もあります。捨てるはずだった布団もごみにしなくて済むうえお金になるため、状態がよい布団を処分したい方におすすめです。

しかし、明らかに使用感がある布団はあまり好まれません。少しでも査定額を上げたい場合は、布団を洗濯して清潔に整えておきましょう。

処分したい布団を売るために、フリマアプリやネットオークションの利用を検討している方もいるかもしれません。

けれども、布団のように大きな品物を自分で発送するのは大変です。すぐに売れるとは限らないため、処分まで時間がかかる可能性もあります。

また、布団の状態について購入者とのミスマッチが起これば、トラブルも起こり得ます。フリマアプリやネットオークションを利用したい場合は、このようなリスクを踏まえたうえで検討しましょう。

方法6:慈善団体などに寄付する

まだ十分に使える布団を処分する場合は、物資を募集している地域や各種団体に寄付するのもおすすめです。発送手続きや送料はかかるものの、捨てるはずだった布団が誰かの役に立つ可能性もあります。

例えば、次のような寄付先があります。

  • 地震・台風などの被災地
  • 動物愛護団体
  • 児童養護施設・福祉団体
  • 発展途上国を支援するNPO

布団を寄付する場合は、あらかじめ問い合わせて受付方法や寄付できる布団の種類・枚数などを確認するようにしましょう。

布団の寿命・買い替えのサインは?

使用頻度や使い方によって異なりますが、一般的に布団の寿命は次の年数とされています。

  • 敷布団→3~5年
  • 綿の掛け布団→5~10年
  • 羽毛布団→10~15年

上記の年数ほど使った布団は、汗や摩擦で中綿が傷み、元の厚みより薄くなっています。ほかにも、次のような状態の布団はそろそろ買い替え時です。

  • 布団をかぶっても寒く感じるようになった
  • 寝ていて身体が痛む
  • クリーニングに出してもニオイがとれない
  • 中綿や羽毛が飛び出している
  • カビを発見した

このような状態の布団は、ご紹介した方法で処分するとよいでしょう。

まとめ

布団の捨て方について、6つの方法をご紹介しました。

1人暮らしの方やご高齢の方、体力に自信がない方は、布団のように大きくて重いものを処分するのはどうしても億劫に感じてしまうかもしれません。回収業者・サービスを上手に利用して、ご自分に無理のない方法で処分するようにしましょう。

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