「産業廃棄物の処理費用を少しでも安くしたい」

「相場がわからず不安…」

このような悩みはありませんか?

この記事では、処理費用の相場からコストを抑える3つの工夫、信頼できる業者選びのポイントまでわかりやすく解説します。

相場や業者の選定方法を知り、処理方法の見直しや業者選定の参考にしてください。

産業廃棄物とは

産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、法令で定められた特定の種類を指します。​具体的には、以下の20種類です。

 

  • 廃酸(酸性の廃液)
  • 燃え殻(ボイラーなどの燃焼残さ)
  • 汚泥(工場排水などから出る泥状のもの)
  • 廃油(機械油、洗浄油などの不要な油類)
  • 廃アルカリ(アルカリ性の廃液)
  • 廃プラスチック類(ビニール、樹脂など)
  • 紙くず(建設業、製造業等の業種に限定)
  • 木くず(製材業、建設業等に由来するもの)
  • 繊維くず(繊維工場などで出る布類)
  • 動植物性残さ(食品製造で出るカスなど)
  • 動物系固形不要物(と畜場などから出る臓器など)
  • ゴムくず(天然ゴム系の廃棄物)
  • 金属くず(加工くず、破片など)
  • ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず
  • 鉱さい(溶鉱炉のスラグなど)
  • がれき類(建物の解体などから出る廃材)
  • ばいじん(集じん装置にたまる粉塵など)
  • 動物のふん尿(畜産業由来)
  • 動物の死体(家畜など)
  • 上記の処理で生じたもの(中間処理後の残さ)

 

産業廃棄物は、適切な処理が求められ、事業者にはその責任が課せられています。​

(参考:環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」

 

産業廃棄物の処理は、専門の産廃業者に委託するのが一般的です。

排出業者が自ら処理することも可能ですが、専門的な知識や設備が必要で、手間もかかります。

たとえば建設現場などで発生するがれきや廃材は、種類ごとに適切な処理が求められるので、専門業者に依頼することで法令遵守と効率化の両立が図れます。

そのため多くの企業では、費用を支払って信頼できる産廃業者に、回収から処理までを任せるケースが主流です。

 

ちなみに事業活動で生じた廃棄物のうち、特定20種類に該当しないものは、基本的には一般廃棄物として扱います。

具体的な判断に迷ったときは、行政や自治体に確認すると安心です。

産業廃棄物の処理費用の相場は?

産業廃棄物の処理費用は、地域や産廃業者によって金額が異なります。

例として、関東の処理費用の相場を掲載します。

廃棄物の種類 処理費用(税抜)
混合廃棄物(ボードなし) 約11,650円~15,000円/㎡
混合廃棄物(ボード含む) 約20,250円~25,000円/㎡
廃プラスチック類(軽量) 約7,000円~15,400円/㎡
がれき類(コンクリート・陶磁器など) 約6,600円~23,100円/㎡
石膏ボード(リサイクル可)※ 約12,100円/㎡
石膏ボード(リサイクル不可) 約22,000円/㎡
木くず(リサイクル可) 約5,500円/㎡
紙くず(建設業・製造業に限る) 約16,500円/㎡

※石膏ボードは法的には「がれき類」に含まれることがありますが、実務上は処理業者ごとに分別され、別項目として扱われるケースが多いです。

 

東京都心部などでは人件費・土地代が高く、相場もやや高めです。

地方では比較的安い傾向もありますが、運搬距離が長いと逆に高くなる場合もあるので、処理費用だけで判断するのは危険です。

産業廃棄物の処理には、収集運搬費やマニフェスト、中間処理費、特別管理費など、さまざまな追加費用が発生します。

そのため、見積もり時には「トータルの費用」で比較することが大切です。

廃棄物の処理費用を安く抑えるための2つの工夫

産業廃棄物処理を委託する際、どうしても費用はかかってしまいます。

しかし廃棄物のすぐに減らすのは難しく、別途で高額な費用がかかってしまう場合もあります。

 

そこでここからは、処理費用を安く抑えるための2つの工夫をご紹介します。

  • 処理費用の相見積もり
  • 廃棄物をあらかじめ分別

 

すぐに出来る内容ばかりなので、実践して費用を抑えるのに役立ててください。

処理費用の相見積もり

産業廃棄物の処理を業者に委託する際は、必ず複数の業者から相見積もりを取りましょう。
処理費用は業者ごとに大きく異なることが多く、同じ廃棄物でもコストに大きな差が出るためです。

さらに、費用の違いは「処理する品目」や「業者の処理体制」「中間処理の有無」など、さまざまな要素によって決まります。

 

たとえば、発泡スチロールなどの廃プラスチック(軽量)1㎥分の相見積もりを取るとします。

業者A 約7,700円/㎥(地域密着でリサイクルルートが確立)
業者B 約12,000円/㎥(中間処理に外注コストがかかる)
業者C 約15,400円/㎥(少量対応で人件費が割高)

このように、処理能力や提携先、中間処理の有無などにより、同じ種類の廃棄物でも業者によって費用が大きく変わるのが現状です。

 

だからこそ、相見積もりを取って「トータルでどこが安いか」を比較することが重要です。

廃棄物をあらかじめ分別

産廃業者に廃棄物の処理を委託する前に、廃棄物の分別をしておくことで、処理費用を抑えましょう。

 

委託する際、廃棄物は分別しなくても回収してもらえる場合がほとんどです。

しかし複数の廃棄物が混ざっている場合は、その中で一番処分費用が高いものの単価で全体を計算されるため、結果的に費用が高くなってしまいます。

 

たとえば、建設現場で出た「木くず(約5,500円/㎥)」と「石膏ボード(約12,100円/㎥)」を分けずに出すと、「混合廃棄物(ボード含む)」として扱われ、1㎥あたり約20,250円~25,000円かかります。
したがって、分別して出す場合と比べて約2〜4倍の費用差が出ることになります。

 

少し手間でも分別して出すことで、処理コストを大きく抑えることが可能です。

信頼できる産業廃棄物業者を見極める3ポイント

ここからは、産廃業者を見極める3ポイントをご紹介します。

産廃業者を見極める際、費用の安さだけで決めてしまうのはリスクがあります。

ポイントを押さえて、信頼できる産廃業者を選定しましょう。

①産業廃棄物処分業の許可が発行されている

産廃業者を見極める際には、産業廃棄物処分業の許可が発行されているかどうか確認しましょう。

廃棄物を処理するには、廃棄物処理法により地方自治体から「産業廃棄物処分業」の許可が必要です。

(参考:環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」

 

許可を持たずに産業廃棄物を処分すると、法律違反となり、以下のような罰則が科されます。

  • 5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人は1億円以下)
  • 場合によっては両方適用
  • 社名公表や営業停止の可能性あり

 

また無許可の業者に処分業を委託してしまった場合、依頼者側も責任を問われます。

産業廃棄物の排出事業者には、「排出事業者責任」が法律で定められており、最終処分が完了するまで責任を負う義務があります。

そのため違法業者に処分を委託していた排出事業者も法律違反となり、以下のような罰則が科される場合があります。

  • 5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人は最大3億円の罰金)
  • 原状回復・撤去命令や行政処分
  • 行政指導や改善命令、過料処分

(参考:環境省「排出事業者責任の徹底について」

 

産廃業者を厳選する際には、産業廃棄物処分業の許可証の有無を必ず確認してください。

許可証の有効期限や処分できる品目・地域も一緒に確認すると、より安心です。

②優良産廃処理業者として認定を受けている

産廃業者を厳選する際には、優良産廃処理業者の認定を受けている業者を選びましょう。

優良産廃処理業者の認定とは、産業廃棄物処理業者の中でも一定の基準を満たした、特に優れた取り組みを行っている業者のみに与えられる認定制度です。

(参考:環境省「優良産廃処理業者認定制度」

 

認定するためには、以下の基準をクリアしている必要があります。

  • 法令遵守
  • 財務の健全性
  • 技術管理
  • 情報公開
  • 保全への取り組み

 

①に記載した「産業廃棄物処分業の許可」だけでも処分業は可能ですが、より安心して処分業を任せられるため、安心です。

 

優良認定を受けているかどうかは、各都道府県や政令指定都市の「産業廃棄物処理業者名簿」などで確認できます。
また公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団が運営する「優良さんぱいナビ」でも確認可能です。

公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団:優良さんぱいナビ

③マニフェストの適正管理がされている

産業廃棄物の処理を業者に委託する前に、業者がマニフェストを適切に管理しているかどうかを必ず確認しましょう。

マニフェストとは、廃棄物の「排出から最終処分まで」の流れを記録・追跡するための管理票です。誰がどのように関わり、どう処理したかを可視化できる重要な書類です。

 

具体的には、次のような情報が記載されています。

  • 排出事業者(廃棄物を出した人)
  • 収集運搬業者(誰がどこに運んだか)
  • 処分業者(どのように処理したか)
  • 最終処分完了の確認

つまり、廃棄物の「出発点からゴール」までの情報がひとつの帳票で把握できる仕組みになっています。

 

たとえば業者が不適切な処理をしていたとします。

マニフェストがきちんと管理されていれば、どの段階で問題が発生したのか、どの業者に責任があるのかを明確にすることができます。

逆に、マニフェストの記録がずさんだと、処理の流れが追えず、最終的に排出事業者であるあなたの会社が責任を問われてしまうリスクもあります。

 

こうしたリスクを避けるためにも、産廃業者を選ぶ際は「マニフェストを正しく発行・管理しているか」をしっかり確認しましょう。

信頼できる業者は、電子マニフェストを導入し、データで管理しているケースも多く、安心感があります。

産業廃棄物の処理費用を抑えつつ、信頼できる業者選びを

産業廃棄物の処理を委託する際は、産廃業者の見極めが大切です。

複数の業者から相見積もりを取り、より自社に合った産廃業者を選定してください。

また、極端に安い業者は後々トラブルが発生する可能性もあります。

なぜ安いのか、安心して委託できる業者なのか慎重に確認してください。

 

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