画像:東京都より引用
東京都本会議は2022年12月15日、都内の新築住宅に太陽光パネルの設置を義務化する条例について賛成多数で可決しました。
条例は一定の建築規模を持つメーカーに対し太陽光パネルの設置を義務付けるというもので、対象となるメーカーは2025年4月以降、都内の新築住宅に太陽光パネル設置しなくてはいけません。割合は日照量に応じて定められ、都心部は30%、低層住宅圏は85%となっています。
SNSやパブリックコメントにおいては太陽光パネルの設置を巡り、必要性やリスクに対する議論が起きています。とりわけ目立っているのが処分方法や廃棄コストを巡る問題で、さまざまな懸念が噴出しています。
一般的に新築住宅に太陽光パネルを設置する場合、100万円~300万円程度の費用がかかりますが、10年~15年後に訪れる廃棄時にも別途コストが必要です。廃棄コストは公表時点で概ね30万円~50万円となるケースが多いですが、これは太陽光パネルが産業廃棄物に該当するため、自治体の処分場などに持込処分することは難しく、必然的に処理業者に依頼しなければならないからです。
ただし、費用を抑えた処理も可能です。パワーコンディショナーやモニター、クリップなどのパネル以外の部品は粗大ごみとして廃棄できます。太陽光パネルに使用する配線は多量の銅を含むため需要があり、買取している事業者もあります。場合によってはこれらを交渉の材料することで、廃棄コストの削減も期待できるでしょう。
また、太陽光パネル本体も年々性能が向上しています。
保証期間は10年と定めるケースが大半ですが、実際には15年以上の使用に耐える例もあり、経年劣化に強いモデルも続々登場しています。また、屋根材にガルバリウム鋼板を使用している場合、屋根材に穴を開けないクリップ法という施工方法も可能であるため、設置による住宅価値の毀損を抑えることも可能です。
条例が成立した以上、住宅建築において太陽光パネルは意識せざるを得ません。設置する場合、廃棄コストも意識した判断が後悔しないコツとなるでしょう。
参照太陽光ポータル