太陽光パネルの大量廃棄、各社リサイクル目指し研究開発

太陽光パネルの大量廃棄問題がじわじわと話題になっています。

太陽光発電は2009年に余剰電力買取制度が実施されて以来、日本全国で爆発的に伸長している再生エネルギー電力です。しかし、電力を供給する太陽光パネル自体は工業製品であるためいずれ限界を迎えます。

太陽光パネルの耐用年数は推定約25年~30年程度とされています。国内の大部分のパネルは2009年以降に設置されたものであるため、2035年~2040年ごろに一斉廃棄を迎えることになりますが、同時期の推定廃棄量は約17万~28万トンと膨大です。

処分難しいパネル問題、不法投棄懸念も

とはいえ、耐用限界を迎えたパネルはいずれ廃棄しなければいけません。今後、太陽光パネルの廃棄量が加速度的に増加することは容易に想定可能です。

しかし、ここで問題となってくるのが太陽光パネルが産業廃棄物として扱われている点です。しかも、太陽光パネルは鉛やセレン・カドミウムといった有害物質を含んでいるため単に投棄すれば良いというものではなく、解体業者などを通じて適切な処理能力を持つ廃棄施設で処分しなければいけません。

とはいえ、全ての太陽光事業者が正しく投棄するとは限りません。特に処分費用を考慮せずに運用していた事業者による大量不法投棄などが懸念されています。

リサイクル事業に可能性

一方で、太陽光パネルの大量廃棄問題を前に、リサイクルやリユースで対応しようという動きもあります。

出光興産の子会社であるソーラーフロンティア社は2022年度より、太陽光パネルの再資源化に向け新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とともにリサイクル処理の実証研究を開始するとしています。

また、東京都の産廃業者である株式会社タケエイも廃棄ソーラーパネルの適正処理およびリサイクルに向け、2021年12月に太陽光パネルリサイクル事業の立ち上げを公表しました。

廃棄処理に高度な技術と設備が求められる太陽光パネル処分問題。今後、目を離せない時代となりそうです。

参照太陽光パネルリサイクル事業の開始予定について

参照出光系ソーラーフロンティア 太陽光パネル再資源化へ 2030年代の大量廃棄に備え 24年度から事業化

参照2040年以降の太陽光パネルの大量廃棄が問う「不都合な真実」

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事