岡山県のソーラーパネル製造業者である株式会社新見ソーラーカンパニーはこのほど、排気ソーラーパネルを約95%の精度でリサイクルできる熱分解技術を活かした装置を2022年夏をめどに製品化すると明らかにしました。
ソーラーパネルは電極とシリコンが強度に固められており、現代社会の技術ではリサイクルが難しいとされている製品です。ところが再生エネルギーの需要が増加するにつれてパネル大量導入が進んでおり、期待耐用年数を迎える2040年ごろには国内で約80万トンもの廃棄パネルが生じると懸念されています。
新見ソーラーカンパニーはこうした実情を受け、自社で保有する熱分解処理技術を活かして、ソーラーパネルのリサイクル装置を開発しています。この装置は廃棄パネルに含まれるガラスや銅線、銀やシリコンなどをリサイクル可能な状態で抽出する能力を有しており、さらに二酸化炭素を発生しない仕組みとのこと。同社は装置の製品化後、各産業廃棄物処理業者に導入を呼び掛けるとしています。
不法投棄懸念されるソーラーパネル
ソーラーパネルは現代社会において急速に導入量を増していますが、現状では効率的なリサイクルが難しく、大部分が埋め立てによる廃棄処分となっている製品です。
ただし、ソーラーパネルは鉛やセレン、カドミウンムなどの有害物質を含んでいるため廃棄コストが高いという難点を有しています。このため、多くのパネルが耐用限界を迎えるとされている2040年には大量の不法投棄が発生する懸念が生じています。