京都府山城北保健所はこのほど、管轄内の宇治市・宇治廃棄物処理公社が廃棄物の埋め立て処分地から排出された汚染された可能性のある雨水を浄化処理することなく河川に処分していた疑いで、同社を調査している事実を明らかにしました。
調査対象となった宇治廃棄物処理公社によると、同地には一般廃棄物と産業廃棄物がそれぞれ埋められており、大雨の日などは該当地から大量の雨水が染み出していたとのこと。
本来、こうした環境下の雨水は汚染されている可能性があり、調査や処理が求められています。しかし同社は、「保有する浄化槽は容量が小さく全てを処理することができない」との見地から、未処理水であると知りつつ、近くの河川に放流していたと説明しています。
悪習10年以上も継続か
宇治廃棄物処理公社は今回の事案に対して、「同様の処理を10年以上前から継続してきた」と供述しています。
10年もこのような運転を継続した理由について、同社は「前任者からの引き継ぎにより継続した」と前例主義の認識で回答。調べによると、同社の浄化槽は1984年に作られたもので、処理能力の限界は以前から憂慮されていたのもと見られます。
なお、同社は今後の対策として、原水槽の汚染状況を調査した上で、別の処理施設への送水管を設置し対応する方針を示しています。