家庭から発生する食品ロスとは?現状と家庭でできる対策について解説

今回は「食品ロス」について、種類や現状などを解説します。

食品ロスの種類

家庭から発生する食品ロスは、主に3種類にわけられます。

食べ残し 家庭で食事として提供されたにも関わらず、食べきれずに捨てられたものを言います。
直接廃棄 賞味期限切れなどの理由により使用または提供されず、調理などの介入がないまま捨てられたものを言います。
過剰除去 野菜や果物の皮やヘタなどの不可食部分を過剰に除去してしまい、本来なら食べられる可食部分のことを言います。

参照環境省 食品ロスポータルサイト

食品ロスの現状

「平成30年度 食品廃棄物等の発生抑制及び 再生利用の促進の取組に係る実態調査」の家庭系食品ロス量の推計結果(昨年度、一昨年度との比較)によると、平成28年度の全国の家庭から発生する食品ロス量の種類として食べ残しが約112万トンと最も多く、家庭から発生する食品ロス量の合計は約291万トンという結果でした。

昨年度の家庭から発生する食品ロス量の合計は約289万トンのため、昨年度と比較すると増加しています。
(図は千トン単位で表記されていますが、上記ではわかりやすいよう四捨五入しています)

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出典:平成30年度 食品廃棄物等の発生抑制及び 再生利用の促進の取組に係る実態調査

平成28年度、日本国内での食品ロス量の合計は約643万トンとされ、事業者から発生した食品ロス量は約352万トンでした。事業者、家庭ともに食品ロス量が多いことがわかります。

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出典:環境省 食品ロスポータルサイト

参照平成30年度 食品廃棄物等の発生抑制及び 再生利用の促進の取組に係る実態調査
参照環境省 食品ロスポータルサイト

自分でできる家庭の食品ロス削減対策

家庭から発生する291万トンという大量の食品ロスを減らしていくためには一人ひとりの努力積み重ねが必要となります。

今回は、家庭でできる食品ロス削減のポイントを、食品ロスを発生させやすいシーンごとにご紹介します。

買い物

  • でかける前に冷蔵庫の中身をチェックして、食材を買いすぎない。
  • すぐ消費できる食品は陳列棚の手前から取り、消費期限や賞味期限の短い商品から購入する。

調理

  • 食べられる分だけを調理する。
  • 食材が余ったときや余りそうなときは、食材を使いきれるようなレシピを調べる。

保存

  • 食べきれなかった食材は冷凍などそれぞれの食材に適した保存方法を施し、後日食べきるようにする。
  • 保存する際は、食べ忘れ防止のために冷蔵庫・冷凍庫内でわかりやすいように配置する。
  • 保存用のパックや袋に食材の日付や名前を書く。

食べきれないとき

  • 未開封の贈答品や食べきれない食品は、フードドライブなどへ寄付する。

外食

  • 自分で食べきれる分の料理を注文する。
  • 残してしまった際に持ち帰りが可能かどうか事前にチェックしておく。
  • 大量に食べ残しが発生しやすい宴会では、3010運動に取り組む。

3010運動とは、乾杯から30分間は自分の席を立たずに出された料理を食べ、お開き10分前には自分の席に戻り食事を再開することを呼びかけ、食品ロスを削減するキャンペーンのことです。環境省のホームページから啓発用POPやチラシをダウンロードすることができます。

参照環境省「すぐたべくん」ダウンロードページ
参照環境省 3010運動普及啓発用三角柱POP ダウンロードページ
参照環境省 食品ロスポータルサイト

まとめ

食品ロスは、本来なら食べられるはずが、廃棄されてしまう食品のことを言います。過去3年間の統計によると、家庭から発生する食品ロスの原因として最も多いのが食べ残しで、次に過剰除去、直接廃棄が続きます。

事業者から発生する食品ロスも352万トンと多く、事業者も食品ロス量削減にむけて努力すべきですが、一般家庭から発生する食品ロスも291万トンと決して無視できる数字ではありません。食べきれる分だけを購入すること、調理方法や保管・保存方法の工夫で食品を食べきる努力をしなくてはなりません。

現在はスマートフォンやパソコンの普及により、ネット検索すれば一瞬で食材にあったレシピを知ることができます。書店だけでなくフリーマーケットアプリで、レシピ本を中古で安く購入したり、調理方法を動画で確認することも可能となりました。家庭から発生する食品ロス量は291万トンという膨大な量に思えるかのしれませんが、手元にある電子機器をうまく使いこなすことで食品ロスを減らしていくことが現代の私たちの務めではないでしょうか。

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