ばいじんとは?ばいじんの種類や廃棄量統計の現状と処分の課題
Used fire pit with surrounding stones and cinders

ばいじんとは?

「ばいじん」とは、物を燃やしたときに発生するススなどの微細な個体粒子状の物質のことです。大気汚染防止法で定められたばい煙発生施設、ダイオキシン類対策特別措置法で定められた特定の施設や産業廃棄物焼却施設で集じん設備によって集められたものとされています。
同じように物を燃やすことによって発生する産業廃棄物に「燃え殻」がありますが、燃え殻は物を燃やした後に炉底にたまる灰や燃えかすです。
なお、重金属等、ジオキサン、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むばいじんは特定有害産業廃棄物に分類されます。
<参考>【環境省】特別管理廃棄物規制の概要
<参考> 特別管理産業廃棄物排出源別一覧表(ばいじん、燃え殻)

ばいじんの具体例

・電気集じん器捕集ダスト
・集じん器捕集ダスト
・煙道・煙突に付着堆積したスス

ばいじんの廃棄量統計

平成28年度の産業廃棄物の種類別排出量の統計によると、ばいじんの排出量は17,373千トン(全体の4.5%)になっており、前年度の平成27年度のばいじんの排出量17,736千トン(全体の4.5%)と比べると、排出量は減少しています。
また、「産業廃棄物の種類別再生利用率、中間処理による減量化率及び最終処分率」の統計によると、ばいじんの処理の比率は再生利用量73%、減量化量16%、最終処分量計10%という結果になっており、全体と比較しても最終処分される比率が若干高くなっています。

<参考>産業廃棄物の排出及び処理状況等(平成28年度実績)について

ばいじんの処理方法

ばいじんの多くは、フレキシブルコンテナなどの容器に収納した状態で管理型最終処分場で埋め立て処分されることが多いです。ただし、重金属などが含まれた廃棄物を焼却し、重金属が含まれたばいじんが発生した時は、そのまま管理型最終処分場に埋め立てることはできません。重金属が含まれたばいじんをそのまま最終処分する場合は遮断型最終処分場で処分をすることになります。しかし、遮断型最終処分場は数が少なく、かつ埋め立てられる容量も少なくないため、何らかの安定化処理を行う必要があります。

ばいじんの安定化処理方法

ばいじんの安定化の方法として、コンクリート固化や溶融処理の手法があります。

コンクリート固化

コンクリート固化によって、有害物質をコンクリート内部に封じ込めることができます。また、ばいじんの飛散を防止する効果もあります。しかし、コンクリート固化を行うと廃棄物の容量が増大する欠点があります。

キレート剤による固化

コンクリート固化と同じように、ばいじんの飛散防止や有害物質を封じ込めるため、キレート剤を用いて固化する手法もあります。固化処理後に有害物質の溶出試験を行い、試験に合格した固化物は管理型最終処分場に埋め立てられます。

溶融

溶融はコンクリート固化とは異なり、廃棄物の大幅な減容を行うことが可能です。さらに、溶融後に残るスラグを土木資材や建設資材などに再利用が可能なので、リサイクルとしてのメリットは大きいです。

ばいじんのリサイクル方法

溶融処理を経てスラグ化し、建設資材としてリサイクルする方法や、中間処理を行ってリサイクル改良土などに再資源化する方法があります。リサイクル改良土への再資源化の工程は、まず収集したばいじんを専用サイロに投入し、特殊固化剤や水などを混合し、造粒固化処理を行います。造粒固化後、養生し、リサイクル埋め戻し材として再資源化し、盛土材・埋戻材・路床材等に活用されます。

まとめ

ばいじんとは、物を燃やしたときに発生するススなどの微細な個体粒子状の物質のことで、ばい煙のひとつに該当します。ばい煙に関連する大気汚染防止法では、ばいじんを排出する26種類の施設からのばいじんの排出を燃料の種類、施設の大きさに応じて規制しています。(似た単語で粉じんがありますが、これは燃焼以外から発生する固体粒子として区別されています。)
同法のばい煙発生施設、または産業廃棄物焼却施設の集じん施設によって集められたばいじんは、産業廃棄物のひとつとして廃棄物処理法に基づき処理する必要があります。処理に迷ったり、リサイクルを検討する場合は管轄の自治体や専門業者に相談しましょう。

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