建設発生土とは?建設残土・汚泥との違い、処分の現状、処分方法の解説

コラム

建設現場では、採掘や切土によって土砂が発生します。これらは建設発生土・建設残土・汚泥として処理されますが、それぞれの違いについてよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。建設発生土などの違いを知ることは、産業廃棄物処理法や資源有効利用促進法を遵守する上で欠かせません。

この記事では、建設発生土の概要から建設残土・汚泥との違い、処分の現状、種類を解説するとともに、処分方法や処分の際の注意点を解説します。

建設発生土とは

建設発生土とは、建築工事や解体工事により発生する自然由来のものであり、がれき類などの産業廃棄物が含まれていない土砂を指します。建設発生土は産業廃棄物処理法において「建設副産物」として扱われ、「資源の有効な利用の促進に関する法律」に基づき、再生資源としての利用が求められます。

建設発生土は産業廃棄物?

前述のとおり、産業廃棄物処理法においては、建設発生土は産業廃棄物ではなく建設副産物です。産業廃棄物が含まれていないものが建設発生土であり、含まれている場合は該当しません。

建設残土とは

建設残土は産業廃棄物として処理が必要な土や汚泥が含まれ、建設発生土も含む工事で発生する土砂全般を表します。資源有効利用促進法では、建設残土を建設発生土と廃棄物に分別し、リサイクルを促進するとともに廃棄物処理法に基づいて適切に処理するよう定められています。

建設発生土と汚泥の違い

汚泥とは工事の過程で発生する泥上の物質です。建設発生土とは異なり、汚泥は産業廃棄物として適切に処理することが求められます。汚泥は大別すると「有機性汚泥」と「無機性汚泥」に分けられます。主に食品工場や下水処理場などで発生するものが有機性汚泥、金属工場や土木工事現場などで発生するものが無機性汚泥です。

建設発生土処分の現状

2024年1月現在、建設発生土の処分の現状については国土交通省が公表している「平成30粘度建設副産物実態調査結果」の情報が最新です。この情報を元に、発生利用や利用方法、有効利用率を紹介します。

発生量

建設発生土の発生量や搬出状況は次の通りです。平成20年度と比べると、平成30年度は現場内利用量が増えていることがわかります。このことから、現場内での再利用が促進されているといえるでしょう。

建設発生土発生量 平成20年度 平成30年度
21,336万立方メートル 28,998万立方メートル
場外搬出量 14,063万立方メートル 13,263万立方メートル
現場内利用量 7,273万立方メートル 15,735万立方メートル

利用方法

平成30年度に発生した建設発生土のうち、場外に搬出されたものは次のようなものに利用されています。(平成30年度建設発生土場外搬出量:13,263万立方メートル)

利用内容 利用量 割合
工事間利用(内陸部工事、海面事業等) 3,484万立方メートル 26%
土質改良プラント 383万立方メートル 3%
準有効利用(砂利採取跡地等復旧事業、工事予定地など) 3,523万立方メートル 27%

場外搬出量の44%は「内陸受入地(土捨場、残土処分場)」へと運ばれています。

有効利用率

有効利用率は年々上昇傾向にあり、平成20年度と比べると向上していることが分かります。

年度 有効利用率 内地受入地への搬入量
平成20年度 71.7% 6,042万立方メートル
平成30年度 79.8% 5,873万立方メートル

建設発生土の種類

建設発生土にはいくつか種類が存在します。建設副産物の区分と併せて、建設発生土の区分を見ていきましょう。

建設副産物の区分

建設発生土は建築副産物の一部です。建設副産物は建設工事に伴い副次的に得られたすべての物品であり、建設廃棄物も含んでいます。建設廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分けられ、産業廃棄物は産業廃棄物処理法に基づき適切に処理しなければなりません。

一方、建設発生土は廃棄物ではないため産業廃棄物処理法には該当しません。ただし、そのまま原材料となるものであり、資源有効利用促進法においてリサイクルを促進することが求められます。

建設発生土の区分

建設発生土は「コーン指数(kN/m2)」に基づき、粒度組成や強度によって分類されます。コーン指数とは、コーンペネトロメーターと呼ばれる試験機器によって算出される指標であり、発生土の強度特性を表す指標です。

分類 コーン指標 特徴
1種建設発生土 砂や礫など
2種建設発生土 800以上 砂・礫を多く含む砂質土・礫質土など
3種建設発生土 400以上 通常の施工性が担保できる粘性土など
4種建設発生土 200以上 粘性土など
泥土(建設汚泥) 200未満 泥上の土(産業廃棄物に該当)

建設発生土の処分方法と流れ

建設発生土は、資源有効利用促進法に基づき再生資源として利用することが求められます。ここでは、建設発生土の処分方法とその流れについて解説します。

再利用

資源有効利用促進法では、建設発生土を含む副産物について次のように定められています。

「事業者または建設工事の発注者は、その建設工事に係る副産物の全部もしくは一部を再生資源として利用することを促進するよう努めなければならない」

建設発生土の発生量を抑制した上で、現場内での再利用を促進し、難しい場合は現場外での再利用を検討する、ということが基本的な再利用の流れです。

再生資源利用促進計画および再生資源利用計画を作成

一定規模以上の建設資材を搬入する建設工事を施工する場合には、あらかじめ再生資源利用計画を作成する必要があります。また、一定規模以上の指定副産物を搬出する建設工事を施工する場合には、予め再生資源利用促進計画を作成しなければなりません。

再生資源利用計画書(実施書) 再生資源利用促進計画書(実施書)
次のいずれか1つでも満たす建設資材を搬入する建設工事

1.    土砂:500立方メートル以上

2.    砕石:500トン以上

3.    加熱アスファルト混合物:200トン以上

次のいずれか1つでも満たす指定副産物を搬出する建設工事

1.    土砂:500立方メートル以上

2.    次の指定副産物の合計が200トン以上

(ア)  コンクリート塊

(イ)  アスファルト・コンクリート塊

(ウ)  建設発生木材

加えて、計画書は工事の完成後に実施状況を記録し、5年間保存することが義務付けられています。

参考再生資源利用[促進]計画書(実施書)作成の手引(東京都建設副産物対策協議会事務局)

建設発生土の搬出先の明確化

2021年に静岡県熱海市で発生した土石流災害は、危険な盛り土が造られることを行政が止められず、盛り土が崩落したことが原因で発生しました。この災害を受け、国土交通省などは危険な盛り土造成などを規制するための制度として「宅地造成及び特定盛り土等規制法」を施行しました。

建設発生土について、すべての公共工事発注者に指定利用等の原則実施が要請され、契約締結児における適切な処理費用の負担なども発注者に要請されています。工事の元請業者は各契約の特記仕様書において、建設発生土の搬出先の指定を行うことが義務付けられています。また、20246月からは、ストックヤードに搬出した場合でも最終搬出先まで確認を行うことが義務付けられることとなりました。

建設発生土を処分する際の注意点

建設発生土は再生可能資源でありリサイクルが求められますが、建設残土との違いを明確にして適切に処分することが重要です。廃棄物が含まれている場合、産業廃棄物処理法に基づいて適切に処分しなければならず、しっかりと分類を行い対応しましょう。

また、内地受入地に運ばれる建設発生土のなかには、災害や崩落事案などの問題が発生する要因となるものも存在します。前述の2021年に発生した土石流災害は最たるものですが、それ以外にも建設発生土の崩落事案が発生しています。建設発生土の崩落は、地域住民への多大な被害をもたらすとともに、工事の関連企業は営業停止などの処分を受けるため多方面に多大な影響を及ぼしかねません。

前述の建設発生土の搬出先の明確化にもある通り、工事に関係するさまざまな法規をしっかりと確認し、準拠した上で適切に処分・処理することを心がけましょう。

まとめ

建設発生土は、建設工事や解体工事より発生する産業廃棄物が含まれていない土砂です。再生資源としての利用が求められており、年々その有効利用率は向上しています。建設残土や建設汚泥と混同してしまいがちですが、関係法規で細かく分けられており、その対応方法も異なります。

この記事で解説した内容を参考にしながら、建設発生土をはじめとする建設副産物は適切に処理するようにしましょう。

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