建設リサイクル法の対象工事・資材や規模とは?注意点と併せて解説

建設工事や解体工事の際には建設リサイクル法に則り、資材を適切に取り扱う必要があります。あらゆる業界において、世界共通のSDGs(持続可能な開発目標)の遵守が求められるなか、建設業界に置いては建設リサイクル法の存在は欠かせません。

この記事では、建設リサイクル法における対象の工事や資材、規模について簡潔に解説し、対象となった場合の注意点まで解説していきます。

建設リサイクル法とは

建設リサイクル法とは、建設工事によって発生する廃棄物の削減と資源の有効活用を促進することを目的とした法律です。2002年から施行されており、建設工事や解体工事において遵守すべきルールが定められています。建設リサイクル法に違反すると、罰金刑や懲役刑に科される可能性があるため、建設工事・解体工事に携わる際にはしっかりと内容を確認しておくことが重要です。

より詳しくは、こちらの記事で解説しているため、併せてご覧ください。

建設リサイクル法の対象工事・資材や規模

建設リサイクル法の対象となる工事は、資材や規模によって異なります。対象となる工事は「特定建設資材使われている構造物」かつ「特定の規模以上」が条件です。対象工事の発注者および自主施工者は、工事に着手する7日前までに都道府県知事への提出が義務付けられています。

対象工事

対象資材

対象資材は次の特定建設資材が使われている構造物です。

  • コンクリート
  • コンクリートと鉄から成る建設資材
  • 木材
  • アスファルト・コンクリート

これらの資材が使われている構造物であり、次の対象規模に該当する場合には対象工事となります。

対象規模

対象規模は工事の種類によっても基準が異なります。ここでは、それぞれの工事の種類と規模の基準を簡単にまとめて紹介します。

工事の種類 規模の基準
建築物の解体工事 床面積の合計80平方メートル以上
建築物の新築・増築工事 床面積の合計500平方メートル以上
リフォームなどの修繕・模様替え等工事 床面積の合計1億円以上
建築物以外の工作物の工事 請負代金の額が500万円以上

工作物の工事には、解体工事や宅地造成・擁壁工事、土木工事などが含まれます。

対象外となる資材

建設リサイクル法で対象となるものは建設資材であり、建設資材は「土木建築に関する工事に使用する資材」と定義されています。そのため、次のようなものは建設資材ではなく、建設リサイクル法の対象外となります。

  • 伐採木
  • 伐根材
  • 剪定枝
  • 木材の梱包材

ただし、剪定枝は一般廃棄物、その他は産業廃棄物に該当するため、廃棄物処理法に則って適切に処理しなければなりません。廃棄物処理法に関しては、こちらの記事で解説しているため併せてご覧ください。

建設リサイクル法で対象になった際の注意点

建設リサイクル法で対象となる工事を実施する場合には、次に挙げる点に注意しましょう。

  • 各事業者の義務を把握する
  • 事前申請が必須(7日前)
  • 違反時の罰則がある

建設リサイクル法では、発注者・受注者・自主施工者で義務付けられていることが存在します。

事業者 義務事項
発注者
  • 都道府県知事への事前届出(民間工事の場合)
  • 事前届出の代わりの事前通知(公共工事の場合)
  • 請負契約書面への必要事項の記載
受注者(元請け)
  • 発注者への届出事項についての書面による説明
  • 再資源化完了についての発注者への書面による報告
  • 再資源化などの実施状況に関する記録の作成と保管
受注者(下請け)
  • 下請負人に対する届出事項の告知
  • 請負契約書面への必要事項の記載
  • 建設業許可を持っていない場合、解体工事業者の登録
  • 分別解体、再資源化等の実施
自主施工者
  • 都道府県知事への事前届出
  • 分別解体、再資源化等の実施

都道府県知事への事前届出は、前述の通り工事に着手する7日前までに届出書を提出しなければなりません。その際に提出する届出書は「対象建設工事用の届出書」や「分別解体等の計画等」などです。また、これらの義務事項を適切に行わなかった場合、20万円~50万円以下の罰金、または1年以下の懲役に科される可能性があります。

建設工事・解体工事の際には、はじめに建設リサイクル法の対象となる工事かチェックし、対象となる場合には各事業者の義務をしっかりと果たせるよう、内容を確認して対応を進めなければなりません。

まとめ

建設リサイクル法は、建設工事や解体工事において遵守すべきルールが定められた法律です。建設リサイクル法の対象となる工事は「特定建設資材が使われている構造物」かつ「特定の規模以上」が条件となっています。

対象となった場合、事業者ごとに果たすべき義務が定められているため、しっかりと内容を確認して対応することが重要です。まずは、この記事の内容を参考にチェックし、より詳しくは各都道府県・自治体のWebサイトなどから情報を集めましょう。

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