建設副産物とは、建設工事にともない副次的に得られたすべての物品です。その種類としては、建設発生土や建設廃棄物などが挙げられますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。この記事では、建設副産物の種類における違いの解説と併せて、建設物の種類の一覧化します。
建設副産物種類
建設副産物には再生可能なものや廃棄物が内包されています。大別すると「建設発生土等」と「建設廃棄物」に分けられ、建設廃棄物のなかにもいくつかの種類が存在します。
建設発生土等
建設発生土とは「港湾、河川等の浚渫に伴って生じる土砂、その他これに類するもの」または「土砂及びもっぱら土地造成の目的と成る土砂に準ずるもの」です。その他には「スクラップ等他人に有償で売却できるもの」として有価物も建設発生土等の分類に含まれます。
建設廃棄物
建設廃棄物とは、建設現場で発生する廃棄物の総称です。大きく次の3種類に分けられます。
一般廃棄物
現場事務所での作業、作業員の飲食等に伴う廃棄物は事務所ごみとして、一般廃棄物に分類されます。一般廃棄物における処理責任の所在は市区町村にあります。
産業廃棄物
産業廃棄物は「産業廃棄物処理法」で定義された20種類の廃棄物のことであり、一般廃棄物とは異なり処理背金の所在は排出事業者にあります。産業廃棄物の処理に関しては法律で定められており、適切に処理することが義務付けられています。
特別管理産業廃棄物
産業廃棄物のなかでも「揮発性・毒性・感染性のあるもの」は特別管理産業廃棄物として、より厳しい管理・処分の方法が定められています。通常の産業廃棄物と同様に一般的な再生利用が困難であり、適切に処理しなければなりません。
建設副産物一覧
建設副産物の種類を一覧表で解説します。
建設副産物 | 建設発生土等 | 建設発生土 | ||
有価物 | ||||
建設廃棄物 | 一般廃棄物 | 事務所ごみ | ||
産業廃棄物 | がれき | 汚泥 | ||
ガラスくず及び陶磁器くず | 鉱さい | |||
廃プラスチック類 | 燃え殻 | |||
金属くず | ばいじん | |||
ゴムくず | 動物系固形不要物 | |||
木くず | 動物系残さ | |||
紙くず | 動物の糞尿 | |||
繊維くず | 動物の死体 | |||
廃油 | コンクリート固形物などの産業廃棄物を処分するために処理したもの | |||
特別管理産業廃棄物 | 廃石綿等 | |||
廃PCB等 | ||||
廃酸(pH2.0以下) | ||||
廃アルカリ(pH12.5以上) | ||||
引火性廃油(引火点70℃以下) |
それぞれに該当する具体例としては、次のようなものが挙げられます。
建設発生土等 | 建設発生土 | ・港湾、河川等の浚渫に伴って生じる土砂、その他これに類するもの
・土砂及びもっぱら土地造成の目的と成る土砂に準ずるもの |
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有価物 | スクラップ等他人に有償で売却できるもの | ||
一般廃棄物 | 事務所ごみ | 図面、雑誌、飲料空缶、生ゴミなど | |
産業廃棄物 | 安定型処分場で処分できるもの | がれき | コンクリートがら、アスファルト・コンクリートがら、その他がれき類 |
ガラスくず及び陶磁器くず | ガラスくず、タイル衛生陶磁器くず、耐火レンガくず | ||
廃プラスチック類 | 発泡スチロール等梱包材、配ビニール、廃タイヤ、ハイシート類など | ||
金属くず | 鉄骨鉄筋くず、金属加工くず、足場パイプや保安塀くず、廃管類 | ||
ゴムくず | 天然ゴムくず | ||
安定型処分場で処分できないもの | 汚泥 | 掘削工事から生じる泥上の掘削物及び泥水のもののうち、廃棄物処理法に規定する産業廃棄物として取り扱われるもの | |
ガラスくず及び陶磁器くず、がれき類 | 廃石膏ボード、有機性のものが付着・混入した廃容器・包装 | ||
廃プラスチック類 | 有機性のものが付着・混入した廃容器・包装 | ||
金属くず | 有機性のものが付着・混入した廃容器・包装・鉛管・鉛板・廃プリント配線板・鉛蓄電池の電極 | ||
木くず | 解体木くず、新築木くず、足場材等、伐採材など | ||
紙くず | 包装材、ダンボール、壁紙くず、商事 | ||
繊維くず | 廃ウェス、縄、ロープ類、畳、じゅうたん | ||
廃油 | アスファルト乳剤等の使用残さ、防水アスファルト、重油 | ||
特別管理産業廃棄物 | 廃石綿等 | 飛散性アスベスト廃棄物 | |
廃PCB等 | PCBを含有したトランス・コンデンサ・蛍光灯安定器 | ||
廃酸 | 硫酸など | ||
廃アルカリ | 六価クロム含有臭化リチウムなど | ||
引火性廃油 | 揮発油類、灯油類、軽油類 |
まとめ
建設工事ではさまざまな建設副産物が発生しますが、その種類は多種多様です。建設副産物の種類によっては、法律で適切に処理することが定められているものもあり、取り扱いには注意しなければなりません。
建設副産物の処理方法については、国土交通省が「建設副産物適正書類推進要綱」を公開しているため、これらを参考に適切に対応しましょう。