廃棄物処理法(廃掃法)とは?おさえておくべきルール・罰則と注意点

コラム

産業廃棄物の処理は法律で細かく定められており、規定に違反すると罰則を受ける可能性があります。このような産業廃棄物の処理の規定・罰則などをまとめたものが「廃棄物処理法(廃掃法)」です。産業廃棄物はさまざまな企業で排出される可能性があり、しっかりと処理のためのルールを理解しておく必要があります。

ここでは、廃棄物処理法の概要や目的、保管・運搬処分等に関するルールについて解説します。併せて、違反時の罰則や注意点も解説するため、廃棄物処理法の知識を深めていきましょう。

廃棄物処理法(廃掃法)とは

廃棄物処理法(廃掃法)とは、廃棄物全般の処理・保管・運搬・処分などに関するルールを定めた法律です。正式には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」となります。廃棄物のなかでも、特に「産業廃棄物」は細かくルールが定められており、違反すると罰則を受ける可能性があるため注意が必要です。

廃棄物を排出する事業者(廃棄物排出事業者)は、この法律に基づき適正に廃棄物の処理・処分をする必要があります。

そもそも廃棄物とは

廃棄物とは不要になったもののことであり「ゴミ」と同義です。廃棄物処理法のなかでは、廃棄物の種類は大きく「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分けられます。産業廃棄物は事業活動で生じる廃棄物のうち、廃棄物処理法で定義された20種類の廃棄物が該当します。例えば、「燃え殻」や「汚泥」「廃油」「金属くず」「家畜の糞尿」などが挙げられるでしょう。対して、一般廃棄物は産業廃棄物以外の廃棄物です。

廃棄物処理法の目的

廃棄物処理法は「廃棄物の排出抑制と処理の適正化により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ること」を目的としています。廃棄物処理法の前身となる「清掃法」が1952年に施行され、清掃法を全面的に改正する形で1970年に施行されました。当時は高度経済成長により大量生産・大量消費が進んで廃棄物の排出量も増え、不法投棄や大気汚染・公害などの環境問題がありました。そのような問題を解決するために施行され、現代でも都度改正が行われています。

産業廃棄物の保管・運搬処分等に関するルール

ここからは、廃棄物処理法における産業廃棄物の保管・運搬処分等に関するルールを簡単に紹介します。より詳しく法律を知りたい方は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(e-GOV)」をご確認ください。

事業者は産業廃棄物を自ら処理する

事業者が排出する産業廃棄物は、自ら処分しなければなりません。しかし、これは必ずしも自社で焼却などの処分を行なわなければいけない、というわけではなく、「事業者の責任で委託などによって処分を行う」という意味です。もちろん、廃棄物処理法で定められた基準を満たす焼却施設などを準備できる場合は、自社で処分しても問題ありません。

産業廃棄物処理基準・産業廃棄物保管基準

事業者は自ら産業廃棄物を運搬・処分する場合には、「産業廃棄物処理基準」に従う必要があります。産業廃棄物のなかでも、爆発性・毒性・感染性などがある「特別管理産業廃棄物」の場合は、より厳しい「特別管理産業廃棄物処理基準」に従わなければなりません。

また、産業廃棄物が運搬されるまでの間は「産業廃棄物保管基準」に従い、生活環境の安全上支障のないように保管する必要があります。これも同様に特別管理産業廃棄物では別の「特別管理産業廃棄物保管基準」に従います。

産業廃棄物を自ら保管する場合の届け出義務

産業廃棄物を事業場以外の場所に保管する場合には、各都道府県に届け出る必要があります。例えば東京都の場合、一部例外はありますが300平方メートル以上の保管場所で保管する場合に届出対象となります。届出書には保管場所としての使用開始年月日や排出事業者の氏名・住所、産業廃棄物の種類、保管できる廃棄物量の上限、処理計画や保管の方法などの記載が必要です。

産業廃棄物の運搬・処分を委託する際のルール

産業廃棄物収集運搬業者・産業廃棄物処分業者に委託

収集運搬業者・処分業者ともに各都道府県知事(政令市長)の許可を得ていなければなりません。委託する際には、はじめに許可を受けた業者であるかを確認します。また、これらの許可は産業廃棄物の種類ごとに与えられるため、排出する産業廃棄物の種類と照らし合わせて問題ないかも確認しましょう。

処理状況を確認

排出事業者が産業廃棄物の収集・運搬・処分を委託する場合には、廃棄物の発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の工程における処理が適正に行われるために、処理状況を確認しなければなりません。

マニフェストの交付義務

処理状況を適切に管理するために、マニフェスト(産業廃棄物管理表)を交付する義務があります。マニフェストは紙・電子データのどちらでも構いませんが、写しを5年間保管しなければなりません。また、交付したマニフェストについては、事業所の所在地を管轄する都道府県知事に報告する義務を負います。

電子マニフェストが義務付けられる場合

前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く)の発生量が50トン以上の事業場から、処理を委託する場合には電子マニフェストの使用が義務付けられます。

産業廃棄物処理計画の提出・報告の義務

前年度の産業廃棄物の排出量が1,000トン以上、または前年度の特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業者は「多量排出事業者」になります。多量排出事業者は、当該年度の630日までに各都道府県知事に「産業廃棄物処理計画」を提出する義務を負います。また、産業廃棄物処理計画の実施状況を、翌年度の630日までに報告書を作成して提出しなければなりません。

産業廃棄物を輸入・輸出する際のルール

産業廃棄物を輸入しようとする事業者は、環境大臣の許可を受けなければなりません。また、輸出する場合は処理基準への適合性などについて、環境大臣の確認を受ける必要があります。

廃棄物処理法を守らないと受ける罰則

廃棄物処理法に違反した場合は最大で「5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人の場合は3億円以下の罰金)もしくはその両方」の罰則を受ける可能性があります。違反行為は細かく分かれていますが、大まかに次のようになっています。

  • 廃棄物の不法投棄:5年以下の懲役または1,000万円(法人3億円)以下の罰金もしくは両方
  • マニフェストの不交付、虚偽など:1年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 契約書を作成せず処理:3年以下の懲役または300万円以下の罰金もしくは両方
  • 無許可業者へ委託処理:5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金もしくは両方

など

違反しないためにもどのような罰則があるのかを理解した上で、確認を怠らないよう適切に処理を行いましょう。

廃棄物処理法(廃掃法)の注意点

廃棄物処理法のなかでも、特に注意すべき点を簡単にまとめます。

産業廃棄物と特別管理産業廃棄物は基準が違う

産業廃棄物と特別管理産業廃棄物では、遵守すべき基準が異なります。それぞれに基準が設けられているため、排出する廃棄物がどちらに該当するのかを明確にした上で、適切に対応しましょう。

  • 産業廃棄物:廃棄物処理法で定義された20種類の廃棄物
  • 特別管理産業廃棄物:爆発性・毒性・感染性その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずる恐れがある性状を有する廃棄物

処理・保管・運搬・処分は基準が違う

産業廃棄物の処理・保管・運搬・処分についても、それぞれ基準が異なります。また、前述のとおり特別管理産業廃棄物の場合も異なるため、廃棄物処理法の内容をしっかりと確認して遵守しましょう。

委託先の選定は慎重に

前述のとおり、収集運搬・処分を委託する場合には、各都道府県知事の許可を受けた事業者かしっかりと確認しましょう。罰則にもあるとおり、無許可業者へ委託した場合には排出事業者にも責任が問われます。

多量排出事業者の義務に注意

前年度の産業廃棄物の排出量が1,000トン以上、または前年度の特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業者は「多量排出事業者」です。多量排出事業者は電子マニフェストの使用義務や産業廃棄物処理計画の提出・報告義務があるため、自社が該当しないか事前に確認しておきましょう。

まとめ

廃棄物処理法(廃掃法)は正式には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」であり、廃棄物全般の処理・保管・運搬・処分などに関するルールを定めた法律です。廃棄物処理法によって定義された20種類の廃棄物は「産業廃棄物」となり、収集・運搬から処分までには細かい規定が定められており、排出事業者は遵守する必要があります。

廃棄物処理法に違反すると罰則を受ける可能性もあるため、産業廃棄物を排出する際にはしっかりと内容を確認し、適正に処理を行いましょう。

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