廃棄物固形燃料化とは?RDF、RPFについて解説!

廃棄物固形燃料、RDF・RPFそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。

廃棄物固形燃料化とは

廃棄物固形燃料化とは、廃棄物からRDFやRPFなどの固形燃料を製造する技術のことをいいます。

廃棄物固形燃料は、専用の装置で燃やされて、乾燥や暖房、発電などの用途に使われます。

RDF

RDF(Refuse Derived Fuel)は、家庭から排出される生ごみ、紙、プラスチックごみなどの自治体が収集した一般廃棄物を加熱・粉砕・乾燥させ、クレヨン状に固めた燃料をいいます。

ゴミを直接焼却するよりも高温・均質な燃焼を確保しやすいこと、家庭ごみをエネルギー的に有効活用するために、1990年代後半から全国に広がりました。
しかし、火災爆発事故、異常が発生することが多く、大量のRDFを長期間積み上げて保管すると、発熱・発火することが判明しました。
そのため、2004年消防庁はRDFを石炭などと同等の指定可燃物に指定し、環境省も製造や保管施設に安全上の基準を示しています。

環境省「一般廃棄物処理実態調査結果」によると、令和2年度の調査結果では
ごみ燃料化のために自治体が設置した施設は全国に62施設、1日あたり約3967トンの処理能力となっています。
参照環境省

RDFのメリット

  • 広域から収集可能で輸送しやすい。
  • 乾燥・固型化しているので、保存性と運搬性は高い。
  • 発電の燃料に利用できる。

RDFのデメリット

  • 塩素分・重金属など不純物が多い、生ごみ等の混入水分が多いなど、品質が安定しない。
  • 熱量が3,000~4,000kcal/kgと石炭の約半分しかない。
  • 燃やし方次第では、ダイオキシンが発生することもある。

RPF

RPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel)は、マテリアルリサイクルが困難な古紙や廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料をいいます。

参照一般社団法人日本RPF工業会

ボイラー用燃料、高炉吹込燃料、RPF発電設備などの用途で使用されています。

一般廃棄物から作る固形燃料のRDFと違い、原料となる廃棄物の内容物が明らかにされているため不純物が少なく、発熱量のコントロールができるようになり、ダイオキシン発生の原因になるPVCを除外することもできます。
そのため、ごみ固形燃料の主流は品質優位性でRDFからRPFに移行しています。

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RPFのメリット

  • 原料となる廃棄物が限定されているため、不純物混入や水分含有が少なく、品質が安定しやすい。
  • 古紙と廃プラスチック類の混合比率を変更することで、熱量を調整可能(6,000~10,000kcal/kg)
  • 石炭とくらべ価格は1/4~1/3程度。灰化率は1/3以下。

RPFのデメリット

  • 汚れがひどいといった質の低いプラスチックはRPF化に向かない。
  • 塩素系プラスチックを燃焼させると、ダイオキシンや塩素系ガスが発生することもある。

まとめ

廃棄物固形燃料化、RDF・RPFについてメリットやデメリットをまとめました。

RDFやRPFは、石炭や重油など化石燃料の代替燃料をして使用されています。
廃棄物の再資源化などが注目される昨今で、特にRPFはCO2の排出量も少なく、新エネルギーとして注目されています。

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