再生利用認定制度とは?制度内容を解説!

廃棄物処理法において、産業廃棄物の処理に係る特例と定められている「再生利用認定制度」について解説します。

再生利用認定制度とは?

再生利用認定制度とは、環境省令で定める廃棄物の再生利用を行う際、

  • 再生利用の内容が、生活環境の保全上支障のないものとして環境省令で定める基準に適合すること
  • 再生利用を行う者が環境省令で定める基準に適合すること
  • 再生利用を行う者が設置する再生利用のための施設が環境省令で定める基準委適合すること

のいずれも満たしている場合、環境大臣が認定を行う制度のことをいいます。

廃棄物処理法第15条4の2に規定されています。

認定を受けると、産業廃棄物または特別管理産業廃棄物処理業の許可を受けずに廃棄物処理を業として行うことができ、かつ、施設設置の許可を受けずに認定に係る廃棄物の処理施設を設置することができます。

再生利用認定制度の対象となる廃棄物

再生利用認定制度の対象となる廃棄物は、再生利用によって生活環境の保全上支障が生じることを防ぐため、廃棄物自体が生活環境の保全上支障を生じさせない蓋然性の高いものに限定して、環境大臣が個別に告示により指定することとなっています。

対象廃棄物

現在環境省告示で指定されている廃棄物は以下の通り。

  • 廃ゴムタイヤ(自動車用)
  • 廃プラスチック類
  • 廃肉骨粉
  • 廃木材
  • 金属を含む廃棄物
  • 汚泥(建設無機汚泥、シリコン含有等)

対象とならない廃棄物

  1. ばいじん、焼却灰等(焼却時に生成されたダイオキシン類や重金属類を含有している可能性が高いため。)
  2. 鉛蓄電池やシュレッダーダスト等バーゼル法上の有害特性を有する廃棄物(廃棄物自体が飛散することや処理の過程で発生する排ガスや排水等によって、生活環境への影響に支障が生じるおそれがあるため。)
  3. 食品残渣や下水汚泥等腐敗性や揮発性を有している廃棄物(廃棄物自体の性状の変化により悪臭や汚水等が発生する可能性が高いため。)

上記1、2のち金属を含み、金属を原材料として使用することができる廃棄物は再生利用認定制度の対象となります。

参照環境省

再生利用認定制度の実務上の注意点

マニフェストの交付

再生利用認定業者に産業廃棄物の処理を委託する場合、マニフェストの交付は義務付けられていません。

再生利用に関する報告

認定を受けたものは、毎年6月30日までに、その年の3月31日以前の1年間における当該認定に係る廃棄物の再生利用に関する報告書を環境大臣に提出しなければなりません。

収集運搬における表示と書面の備付け

認定を受けたものが再生利用に係る収集運搬を行う場合、船舶及び運搬車への表示義務が課されます。
「表示義務」に関するコラムはこちら

廃棄物処理基準の遵守、帳簿の備付け、記載および保存の義務

再生利用認定制度の認定を受けていても、通常の廃棄物処理業者と同様に廃棄物処理基準の遵守、帳簿の備付け、記載および保存の義務が求められます。
「廃棄物処理基準」に関するコラムはこちら

「帳簿」に関するコラムはこちら

都道府県知事又は市町村長による報告徴収、改善命令等

認定を受けたものは一般(産業)廃棄物処理業者と同様に、報告徴収および改善命令の対象となります。

まとめ

再生利用認定制度について解説しました。
環境大臣による許可を受けることで、産業廃棄物処理業及び処理施設設置の許可は不要、マニフェストの発行が免除されます。
しかし、産業廃棄物処理基準または特別管理産業廃棄物処理基準、契約書の締結、帳簿の記載や保存義務等の規制は適用されるので注意が必要です。

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