令和2年度の不法投棄の状況、不法投棄に関する罰則についてまとめました。
目次
【令和2年度】産業廃棄物の不法投棄等の状況
2022年(令和4年)1月、環境省より「令和2年度の産業廃棄物の不法投棄および不適正処理の状況」について公表されました。
環境省では毎年度、全国の都道府県や政令市の協力のもと、産業廃棄物の不法投棄および不適正処理事案について、新たに判明した事案および年度末時点の事案の残存量などを調査し、公表しています。
調査結果の概要
令和2年度にあたらに判明した不法投棄および不適正処理事案
不法投棄件数 | 139件 (前年度比-12件) |
不法投棄量 | 5.1万トン (前年度比-2.5万トン) |
不適正処理件数 | 182件 (前年度比+42件) |
不適正処理量 | 8.6万トン (前年度比+3.0万トン) |
令和2年度末における不法投棄等の残存事案
残存件数 | 2,782件 (前年度比+72件) |
残存量 | 1,567.4万トン (前年度比+4.8万トン) |
参照環境省「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和2年度)について」
不法投棄の状況
不法投棄の件数
不法投棄の新規判明件数は、平成10年代前半のピーク時と比べると大幅に減少しています。
廃棄物の適正処理に向けて、家電、食品、建設など個別物品のリサイクル法の制定、不法投棄の罰則化など不法投棄対策の強化がこれまでの減少につながっていると言えます。
しかし、悪質な不法投棄が新規に発覚するなど、近年は横ばいの数字となり、撲滅にはいたらないのが現状です。
【不法投棄件数及び投棄量(新規判明事案)】
不法投棄廃棄物の種類
不法投棄廃棄物の種類はがれき類、建設混合廃棄物、木くず(建設系)、廃プラスチック類(建設系)、汚泥(建設系)と建設と関連のある廃棄物が上位を占めています。
【不法投棄廃棄物の種類(新規判明事案)】
建設系廃棄物に関連するコラムはこちら
不法投棄実行者の内訳
不法投棄実行者のうち、もっとも件数が多いのは排出事業者で、全体の4割以上を占めています。
【不法投棄実行者の内訳(新規判明事案)】
産業廃棄物の処理業者に関連するコラムはこちら
不法投棄に関する罰則
(投棄禁止)
第十六条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
引用:廃棄物の処理及び清掃に関する法律
この通り、不法投棄は法律で禁止されています。
また、廃棄物処理法では、
- 個人の不法投棄に対しては、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方(第25条)
- 法人の不法投棄に対しては、3億円以下の罰金刑(第32条)
が科されることが規定されています。
まとめ
令和2年度の産業廃棄物の不法投棄等の状況、不法投棄に関する罰則についてまとめました。
不法投棄の撲滅のためには、早期発見による未然防止や拡大防止の取り組みが必要であると環境省は認識しています。
不法投棄を見つけた場合は、自治体に相談または環境省の不法投棄ホットラインに通報をしましょう。
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