今回は、食品ロス削減に向けた企業の取り組みを紹介します。
目次
グリコグループ
江崎グリコをはじめとするグリコグループでは、
- サプライチェーンの効率化や需給予測精度の向上
- 商品の微細な欠けなど、品質に問題がない商品を不揃い品としてアウトレット販売
などにより、2050年までに食品廃棄物を95%削減(2015年度比)することを目指しています。
賞味期限の延長と年月表示化
賞味期限が長い商品は品質劣化のスピードが遅く、日付で表示していた賞味期限を年月表示に切り替えました。
リサイクルへの取り組み
- 工場から排出される食品残渣で育てられた豚を社内の従業員向け食堂の食材として提供
- 食品残渣から作られた肥料を「こどもぴあ保育園」の家庭菜園で使用し、採れた野菜を保育園の昼食で提供
- パン工房を運営する近隣の障がい者支援センターに出荷されなかった粉ミルクを提供し、ミルクパンの原料として活用
- フードバンクへ寄贈
- 工場で発生した食品廃棄物を飼料・たい肥などの原材料として利用、メタン発酵によるガスや発電エネルギー由来の利用
ニッスイグループ
ニッスイグループでは、フードロス部会を中心に
- 国内事業所の生産・流通・消費段階におけるフードロス削減
- 従業員・消費者の意識向上
など、サプライチェーン全体を通した取り組みを行っています。
賞味期限の延長と年月表示化
ニッスイグループでは、フードロス削減に加えて物流における効率化のため、家庭用・業務用の冷凍食品、瓶詰製品、レトルト品など賞味期限の大幅延長に取り組んでいます。
2019年7月1日製造分より、プライベートブランド品を除くすべての缶詰製品において賞味期限の年月表示化となりました。
また、2021年2月15日製造分より、おさかなのソーセージの賞味期限を120日から150日に30日延長しました。
食品の寄贈
2008年度より、支援の必要な人々に食料を提供するNPO法人セカンドハーベスト・ジャパンへ冷凍食品を寄贈しています。
セブン&アイグループ
セブン&アイグループでは環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」の中で、
- 食品リサイクル率を2030年に70%、2050年に100%にする
- 食品廃棄物量を2013年度と比較して2030年に50%削減、2050年に75%削減する
ことを目標としています。
発生抑制の取り組み
コンビニのセブンイレブンでは2020年5月から全国の店舗で食品ロス削減を目的とした「エシカルプロジェクト」を開始しました。
おにぎりやパンなど、販売期限が近付いた対象商品に店頭税抜価格の5%分のnanacoボーナスポイントを付与しています。
また、イトーヨーカドーでは、ばら売り・小分けパックやカット野菜の品ぞろえを導入し、消費者が必要な分だけを購入できるよう商品や販売方法を工夫しています。
再利用の取り組み
イトーヨーカドーでは、2017年度から賞味期限前の商品をフードバンク団体へ寄付しています。
セブンイレブンでは、フードバンク団体への寄付のほかに、2018年度から自治体と地域包括連携協定を締結し、社会福祉協議会への寄付をしています。
モスバーガー
モスバーガーでは、プラスチックごみ削減のほかにも食品ロス削減に向けた取り組みも行っています。
店舗で発生した「調理くず」の一部や「廃食油」を飼料化、たい肥化、工業原料などとしてリサイクルを進めています。
また、社会貢献の一環としてセカンドハーベスト・ジャパンによるフードバンク活動を食品サポーターとして支援しています。
品質には問題がないものの賞味期限が短く、委託倉庫から店頭までの出荷と販売期間を考えると廃棄せざるを得ない食材を活用して、無償で提供しています。
まとめ
食品ロスの発生抑制だけでなく、発生した食品ロスのリサイクル方法などにも取り組んでいる企業が多くありました。
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