記名式ごみ袋とは?家庭ごみの減量効果や問題点も解説!

前回「家庭ごみ処理有料化とは?メリット・デメリットを解説!」では、ゴミ袋を有料化することで家庭ごみの削減に効果があることがわかりました。
今回は、複数の自治体で採用されている「記名式ごみ袋」による家庭ごみの減量効果や問題点について解説します。

「記名式ごみ袋」とは?

「記名式ごみ袋」とは、家庭ごみの適正な排出促進のため、家庭から排出されるごみ袋に氏名を記入することをいいます。

【ごみ袋の記名を義務付けている自治体の一例】

  • 山形県南陽市
  • 千葉県野田市
  • 長野県塩尻市
  • 静岡県磐田市
  • 滋賀県野洲市
  • 島根県浜田市
  • 福岡県うきは市

「記名式ごみ袋」による家庭ごみの減量効果

「記名式ごみ袋」は、排出者を特定しやすくすることで、ゴミ排出に関する意識向上を図ります。

長野県によると、「ごみ処理有料化」や「記名式ごみ袋導入」を行っている市町村は、何も施策を行っていない市町村に比べて、ゴミの排出量が少ないとのデータが出ています。

参照長野県「ごみ排出量のさらなる削減に向けた取組について」

「ごみ処理有料化」は、指定袋等への処理料金等上乗せやシール・チケット販売によるものをいいます。

ごみ処理有料化 記名式ごみ袋導入 市町村数 1人1日あたりの排出量 1人1日あたりの生活系排出量
55市町村 748g 540g
× 5市町村 867g 608g
× 14市町村 915g 560g
× × 3市町村 940g 688g

(平成30年5月1日時点のデータ)

「記名式ごみ袋」の問題点

ごみの分別が不十分であった場合に排出者を特定しやすいといった点で多くの自治体で導入されていますが、一方で問題点もあります。

【記名式ごみ袋の問題点】

  • プライバシーの侵害
  • 個人情報流失の懸念

など。

滋賀県野洲市の「市長へのご意見・ご提案」ページで、ゴミ袋の記名に対するプライバシーに関する質問に対し、以下のように回答しています。

プライバシーは当然重要で尊重されるべきものです。同時にごみの収集と処理における安全確保も重要です。ごみ袋の中にスプレー缶やライター等が入っていたことによるごみ収集車の車両火災や金属類などの処理困難物の混入によるごみ処理施設での機械破損などが発生しています。ごみ処理に携わる作業員の安全にも関わる場合があります。記名は完ぺきとはいきませんが、ごみの適正な排出促進のためのお願いとして行っています。
(略)
なお、犯罪誘発の懸念に関しては、記名が直ちに犯罪を誘発するものではないと考えますが、もし地域に潜在的にそのような危険の可能性があるなら、ごみ袋の問題とは別に、最寄りの交番や警察署にご相談いただきたくとともに、地域での安全確保の取組みも必要であると考えます。

引用滋賀県野洲市「市長へのご意見・ご提案」

見られたくないものをごみとして出す場合、

  • 別の袋に入れて二重にする
  • 不透明なものに包む
  • クリーンセンターに直接持ち込む

など個人で対策が必要です。

まとめ

最近では適正な分別ができていれば、無記名であっても回収する自治体も増えてきているようです。
自治体の指示に従い、ごみの排出者として責任を持ち、ルールを守ってごみを出してもらうことが求められます。

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