今回は建設混合廃棄物の処理方法や処理施設についてまとめます。
建設混合廃棄物とは
建設混合廃棄物とは、建設現場から排出された生活環境保全上の支障の恐れが少ない安定型産業廃棄物とそれ以外の廃棄物が混在している廃棄物のことです。
安定型産業廃棄物とは
安定型産業廃棄物とは、産業廃棄物の中でも安定型最終処分場に埋立処分できる生活環境保全上の支障の恐れが少ない廃棄物のことです。具体的な廃棄物の種類は以下の通りで、安定型産業廃棄物以外の廃棄物が付着していたり混入していない廃棄物になります。
廃プラスチック類 | 自動車の破砕物、廃プリント配線板および廃容器包装であるものを除く |
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ゴムくず、金属くず | 自動車の破砕物、鉛蓄電池の電極、廃プリント配線板、鉛製の管または板や廃容器包装であるものを除く |
ガラスくず及び陶磁器くず | 自動車の破砕物、廃ブラウン管の側面部、廃石膏ボードや廃容器包装であるものを除く |
がれき類 | 工作物の除去によって生じたコンクリートの破片などのがれき類で安定型産業廃棄物以外の廃棄物が付着していないもの |
産業廃棄物の処理施設とは
建設混合廃棄物を処理する施設は、中間処理施設と最終処分場の2つがあります。
様々な廃棄物が混合された建設混合廃棄物は、金属類などのリサイクルできるものを選別したり、可燃物と不燃物の分別などを行い、中間処理施設でそれぞれの廃棄物の種類にあった適正な処理を行い、リサイクルや減量化できないものは最終処分場で処分されます。
中間処理施設とは
中間処理施設とは、埋立処分やリサイクル製品化する前に減量化、減容化、無害化、安定化などの中間処理を行う施設のことです。
減量化 | 紙くず、繊維くず、木くずなどの可燃物の焼却や汚泥の脱水処理で容積を小さくして埋立処分量を減らすこと |
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減容化 | 大きな木くずやコンクリートの塊を破砕して容積を小さくすることで、埋立処分量を減らしたり再資源化すること(再生砕石など) |
無害化 | 自然環境や生活環境に悪影響を与えないような状態にすること |
安定化 | 廃酸や廃アルカリの中和など、物理的または科学的に安定した状態にすること |
最終処分場とは
中間処理施設で再資源化や減量化できなかった廃棄物は、最終的に埋め立て処分や海洋投入処分することになります。ただし、海洋投入処分は海洋汚染への恐れから国際的な取り決めにより規制強化されています。
最終処分場では、廃棄物を原則的に埋め立て処分し、その処分工程においてそれぞれ維持管理基準や構造基準が決められた3つの最終処分場があります。
安定型最終処分場 | がれき類、金属くず、ガラスくず、廃プラスチック類、コンクリート及び陶磁器くずで、安定した性質で生活環境保全上の支障の恐れが少ない安定型産業廃棄物のみを埋め立てる処分場。 |
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管理型最終処分場 | 安定型最終処分場で処分できない放流基準まで浄化処理できる浸出液処理設備などがあり、汚泥や木くずなどを埋め立てる処分場。 |
遮断型最終処分場 | 無害化できず、基準を超えた有害な化学物質や重金属などを含む廃棄物を埋め立てる処分場。 有害物質を含む漏水が漏洩しないように耐水性や耐食性に優れた材料による設備構造が整っており、厳重な遮断対策や漏出管理が行われている。 |
まとめ
今回は建設混合廃棄物を適正に処理する処理施設を中心にご紹介しましたが、それらを正しく処理・処分するためには処理工程前の選別・分別が重要な工程です。
建設現場で大量の廃棄物が排出された場合、建設現場にふるい機(スクリーン機)を投入することにより短時間で選別や粒度調整することが可能になります。現場状況や作業内容に応じたさまざまな種類のふるい機があり、エンジンを動力とした自走式スクリーンは電源やケーブル配線の確保を気にせず現場を自由に走行できるため今後の活躍が期待されます。
従来のふるい機のケーブル設置場所確保などの問題も解決されるなど技術パフォーマンスの向上、レンタル可能なふるい機の登場によりランニングコストの削減が可能になり、これからの建設混合廃棄物の処理にふるい機の活躍の場は広がりを見せています。