化管法SDS制度とは?化管法SDS・化管法ラベルを解説

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化管法)におけるSDS制度について解説します。

化管法SDS制度とは

SDS(Safety Data Sheet : 安全データシート)制度は、指定化学物質やそれらを含有する製品を他の事業者に譲渡・提供する際、その化学物質の性状及び取り扱いに関する情報を事前に提供することを義務付け、ラベルによる表示を努める制度をいいます。

事業者による化学物質の適切な管理の改善を促進するために制度化されました。

労働安全衛生法、毒薬及び劇物取締法においてもSDSやラベルの規定があるため、化管法SDS、化管法ラベルと言われることが多いです。

参照経済産業省「化管法SDS制度」

SDS制度の対象化学物質・対象製品

対象化学物質

SDS制度の対象となる化学物質は、化管法に規定される第一種指定化学物質(462物質)及び第二種指定化学物質(100物質)の計562物質です。

対象製品

SDS制度の対象となる対象製品は、第一種指定化学物質第二種指定化学物質及びそれらを含有する製品です。
ただし、事業者による取り扱いの過程で対象化学物質が環境中に排出される可能性が低いと考えられる製品については、事業者の過度の負担を避ける観点から対象製品から除外することとしています。

例外的にSDSを提供しなくてもよい製品

対象化学物質の含有率が少ないもの

対象化学物質の含有量が1%未満の製品(特定第一種指定化学物質の場合は0.1%未満)の製品。

固形物(粉状や粒状のものを除く)

金属板や管等。

密封された状態で使用する製品

乾電池等。

一般消費者用の製品

家庭用洗剤、殺虫剤等。

再生資源

金属くず、空き缶等。

SDS制度の対象事業者

SDS制度の対象となる事業者は、第一種指定化学物質や第二種指定化学物質及びそれらを含有する製品を他の事業者に対して取り引きをする事業者すべてです。

PRTR制度と違い、業種や従業員数、年間取扱量といった要件はありません。

SDSの提供方法

SDSの提供方法は原則として文書またはフロッピーディスクの交付によるものとされています。
相手事業者の承認が得られている場合は、FAXや電子メールの送信、ホームページへの掲載なども認められています。

SDS記載事項

SDSで提供する情報は、化管法SDS省令で定められています。
また、GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)に対応する国内規格であるJIS Z7253において、項目名の番号、項目名および順序は変更してはならないと規定されています。

  1. 化学品及び会社情報
  2. 危険有害性の要約
  3. 組成及び成分情報
  4. 応急措置
  5. 火災時の措置
  6. 漏出時の措置
  7. 取扱い及び保管上の注意
  8. ばく露防止及び保護措置
  9. 物理的及び化学的性質
  10. 安定性及び反応性
  11. 有害性情報
  12. 環境影響情報
  13. 廃棄上の注意
  14. 輸送上の注意
  15. 適用法令
  16. その他の情報

化管法ラベル

GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)と整合を図るため、化管法SDS情報を提供する際は、ラベル表示による情報提供が努力義務化されています。

提供する情報

化管法ラベルで提供する情報は、化管法SDS省令で定められています。

  1. 指定化学物質の名称/製品名称
  2. 注意喚起語
  3. 絵表示
  4. 危険有害情報
  5. 貯蔵または取扱い上の注意
  6. 会社情報

まとめ

化管法(特定化学物質の環境への排出量への把握及び管理の改善の促進に関する法律)は、主にPRTR制度とSDS制度の二つで成り立っています。
対象事業者や対象化学物質など異なる点もありますが、有害性のある化学物質の事業者による管理の徹底、環境の保全を図ることを目的としています。

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