![産業廃棄物の事業場外保管の届出を解説](https://sanpai-media.com/system/wp-content/uploads/2021/05/kensetsugenba.jpg)
建設工事に伴い生ずる産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を含む)の事業場外保管の事前届出について解説します。
産業廃棄物の事業場外保管の届出
制度概要
2011(平成23)年4月1日から改正施行された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」において、建設工事に伴い生ずる産業廃棄物(特別産業廃棄物を含む)の事業場外における保管(300平方メートル以上の保管場所)についてあらかじめ届け出が必要となりました。
事業者は、その事業活動に伴い産業廃棄物(環境省令で定めるものに限る。次項において同じ。)を生ずる事業場の外において、自ら当該産業廃棄物の保管(環境省令で定めるものに限る。)を行おうとするときは、非常災害のために必要な応急措置として行う場合その他の環境省令で定める場合を除き、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。その届け出た事項を変更しようとするときも、同様とする。
前項の環境省令で定める場合において、その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業場の外において同項に規定する保管を行つた事業者は、当該保管をした日から起算して十四日以内に、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
参照廃棄物の処理及び清掃に関する法律第12条第3項及び第4項
対象となる産業廃棄物
この事前届出の対象となる産業廃棄物は「建設工事に伴い生ずる産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を含む。)」です。
特別管理産業廃棄物については、特別管理産業廃棄物の処理基準を遵守することが求められます。
対象となる保管場所
300平方メートル以上の保管場所で行う保管が対象です。
ただし、
- 排出事業者が産業廃棄物収集運搬業の許可(積替保管を含む。)又は産業廃棄物処分業の許可を受けており、その許可の範囲で行う保管
- 排出事業者が産業廃棄物処理施設の設置許可を受けており、当該施設で行う処分又は再生に伴って行う保管
- 排出事業者がPCB特別措置法第8条の届出を行った場合における、当該届出に係るPCB廃棄物の保管
については、事前届出の対象から除外されます。
罰則適用
事前に届出を行わない場合、「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」の刑事罰が科されます。
非常災害時の応急処置として保管を行うときは、事前に届けることが不可能なため、保管した日から14日以内に届け出を行う必要があります。行われない場合は20万円以下の過料が適用されます。
届出内容
あらかじめ都道府県知事等に届出をする場合、「産業廃棄物事業場外保管届出書」「特別産業廃棄物事業場外保管届出書」の提出が必要です。
「産業廃棄物事業場外保管届出書」「特別産業廃棄物事業場外保管届出書」に記載する事項は以下の通り。
- 保管場所としての使用開始年月日
- 保管を行おうとする排出事業者の氏名又は名称、住所、法人にあってはその代表者の氏名及び連絡先
- 保管を行おうとする場所の所在地、面積
- 保管を行おうとする(特別管理)産業廃棄物の種類
- 保管の方法(屋外・屋内、容器の使用の有無等)
- 当該保管場所において保管することができる(特別管理)産業廃棄物の量の上限
- 屋外で容器を用いずに保管を行おうとする場合にあっては(特別管理)産業廃棄物の高さの上限
- 保管場所が排出事業者の所有する土地でない場合にあっては、保管場所の土地の所有者等
- 氏名又は名称
- 産業廃棄物の処理計画、保管の方法
また、届出書には以下の書類の添付も必要です。
- 保管場所付近の見取図
- 保管場所の構造を明らかにする平面図
- 保管場所の土地の登記事項証明書(保管場所が排出事業者の所有する土地でない場合にあっては、当該土地に係る賃貸借契約書その他の当該土地の使用権原を証する書類の写し)
まとめ
この事前届出は、保管場所をあらかじめ行政が把握し、産業廃棄物が適正に処理されるよう指導する効果があります。
また、自治体独自に定めた保管場所に関する条例などで、100平方メートル以上の事業場外保管場所は届け出が必要、200平方メートル以上の事業所内外の保管場所届け出が必要など決められているので、必ず事前に確認するようにしてください。
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