太陽光パネルの処理手順は?産業廃棄物に該当する事例を解説

産業廃棄物に該当する場合の使用済み太陽光パネルの廃棄処分方法について解説します。

産業廃棄物としての使用済み太陽光パネル

2012年に再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT法)が導入されて以来、太陽光発電が急速に拡大しています。
太陽光パネルの耐用年数は20年~30年程度とされており、2030年ごろから使用済み太陽光パネルの排出量が増える見込みです。
太陽光パネルは鉛、セレン、カドミウムなど有害物質が含まれているので適切な処分が必要です。

産業廃棄物に該当する使用済み太陽光パネル

廃棄物処理法において産業廃棄物に該当する使用済み太陽光パネルの事例として、

  • 太陽電池モジュールメーカー、施工業者、発電事業者、またリ ユース業者が、不良品の使用済太陽電池モジュールを廃棄物と して処理する場合
  • 所有者(発電事業者、住宅所有者)が、解体・撤去業者に、使用していた太陽電池モジュールの解体・撤去を依頼し、廃棄物 として処理する場合

が挙げられます。

使用済み太陽光パネルの適正処理

出典環境省HP「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第二版)

廃棄物処理の前にリユースの可否を検討し、その後、排出事業者は廃棄物処理法に則りパネルを適切に処理しなければなりません。

リユースの可否は中古の太陽光パネルを取り扱う業者に依頼することが一般的です。

使用済み太陽光パネルは、産業廃棄物の品目のうち「金属くず」「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」「廃プラスチック類」の混合物として取り扱われるため、それらの許可品目を持つ収集運搬業者や埋立処分業者に委託が必要です。
さらに、太陽光パネルは電気機械器具に該当するため、使用済み太陽光パネル由来の「金属くず」、「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」、「廃プラスチック類」を埋め立て処分する場合には、管理型最終処分場への埋立が必要となります。

使用済み太陽光パネルと廃棄物処理法

太陽光パネルの処理・処分を行う場合、廃棄物処理法に基づき排出事業者に以下の義務が発生します。

  1. 適切な事業者への処理委託、もしくは排出事業者自らによる処理
  2. 委託契約書及び産業廃棄物管理票において太陽電池モジュールを明記
  3. 廃棄物の適正な処理の方法についての情報提供
  4. 産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付
  5. 産業廃棄物処理の適正な対価の支払い
  6. 産業廃棄物処理の委託状況の確認、埋立処分が終了するまでの必要な措置

廃棄物処理法では、排出事業者が産業廃棄物の処理の委託をする場合には、必要な許可を取得した事業者に委託することが義務付けられています。
また、産業廃棄物の埋立処分は、排出事業者自ら、もしくは排出事業者から委託を受けた埋立処分業者が行い、産業廃棄物処理の規定を遵守することが義務付けられています。

まとめ

まだ使用済み太陽光パネルの排出は本格化していませんが、施工不良や自然災害による破損で年間約4,400トンが排出されています。
そして、排出量がピーク(推定年間約50~80トン)を迎えたとき、産業廃棄物の最終処分量の6%に及ぶとの試算もあり、最終処分場がひっ迫する可能性もあります。

多くの有害物質を含む太陽光パネルを放置や不法投棄、海外への流出することがないように、設置事業者があらかじめ電気を売って得た収入の一部を廃棄費用として積み立てておく、太陽光パネルメーカーなどは産廃事業者に有害物質について情報提供をするなど対策をとる必要がありそうです。
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