多量排出事業者とは?処理計画書と報告書を解説

廃棄物処理法に定められる多量排出事業者について、多量排出事業者に求められる産業廃棄物処理計画書と実施状況報告書について解説します。

多量排出事業者とは

廃棄物処理法で定められる多量排出事業者は、その事業活動に伴い多量の産業廃棄物を生ずる事業場を設置している事業者で、産業廃棄物の前年度の発生量が1,000トン以上または特別管理産業廃棄物の前年度の発生量が50トン以上である事業場を設置している事業者です。
なお、中間処理業者は多量排出事業者には含まれません。
事業者の全体量ではなく、事業場毎の発生量という点に注意が必要です。

参照環境省

産業廃棄物処理計画書と実施状況報告書

多量排出事業者は、処理計画を作成し、これを都道府県知事等に提出するとともに、その計画の実施状況を都道府県知事等に報告しなければなりません。

また、2020年4月1日から特別管理産業廃棄物の多量排出事業者のうち、前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の発生量が50トン以上の事業場を設置する事業者が、当該事業場から生ずる特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の運搬または処分を他人に委託する場合に、電子マニフェストの使用が義務化されています。

産業廃棄物処理計画書

処理計画の都道府県知事等への提出期限は当該年度の6月30日です。

東京都の公表ページ

産業廃棄物処理計画書、特別管理産業廃棄物処理計画書ともに、所定の用紙に以下必要事項を記入して提出します。

  1. 事業場の名称・所在地
  2. 計画期間
  3. 当該事業場において現に行っている事業に関する事項
  4. (特別管理)産業廃棄物の処理に係る管理体制に関する事項
  5. (特別管理)産業廃棄物の排出の抑制に関する事項
  6. (特別管理)産業廃棄物の分別に関する事項
  7. 自ら行う(特別管理)産業廃棄物の再生利用に関する事項
  8. 自ら行う(特別管理)産業廃棄物の中間処理に関する事項
  9. 自ら行う(特別管理)産業廃棄物の埋立処分又は海洋投入処分に関する事項
  10. (特別管理)産業廃棄物の処理の委託に関する事項
  11. 電子情報処理組織の使用に関する事項(特別管理産業廃棄物処理計画書のみ)

産業廃棄物処理計画実施状況報告

多量排出事業者は、作成した処理計画の実施状況について、都道府県知事に報告しなければなりません。
そして、都道府県知事が提出された実施状況報告の内容をインターネットを通じて公表します。

埼玉県の公表ページ

産業廃棄物処理計画実施状況報告、特別管理産業廃棄物処理計画実施状況報告ともに、所定の用紙に以下必要事項を記入し提出します。

  1. 事業場の名称・所在地
  2. 事業の種類
  3. (特別管理)産業廃棄物処理計画における計画期間
  4. (特別管理)産業廃棄物処理計画における目標値
  5. 電子情報処理組織の使用に関する事項(特別管理産業廃棄物処理計画実施状況報告書のみ)
  6. 計画の実施状況

多量排出事業者の処理計画に関する罰則の創設

処理計画を提出せず、もしくは虚偽の記載をしてこれを提出し、またはその実施の状況を報告せず、もしくは虚偽の報告をした場合には、20万円以下の過料が課されます。(法第33条第2号及び第3号)

まとめ

処理計画及びその実施状況の報告の提出は、排出事業者による廃棄物の減量化や適正処理などの取組を促進するためです。
また、令和2年度から特別管理産業廃棄物処理計画書及び実施状況報告書の様式が一部変更されているため、十分に確認の上提出しましょう。
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