世界中で広まっている「ゼロ・ウェイスト運動」
徳島県上勝町の取り組みを解説します。
目次
ゼロ・ウェイスト運動とは
ゼロ・ウェイスト(zero waste)とは「無駄・ごみ・浪費をゼロにする」ことを意味します。
ゼロ・ウェイスト運動はできるだけ廃棄物を減らす、そもそもゴミを生み出さないようにする活動のことをいい、世界中でごみゼロに向けた活動が広まっています。
徳島県上勝町の取り組み
日本でゼロ・ウェイスト運動に取り組んでいる、徳島県上勝町は人口1,500人(2021年3月1日現在)の小さな町です。
徳島県上勝町ゼロ・ウェイスト宣言
2003年、上勝町は自治体として日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言を行いました。
未来の子供たちにきれいな空気やおいしい水、豊かな大地を継承するため、2020年までに上勝町のゴミをゼロにすることを決意し、上勝町ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)を宣言します。
- 地球を汚さない人づくりに努めます!
- ごみの再利用・再資源化を進め、2020年までに焼却・埋め立て処分をなくす最善の努力をします。
- 地球環境をよくするため世界中に多くの仲間をつくります!
平成15年9月19日 徳島県勝浦郡上勝町
2020年、リサイクル率は80%を達成しており、ゼロ・ウェイストの先駆者として、「未来のこどもたちの暮らす環境を自分のこととして考え、行動できる人づくり」を2030年までの重点目標に掲げ、再びゼロ・ウェイストを宣言しました。
- ゼロ・ウェイストで、私たちの暮らしを豊かにします。
- 町でできるあらゆる実験やチャレンジを行い、ごみになるものをゼロにします。
- ゼロ・ウェイストや環境問題について学べる仕組みをつくり、新しい時代のリーダーを輩出します。
令和2年12月18日 徳島県勝浦郡上勝町
【上勝町のゼロ・ウェイスト運動】ゼロ・ウェイストセンター
上勝町ではごみ収集を行っておらず、唯一のごみ収集場(旧ゴミステーション)に自らごみを持ち込み、できる限りの分別、資源化を行っています。
そして、2020年4月旧ごみステーションをリニューアルした「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」がオープンしました。
ゼロ・ウェイストセンターはごみステーションだけでなく、まだ使えるものを無料で持ち込み&持ち帰れるショップ(くるくるショップ)や町外から訪れた人たちがゼロ・ウェイストの理念を学べる施設を併設しています。
【上勝町のゼロ・ウェイスト運動】13種類45分別
上勝町では焼却・埋め立てごみをできる限り減らし、なおかつ処理にお金がかからないよう考えた結果、町民が自らごみステーションに持ち寄って45種類以上に分別します。
1 | まだ使えるもの | 「くるくるショップ」に持ち込み(町民のみ) 持ち帰りは無料、町外の人でも可能 |
2 | 生ごみ | ごみステーションに持ち込みせずに、 自宅でコンポストや電動生ごみ処理機を使って、たい肥化させる |
3 | 金属類 |
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4 | 紙類 |
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5 | 布類 |
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6 | バイオマス類 |
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7 | プラスチック類 |
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8 | びん類 |
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9 | 危ないもの類 |
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10 | 粗大ごみ |
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11 | 燃やさなければならないもの |
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12 | 埋めなければならないもの |
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13 | お金がかかるもの(処理費用を個人負担) |
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まとめ
ゼロ・ウェイストは住民の理解がなければ目標達成しません。
上勝町ではリサイクルだけでなく、リユースにも力を入れていて、よりゴミの発生を抑制しています。
現在は、福岡県大木町、熊本県水俣市、奈良県斑鳩町でもゼロ・ウェイスト宣言をしています。ぜひ全国で広がるゼロ・ウェイスト活動に注目してみてください。
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