使用済みの小型家電製品には貴重な金属資源が利用されています。それらの再資源化を促進するために始まったのが、小型家電のリサイクル回収です。企業の事業活動で使用した小型家電も小型家電リサイクル法の対象になりますが、今回は家庭で使い終えた小型家電製品の回収方法について紹介します。
目次
小型家電リサイクル法とは?
2013年4月からスタートした「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(小型家電リサイクル法)」は、使用済み小型電子機器等に利用されている金属等が、回収されずに廃棄されている状況を踏まえ、これらの再資源化の促進を目的とした法律です。
具体的には、家庭や企業で使えなくなったパソコンや携帯電話等を回収または認定事業者へ引き渡すことで、認定事業者が分解・粉砕、素材の種類ごとに選別し、金属製錬事業者が有害物質の処理を行った上で、貴重な金属資源としてリサイクルします。
参照環境省 1小型家電リサイクル法 ~法律の概要・関係法令~
小型家電リサイクル法の対象品目
家庭で利用する電気機械器具(ケーブルや充電器等の付属品を含む)のうち、以下の28分類が対象品目として定められています。ただし、回収する自治体によって回収可能な品目が限られている場合もあるため、各自治体のルールを確認しましょう。
- 電話機、ファクシミリ装置その他の有線通信機械器具
- 携帯電話端末及びPHS端末
- ラジオ受信機及びテレビジョン受信機
- デジタルカメラ、ビデオカメラ、ディー・ブイ・ディー・レコーダーその他の映像用機械器具
- デジタルオーディオプレーヤー、ステレオセットその他の電気音響機械器具
- パーソナルコンピュータ
- 磁気ディスク装置、光ディスク装置その他の記憶装置
- プリンターその他の印刷装置
- ディスプレイその他の表示装置
- 電子書籍端末
- 電動ミシン
- 電気グラインダー、電気ドリルその他の電動工具
- 電子式卓上計算機その他の事務用電気機械器具
- ヘルスメーターその他の計量用又は測定用の電気機械器具
- 電動式吸入器その他の医療用電気機械器具
- フィルムカメラ
- ジャー炊飯器、電子レンジその他の台所用電気機械器具
- 扇風機、電気除湿機その他の空調用電気機械器具
- 電気アイロン、電気掃除機その他の衣料用又は衛生用の電気機械器具
- 電気こたつ、電気ストーブその他の保温用電気機械器具
- ヘアドライヤー、電気かみそりその他の理容用電気機械器具
- 電気マッサージ器
- ランニングマシンその他の運動用電気機械器具
- 電気芝刈機その他の園芸用電気機械器具
- 蛍光灯器具その他の電気照明器具
- 電子時計及び電気時計
- 電子楽器及び電気楽器
- ゲーム機その他の電子玩具及び電動式玩具
回収できない製品
家庭で使用した家電製品であっても、以下のような製品は対象外になります。
- 太陽光パネル等、特殊な取り外し工事が必要である品目
- 破損しやすく特別な収集運搬を必要とする蛍光管や電球
- 家電製品のうちエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、小型家電リサイクル法ではなく、「特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)」の対象となります
小型家電の回収方法・持ち込む場所とは?
小型家電の回収方法はボックス回収・ステーション回収・ピックアップ回収・イベント回収等があり、近くの回収場所を検索できる「小型家電リサイクル回収ポータルサイト」もあります。ただし、自治体によって、ごみの分別方法や回収方法、回収対象品目が異なるため、各自治体のルールを確認しましょう。
ボックス回収
公共施設・スーパー・家電小売店・ホームセンター等に設置されている専用の回収ボックスに、消費者自身が投入する回収方法です。
ステーション回収
定期的に実施されている自治体によるステーション(ごみ排出場所)ごとの資源物回収に、新たに「使用済小型電子機器」に該当する分別区分を設け、回収する方法です。
ピックアップ回収
従来の自治体によるごみの分別区分の「粗大ごみ」や「不燃ごみ」と一緒に回収し、ごみ処理施設で職員が小型家電を取り出す回収方法です。
イベント回収
地域のイベントで、回収ボックスの設置や対面回収等によって、イベント参加者が持ち込んだ使用済小型家電を回収する方式です。
小型家電認定事業者マーク・小型家電回収市町村マーク
下図は、小型家電を回収していることを意味するマークです。このマークは、国が認めたリサイクル事業者や小型家電リサイクルに取り組む市区町村だけが使用できます。
まとめ
日本国内の使用済み小型家電には、現在使用中の製品も含め、推計で金が6800トン、銀が6万トンという資源国をしのぐ量の金属資源が存在すると考えられています。貴重な資源をムダにすることがないよう、小型家電を使い終わった後はリサイクルするよう心がけましょう。
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