廃棄物の種類「除去土壌」とは?処理の現状と再利用を徹底解説

コラム

今回は、除去土壌について解説します。

除去土壌とは?

平成23年に起きた福島第一原発事故後、除染で取り除いた土壌を「除去土壌」と呼びます。

除去土壌処理の現状と再利用を目指す背景

環境省は除去土壌に関して、最終処分を行うまでの間、安全かつ集中的に管理・保管するための中間貯蔵施設を福島県内に設置する計画を発表しています。これは、除去土壌の量が膨大で、現時点で全てを最終処分できないためです。

さらに、除去土壌を中間貯蔵開始後30年以内に福島県外での最終処分完了を目指し、平成28年4月に策定した「中間貯蔵除去土壌などの減容・再生利用技術開発戦略(技術開発戦略)」の中で、周辺住民・作業者に対する放射線の安全性確保を前提に、減容処理などを行って除去土壌を再生資材化、適切な管理のもと再生利用を実現する考えを示しています。

参照環境省 除染情報サイト中間貯蔵施設について

除去土壌の再利用とは?

土壌は資源の一つという考えから、放射性物質を含む土壌の汚染の程度を下げる処理などを行い、安全性を確保することで地元住民の理解を得て再利用することを目指しています。

また、資源として土壌を有効利用することで、廃棄物として処分される土壌の最終処分量の減少・最終処分場の施設規模の縮小・土砂の新規採取量の抑制につながると考えられています。

再利用する上での追加被ばく線量と安全性の確保

除去土壌の再利用は、用途ごと追加被ばく線量評価に基づいて適切な管理を行った上での再利用が考えられています。

具体的には、土壌の放射能濃度の設定、覆土などの遮へい措置を行い、管理主体・責任体制が明確な公共事業などの構造基盤の部材(盛土材など)に限定して利用することが考えられています。用途ごとの再生資材として利用可能な放射能濃度については下表のように示されています。

除去土壌の再生利用実現に向けた取り組みの流れ

再生利用実現に向けた以下のような取り組みを段階的に進めることで、取り組みで得た知見をフィードバックし、放射線防護の最適化・社会的受容性の向上を図りながら、除去土壌の再生利用の早期本格化を目指すとしています。

実証事業・モデル事業の実施

  • 追加被ばく線量を制限するための管理の妥当性を検証する目的で実証事業を実施
  • 事業実施者や地域住民など関係者の理解醸成、社会的受容性を向上させる目的でモデル事業を実施
  • 実証事業・モデル事業にて放射線の安全性と具体的な管理方法を検証

適切な管理の仕組みの検討と「再生利用の手引き」の作成

  • 再生利用先の施設での施工・管理など適切な役割分担の下で管理が実施されるために特措法に基づく管理の仕組み作りの検討
  • 環境関連法令なども含め、再生資材を用いた工事の計画・設計、施工、供用における留意点を整理した「再生利用の手引き(仮称)」を作成
  • 「再生利用の手引き(仮称)」の作成では、長期間に渡るプロセスや多様な主体が関与することから「いつ・どこで・誰が」を明確にする

理解・信頼を得るための取り組みと環境整備

  • 再生利用の必要性や放射線の安全性についての知見を国民と共有
  • 実証事業やモデル事業の結果を関係者と共有するための啓発、対話、体験のための取り組み
  • 社会的・経済的・制度的側面から再生資材の利用促進方策やその実施方針などの検討
  • 上記の取り組みを通じての再生利用本格化に向けた環境整備

参照再生資材化した除去土壌の安全な利用に係る基本的考え方について
参照環境省 第9章 事故からの回復に向けた取組

まとめ

福島第一原発事故後に大量に発生し、処分や管理場所を要している除去土壌を、貴重な資源として活用するために、今回の除去土壌の再利用が考えられるようになりました。

現在、除去土壌の再利用に向けた取り組みは、地域住民や関係者への理解・信頼が大前提として考えられ、具体的で安全な再利用方法や適切な管理の徹底が求められています。3月11日の震災や原発事故で大量に発生した災害廃棄物の多くが、地域住民や廃棄物処理関係者などの努力で処分が進みました。

しかし、一時保管している廃棄物など、まだ全ての廃棄物の処分にはいたりません。除去土壌もその一つで、今後どのように利用・処分されていくのか、注目されています。

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