産業廃棄物の運搬・保管を行う場合の「表示義務」とは?

産業廃棄物を運搬または保管する場合には「表示義務」というものがあります。運搬時には運搬する車両、そして保管する場所には決められている大きさの指定された情報を表示する義務があります。

今回は産業廃棄物の運搬・保管に必須な「表示義務」について解説します。

産業廃棄物の運搬車両における表示義務について

産業廃棄物処理法で決められている表示基準については以下のように決められています。表示基準は事業者ごとに異なります。

排出時事業者

  • 産業廃棄物を収集運搬しているという表示
  • 排出事業者名

収集運搬・保管業者

  • 産業廃棄物を収集運搬しているという表示
  • 業者名
  • 許可番号(下6桁以上)

表示例は下記の通りです。

産業廃棄物表示を取り付ける際の注意点

表示を取り付ける場合、文字のサイズや位置などが細かく指定されています。

  • 誰にでも見やすい場所につけること
  • 車両の両側につける事、位置については言及しない
  • 手書きではなく印刷された文字であること
  • 見やすい文字の色を選ぶこと
  • 表示方法は車体に直接印字、マグネットやステッカーでつけるなど適当な方法を選んで良い
  • 産業廃棄物運搬車両には140ポイント以上の文字で表示すること(約5cm以上)
  • 事業者名については90ポイント以上の文字で表示すること(約3cm以上)

以上の表示義務に加え、書類携帯(マニフェストや許可証の写し)が求められています。違反していた場合は排出事業者であれば厳重注意、収集運搬業者は営業の停止などの処分もあります。

産業廃棄物保管場所における表示義務について

産業廃棄物の保管場所は、定められた保管基準に則って保管することが決められています。例えば、囲いがあることや、産業廃棄物の飛散や、流出の恐れがない場所である事、産業廃棄物の重みに耐えることが出来る事などが求められます。そして保管場所の表示義務は掲示板、もしくは塀などに産業廃棄物保管場所標識と呼ばれるものを掲げます。

表示する内容は収集運搬業者なのか処理業者なのかでも異なります。これについては「産業廃棄物の保管場所届出」で所在地の市役所に届けている内容と同じでなければなりません。

産業廃棄物保管場所標識の項目について

縦、横ともに「60cm以上」と定められています。

表示例は下記の通りです。

・廃棄物の種類
取り扱う産業廃棄物の種類を記載します。

・数量
積み替えおよび、処分のための保管の場合

・氏名又は名称、連絡先
責任者の氏名、法人の場合はその名称を記載します。
連絡先は何か問題があった時にすぐに連絡のつく番号を記載します。

・保管の高さ
外で容器に入れず保管する場合の上限

まとめ

産業廃棄物の保管場所は、県で定められている内容に沿って決めたとしても市で別の条例が定められていたり、と簡単に決められるものではありません。

多くの法律やルールから問題ないと判断されてから使用する事ができます。そのため表示義務や携帯義務など様々なルールがあり、違反をしてしまうと厳しい処分が下されます。

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