産業廃棄物を処理する時に発行される産業廃棄物マニフェストはどこで購入すればいいのでしょうか?
一般的に、マニフェストの発行は廃棄物を出す排出事業者側が準備し、中間業者側(運搬・処理)は準備する必要がありません。便宜上、処理業者に排出業者が準備、発行を委託する事もあります。
今回は、産業廃棄物マニフェストの購入場所や注意点について解説します。
目次
産業廃棄物マニフェストはの購入方法
産業廃棄物マニフェストは各都道府県の産業廃棄物協会、建設業協会で販売しています。各協会で購入申込書がありますので、記入し申し込みます。配送方法は直接受取り、もしくは配送を選ぶ事ができます。
各都道府県の産業廃棄物協会の検索はこちら
https://www.jwnet.or.jp/workshop/omousikomi/index.html各都道府県の建設業協会の検索はこちら
http://www.zenken-net.or.jp/prefecture/tohoku/
また、個々の業者でマニフェストの販売、印字サービスを行なっているところもあります。
産業廃棄物マニフェストの金額
金額は、事業系・建設系で異なります。
事業系マニフェスト
種類 | 1箱あたり | 金額 |
---|---|---|
単票(手書き用) | 100セット | 2,600円 |
練帳(ドットプリンター用) | 500セット | 13,000円 |
建設系廃棄物マニフェスト
種類 | 1箱あたり | 金額 |
---|---|---|
単票(手書き用) | 100セット | 2,500円 |
練帳(ドットプリンター用) | 500セット | 12,500円 |
※おおよその金額です
単表と連帳
単票はマニフェスト7枚綴りが1つ1つ切り離されているものです。
連帳はマニフェスト7枚綴りの上下がミシン線でつながっており、簡単に切り取る事ができます。連帳は同じ排出現場を連続して印刷したい時に便利です。
産業廃棄物マニフェストと一緒に購入できるもの
マニフェストを使用する際に、必要になってくる「契約書」や「ルールブック」なども一緒に購入する事ができます。
例として神奈川県のマニフェスト等購入申込書を見てみると
- 建設廃棄物処理委託契約書
- 建設廃棄物処理委託契約書手引書
- 電子マニフェスト用産業廃棄物送り状
などを購入する事ができます。
法的な縛りはありませんが、あると便利な書類一式が用意されています。購入都市によってこのマニフェスト等申込書も異なります。
産業廃棄物マニフェスト購入時の注意点
産業廃棄物マニフェストは、産業廃棄物協会や建設業協会が使いやすいように作っているため、"必ずここから購入し使わなければいけない"というルールはありません。
ですが、マニフェストを購入できる場所はごく一部に限られているため必然的に利用する回数は増えます。万が一、別のところで購入する場合は、マニフェストに発行元、交付番号、法的記載事項が項目として入っていることを確認し、他にも社内での運用ルールをしっかりと確認しましょう。
マニフェストに元々印字されている交付元について
マニフェストを発行している業者は必ずマニフェストの下部「発行元」で確認する事ができます。全国産業資源循環連合会のページにマニフェストの発行元についての質問が掲載されていましたので紹介します。
【質問】
発行元が書いてないマニフェストが手元にあるのですが、使用しても大丈夫ですか。【回答】
各都道府県市の産業廃棄物担当窓口にご相談ください。
また、発行元にもご確認下さい。連合会発行のマニフェストは、発行元が公益社団法人全国産業資源循環連合会と表示があります。
安易に使わず、確認してから使用するようにしましょう。全国産業資源循環連合会のQ&Aより
https://www.zensanpairen.or.jp/disposal/manifest/faq/
産業廃棄物マニフェストのプリンターを使用した印字方法
産業廃棄物マニフェストは複写式(カーボン式)になっており、最初のページにあるA票に書いたものが下のB票からE票までうつるようになっています。一度ミスしてしまうとすべてのページを修正、もしくはマニフェストごと廃棄になってしまうのであまり効率的ではありません。
また、手書きは「見にくい」「ミスが増える」などのトラブルも考えられるため、事前に分かっている項目はプリンターを使用して印字した方が良いでしょう。後から変更が出た場合、または現地に行かないと廃棄物の情報がわからない場合は、印刷し直す、もしくは空欄にしておき、手書きで情報を加える事で対応できます。
印字方法は、複写式の紙に印字することに特化した「ドットプリンター」と呼ばれるプリンターを使用します。導入コストはかかりますが、修正や確認、手書きをしている時間を考えると、現状よりもさらに効率的に仕事が進みます。
参考:エプソン 産廃マニフェスト印刷
https://www.epson.jp/products/dotprinter/manifest.htm
産業廃棄物マニフェストの印刷サービス
導入コストがネック、まずは試してみたい、と考えている方は、マニフェストの印字代行をしてくれる業者がありますのでそちらにお願いしてみるのも手です。マニフェストも準備してくれるので購入の手間を省く事ができます。
マニフェストは1つ間違えてしまうと、大きなトラブルにつながってしまう恐れのある書類です。経験や知識が豊富な業者に依頼するようにしましょう。
カーボンとノーカーボン、どちらが良いのか
マニフェストを選ぶ時に、「カーボン」と「ノーカーボン」と書かれたマニフェストがあります。
カーボン式の特徴
カーボンは昔からある伝票や領収書をイメージしてください。1枚目の裏が一面黒く、少しの衝撃で色濃く複写されます。手や服にも簡単に色がついてしまいますが、しっかりと複写されるため、産業廃棄物協会ではマニフェストを5年間保存するためにもカーボンが推奨されています。
カーボン式は持ち運びや保存の際に注意が必要です。少しの衝撃でインクが手や服にもうつってしまうので、黒く汚れやすいというデメリットがあります。
ノーカーボン式の特徴
ノーカーボンは、複写式ではない、という意味ではなく、文字を書く時の圧力で下のページに文字を写す方法です。
カーボンのように汚れる事はありませんが、手書きの場合、しっかりと力を込めて書かないと最後のE票まで複写されない、というデメリットがあります。
まとめ
産業廃棄物マニフェストは、直接購入、または電話、FAXで購入する事ができます。公益社団法人以外にも、マニフェストを販売しているところがありますので確認してみましょう。
マニフェストへの記入は、手書き以外にも印字代行サービス、自社でドットプリンターを購入し印字する事もできます。