レジ袋有料化に際し、消費者が知っておくべき「買い物袋」についての情報をまとめます
目次
プラスチック製買い物袋の有料化とは?
海洋ごみ問題、地球温暖化など地球規模の課題が一層深刻さを増し、プラスチック資源の有効活用が求められていることを背景に、2019年5月に日本政府は「プラスチック資源循環戦略」を制定しました。
その戦略の中の取り組みの一環として「レジ袋有料化義務化(無料配布禁止など)」があります。小売業に属する事業者が、販売の際に商品を持ち運ぶためのプラスチック製買い物袋を有料で提供することで、プラスチック製買い物袋の排出抑制を促進することをねらいとして2020年7月1日から全国で始まります。
有料化の対象となる買い物袋の基本定義
「消費者が購入した商品を持ち運ぶために用いる、持ち手のついたプラスチック製買い物袋」としています。
出典:経済産業省 制度概要
対象外となる買い物袋
以下の①~③のいずれかの要件に該当し、それぞれ定められる内容が表示されている買い物袋は対象外になります。
出典:経済産業省 制度概要
①プラスチックのフィルムの厚さが 50 マイクロメートル以上
繰り返し使用することが可能なことやプラスチック製買い物袋の過剰な使用抑制を理由に、プラスチックのフィルムの厚さが 50 マイクロメートル以上のものは対象外です。
②海洋生分解性プラスチックの配合率100%
海洋プラスチックごみ問題への対策につながることから、海洋環境下で微生物に代謝されて自然界へと循環する性質のあるプラスチックの重量が、買い物袋のプラスチック重量を100%占めるものは対象外です。
③バイオマス素材の配合率25%以上
バイオマス※を化学的または生物的作用を利用して処理することで製造された素材の重量が、プラスチック製買い物袋のプラスチックの重量25%以上を占めるものは対象外です。
※バイオマス:動植物に由来する有機物である資源のこと。ただし、原油、石油ガス、可燃性天然ガスや石炭を除く。
対象外となる具体的な判断基準
対象外となる袋の判断基準は下記の通りです。
袋の形状をしていない
社会通念上、袋の形状※をしていないものは対象外です。
※袋の形状:開口部がある・柔軟な素材・中に物を入れることができる容器
プラスチック製ではない
素材の構成おいて、他の素材が混ざっている場合でも、プラスチックが重量比率を最多く占めているものをプラスチック製とします。しかし、かわりとして紙袋などの使用を過剰に増加させることは望ましくないとされています。
商品を入れる袋として認められない
商品販売・購入の際に、消費者が商品を持ち運ぶために使用するプラスチック製買い物袋を有料化の対象としているため、袋に入れる中身が商品ではない場合は対象外です。
具体例 |
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持ち運ぶための袋ではない(持ち手がない)
持ち運ぶための袋ではない、持ち手のない袋は対象外です。以下の例は、いずれも持ち手がないものとします。
具体例 |
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事業者からやむをえず提供され、消費者が辞退できない場合の袋
事業者からやむをえず提供され、消費者が袋の必要性を判断し辞退できない場合での袋は対象外です。
具体例 |
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まとめ
すでに各スーパーなどでレジ袋の無料配布が廃止され、レジ前などで希望者のみが有料レジ袋を購入できるシステムが導入され始めたことで、消費者のレジ袋に対する意識も高まっていることでしょう。
レジ袋が有料化するにあたって、袋1枚あたり1円未満という価格設定は有料化にあたらないなどレジ袋に関する細かな決まりがあるため、関連する事業者は注意が必要です。
また、消費者が通信販売で商品を購入する際であっても、袋の有無を意思表示できるようなシステムを導入した先行事例もあるため、消費者としても商品購入の際は常に袋の要否に関心を持つことが必要になるでしょう。
過去のプラスチックごみ・レジ袋に関連するコラムはこちら
参照レジ袋有料化義務化とは?有料化はいつから?
参照G20大阪サミットで問題となった海洋プラスチックごみとは?対策と課題について
参照廃プラスチック類とは?廃プラスチック類の種類や廃棄量統計の現状と課題