温室効果ガス排出量の現状と廃棄物の関係

コラム

温室効果ガスの排出量の現状

日本の2018年度における温室効果ガス総排出量が12億4,400万トン(二酸化炭素換算※)で、前年度から3.6%減少したことを環境省と国立環境研究所が発表しました。前年度より減少した要因は、電力の低炭素化※に伴う電力由来の二酸化炭素排出量の減少、省エネや暖冬によるエネルギー消費量の減少、エネルギー起源の二酸化炭素排出量が減少したためと考えられています。

※二酸化炭素換算とは?

各温室効果ガスの排出量にそれぞれのガスの地球温暖化係数を乗じて、それらを合算する換算方法を言います。

※電力の低炭素化とは?

発電する際の二酸化炭素排出量を抑制することを言います。

<参考>環境省 2018年度(平成30年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について
<参考>経済産業省さまざまなエネルギーの低炭素化に向けた取り組み

廃棄物部門における二酸化炭素排出量

温室効果ガスの種類はメタンや一酸化二窒素などさまざまなガスがある中で、2018年度に最も排出量の減少に成功したのが二酸化炭素です。その二酸化炭素排出量を部門別にわけた下記の表によると、廃棄物(焼却等)に関しては増加していることがわかります。

現在、環境省の公式ホームページで公開している一般廃棄物または産業廃棄物の排出及び処理状況等の項目は、平成29年度までしか公開されていないため、廃棄物による二酸化炭素排出量増加の要因にいたっては今後の発表が注目されます。

<参考>環境省廃棄物処理に関する統計・状況

廃棄物処理・焼却と二酸化炭素排出量の関係

2012年に環境省は「廃棄物処理部門における温室効果ガス排出抑制等指針マニュアル」を公表しました。指針が公表された背景として、「地球温暖化対策の推進に関する法律」で、廃棄物処理事業者等に対して「事業活動に伴う温室効果ガスの排出抑制等」、「日常生活における排出抑制への寄与」という2つの努力義務と、この努力義務に対して「事業者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表する」と定め、廃棄物分野においての循環型社会・低炭素社会の形成が求められたことが挙げられます。指針では、一般廃棄物処理量当たりの二酸化炭素排出量の目安を提示し、以下のような対策の実施状況・効果を把握して効果的な取り組みを続けることで、事業者の適正な取り組みに貢献することを目的としています。

具体的な温暖化対策の一例

エネルギー消費、広域化や統合による効率化を考慮した適切な設備の選択
効率化などを考慮した設備の使用方法の改善
再生利用を目的とした市町村の廃プラスチックの適正な分別収集など

<参考>環境省 廃棄物部門の指針

温室効果ガス削減に向けた廃棄物処理の今後の課題

温室効果ガス削減に向けた廃棄物処理の今後の課題として、廃棄物の削減、廃プラスチック類などのリサイクルできる廃棄物の適正な再利用の推進、廃棄物焼却の際に発生する熱エネルギーによる廃棄物発電の向上が挙げられます。また、今回発表された統計によると、総排出量は減少していますが、冷蔵庫などの冷媒によるオゾン層破壊物質の代替としたハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量は増加しているため、対策が急務となっています。

国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)と発電方法

12月2日からスペインの首都マドリードで開催された「国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)」では、世界的な脱炭素の流れによって石炭火力発電の批判がされる中、小泉環境相は火力発電の廃止など具体策に関する発言はありませんでした。イギリスやフランス、ドイツなどは将来的に石炭による火力発電を全廃するという脱炭素に向けた方針を打ち出しました。二酸化炭素排出量が多いとされる火力発電に比べ、原子力発電は二酸化炭素の排出がありません。しかし、原発事故による原子力発電への反対や低炭素を目的に火力発電の効率化に力を入れてきた日本は難しい立場にあります。

まとめ

温室効果ガス総排出量が減少している中、廃棄物(焼却)部門は増加しています。他の部門と比較すると排出量の割合が低いため、廃棄物の温室効果ガス対策に否定的な意見もあります。しかし、その対策によって廃棄物の適正な処分・再利用が推進されれば、結果的に廃棄物量削減や不適正処理による日本の抱える環境問題対策につながる面もあります。現在、脱炭素に向けた日本の発電方法が模索される中、廃棄物発電に関しても再度見直されることでしょう。

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