産業廃棄物処分許可とは?産業廃棄物処分業に必要な条件

産業廃棄物処理業と産業廃棄物処分業とは?

産業廃棄物処理業の工程は大きくわけて、①収集運搬、②中間処理、③最終処分の3つの工程から成り立ちます。このうち、②中間処理と③最終処分の業務をまとめて産業廃棄物処分業と言います。

①収集運搬

産業廃棄物排出現場から処分場まで運ぶことや産業廃棄物処理業者が廃棄物を収集すること

②中間処理

リサイクルや最終処分にむけて、リサイクルできるものを選別したり、容量を小さくするための「破砕」「焼却」「脱水」などの減容を行ったり、有害物質を無害化すること

③最終処分

最終処分場にて、安定化と言われる環境や人体に影響を及ぼす恐れのない状態になった産業廃棄物を埋め立てること

<参考>JWセンター 産廃知識廃棄物処理の流れと行為

産業廃棄物処分業許可とは?

産業廃棄物処分業を事業として行う場合、廃棄物処理法に従い、事業を行う区域を管轄する市区町村長または都道府県知事の許可を得る必要があり、申請者が基準に適した施設や能力を有していることや欠格要件に該当しないことを条件としています。産業廃棄物処分業の許可は、産業廃棄物の種類ごとに許可が必要となります。産業廃棄物の種類は20種類あり、そのほかに処分する際に有害な物質を発生するおそれのある特別管理産業廃棄物があります。特別管理産業廃棄物の処分には、有害物質を発生する危険性があることから、処分する際には特別管理産業廃棄物管理責任者の選任が必要とされています。以下は、特別管理産業廃棄物を除く産業廃棄物の産業廃棄物処分業の許可についてまとめています。

<参考>環境省産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)

講習会の受講

産業廃棄物処分業を行うにあたり、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターによる処理業講習会を受講する必要があります。法人の代表者や役員、事業主が講習会を受講し、テストの合格することで終了証を取得できます。この終了証が、許可申請の際に必要となります。

<参考>公益財団法人JWセンター 2019年度講習会の申込受付開始のお知らせ

施設・設備の基準

申請に関わる施設が、取り扱う産業廃棄物の性質に適した処理が可能で安定的維持管理が可能であること、申請者がその施設を継続して使用できる権限を有していることが基準となります。

経理的基礎

産業廃棄物処分業を事業として的確に継続管理できる経理的基礎を有していることが求められます。具体的には、自己資本比率が10パーセントを超えていること、将来的に事業として適切な収益が見込めるかどうかなどが経理的基礎の有無の判断基準となります。資金の調達元や納税証明書の提出など、必要に応じて運営資金に関わる書類の提出が求められます。

欠格要件

法律に則った適正な業務を遂行することが期待できない人物を排除することを目的に、申請者の適正の判断基準として以下の欠格要因に該当しないことが産業廃棄物処分業許可取得のための条件となります。
1.成人被後見人または被保佐人
2.破産者
3.産業廃棄物処理法などに違反し、過去に刑罰を受けている者
4.申請者の資質や社会的信用の面からみて、将来的に不適正な業務をするおそれがある者
5.暴力団員
6.そのほか

<参考>環境省産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)

許可不要となる再生利用認定制度

再生利用認定制度とは、環境省令で定める廃棄物の再生利用を行う際に、生活環境保全上支障がなく環境省令および告示で定める基準を満たしている場合、環境大臣の認定を受けることで、処理業の許可を受けずに認定された廃棄物の処理業の実行と処理するための施設設置許可を受けずに処理施設を設置することができる制度のことです。
<参考>環境省再生利用認定制度関連

まとめ

産業廃棄物処分業は、産業廃棄物処理工程のうち2つの工程である中間処理と最終処分をまとめた業務のことを言います。処分業を行う際には、収集運搬業と同じように、事業に必要な施設や設備を有しているかどうか、事業主などが講習を受けているかどうか、将来的に事業としての利益が見込まれるか、申請者が適正な処理を行うことが可能な人物かどうかが必要とされます。また、新規で受講した講習会修了証を許可申請書に使用する場合、多くの自治体が有効期限を5年間などと期限を設けているため更新を忘れないようにしましょう。

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